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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1346308252/ 己のカルマと戦う京太郎の前に現れたステルスモモ 彼女から持ちかけられた悪魔の契約に対して、決意を固めたはずの京太郎の心は揺らぐ 彼は自らの生き方を切り開くことができるのか!? 京太郎(師匠……すみません……) 京太郎(俺はやっぱり、自分の身がかわいい臆病者みたいです……) 京太郎「分かった、そちらの要求を飲もう」 桃子「あなたならそう言ってくれると思ってたっす」 桃子「合宿中は無理に行動を起こさなくて良いっす」 桃子「実際に行動に移すのは、清澄に帰ってからということで」 京太郎「分かった。しかし今は情報が足りない」 京太郎「うちの部長とそっちの先輩ってのは、一体どれくらい親密なんだ?」 桃子「……名前」 京太郎「ん?」 桃子「あの女、私の先輩を下の名前で呼びやがったんす!」 桃子「私でさえまだ苗字に先輩って付けただけなのに……」ギリッ 京太郎(こ、これは……) 京太郎(百合場面名鑑収録「下の名前で呼んで」の亜種か!) 京太郎(いやいや、喜んでる場合じゃないだろ) 京太郎(落ち着け、冷静になるんだ) 京太郎(たかが下の名前で呼ぶようになっただけで、そこまで危険な段階に入っていると言えるか?) 京太郎(下の名前で呼び合うくらいまでなら別に……) 京太郎(…………) 京太郎(かじゅ久、いや、久かじゅ……か) 京太郎(アリだな) 京太郎(部長という職務の重責……そこから生じるストレスを抱えながら部活を発展させようとしてきた二人) 京太郎(奇しくもそれぞれが在籍する麻雀部は歴史がゼロと言っても過言ではない状態の新生部) 京太郎(同じような境遇にある者同士がある日交錯したとき、物語は始まる) 京太郎(ん?鶴賀の部長はカマボコみたいな口の人だっけか) 京太郎(まあいいか、立場的には似たようなものみたいだし、やはりそこから生じる共感g) 桃子「不愉快な妄想をしているようなら、あんたにはもう用はないっす」ニコッ 京太郎「!? ち、違うんだ! 待ってくれ!」 桃子「次はないっすよ?」 桃子「とにかく、くり返すっすが方法は問わないので、可及的速やかに処理をしてくださいっす」 桃子「こうしている間にも、あの女の毒牙が先輩に迫ってるんっすから」ギリッ 京太郎(これは……マジだな)ゴクリ 桃子「最終的にあの二人の接触を断つことができれば良いことにするっす」 桃子「だけど、もしも間に合わなかったら、その時は……」ゴゴゴ 京太郎「分かってる! 分かってるからそれだけは……それだけは許してくれ…」 桃子「じゃあ、今日のところはこれくらいにしておくっす」 桃子「期待してるっすよ、須賀京太郎君?」 桃子「あ、それと、万が一先輩の着替えを覗くとか、そういうことをした場合もその場で処刑確定なので注意してくださいっす」 桃子「では」スゥ… 京太郎「ふぅ……」ドサ 京太郎(なんてことだ……まさかこんなことになるなんて……) 京太郎(どうすれば……師匠に助けを) 京太郎(いや、それだけは絶対にできない) 京太郎(俺の尻拭いを師匠にさせるなんてことは、絶対にあってはならない……) 京太郎(しかし、師匠の思いを踏みにじることも避けたい) 京太郎(くそっ……八方塞がりか…) 京太郎(……いや、待てよ) 京太郎(今のこの状況、一見すると男である俺が百合の園を土足で踏み荒らそうとしているように見える) 京太郎(しかし、今俺がそんな行動に出ようとしているのは、紛れもない百合娘・東横桃子からのアクションがあったからだ) 京太郎(実際のところこれは、百合娘が自らの願望を成就させるための手段だと考えられないだろうか?) 京太郎(ならば今の俺は、百合の舞台の上にある一つの小道具……) 京太郎(百合の花を咲かせるためだけに存在する、ひとつの背景に過ぎない) 京太郎(それならば……俺は飽くまで流れの中で求められ、使われているに過ぎない!) 京太郎(そう、主人が執事に……透華さんや衣ちゃんが師匠に命じて、師匠がそれに応えるという関係のように) 京太郎(俺が桃子さんの要求に応じるのは、何の違和感もない行動だと言えるんじゃないか!?) 京太郎「く、くくく」 京太郎(これは、むしろ僥倖かもしれん) 京太郎(行動の理由を自らの外に置きつつも、それでいて自らのためになる行動ができる) 京太郎(しかもそれは、俺自身の規範に逆らうものではない) 京太郎(いいねぇ、望むところだ) 京太郎(やってやろうじゃないか!) 京太郎(俺は舞台の上で、俺の役を演じきってやる!) 京太郎(アトモスフィア京を舐めるなよ!!) ――久主催部屋―― 久「その手を鳴かずに進められるのね…」 ゆみ「これを鳴いて和了れる相手とは思っていない」 久「あら、随分と評価してもらってるみたいね」 ゆみ「当然だ、聞くところによるとインターミドル時代も猛威を振るっていたそうじゃないか」 ゆみ「高校に入ってから麻雀を始めた私から見れば、大先輩だよ」 久「いやねぇ、そんなことまで調べてあるの? ちょっと怖くなっちゃうわ」 ゆみ「敵情視察は戦略の基本だ」フッ 久「怖いわね、滅多なことができなくなっちゃう」 京太郎(ふむ、思った以上に親密になっているようだな) 京太郎(桃子さんの杞憂というわけではなさそうだな) 京太郎(部長が加治木さんを誘った時に下の名前で呼んでるのを見て、大慌てで俺に話を持ちかけてきたわけか) 京太郎(凄まじい行動力……いや、執念と呼ぶべきか) 京太郎(しかし……) 美穂子「うえ……竹井さん」 久「うーん、ねぇ美穂子」 美穂子「す、すみません! 失礼なことを……」 久「いや、別に上埜って呼ばれるのを気にしてるわけじゃないのよ?」 久「ただ、ゆみも私のことを名前で呼んでるし、美穂子も私のことを名前で呼んでくれないかしら」 久「ほら、私も“美穂子”って呼んでるわけだしね」 美穂子「え、でも……」 久「よし、決めた」 美穂子「え?」 久「“久”って呼んでくれないなら、なんにも反応してあげないことにするわ」 美穂子「え、そ……そんな、冗談ですよね?」 久「……」 美穂子「た……竹井、さん?」 久「……」 美穂子(うぅ……) 美穂子「ひ、久さん」 久「うーん、“さ”が続くと響きが悪いわねぇ」チラッ 美穂子「そ、そんな……」 久「あーあ、さみしいなぁ」チラッチラッ 美穂子「……」 美穂子「……久」ボソッ 久「……」スッ トトト 美穂子「え?」 久「……」ギュウ 美穂子「えっ!? ひ、ひゃ」 久「なぁに、み・ほ・こ♪」フゥ 美穂子「あ、わあうああうああ」カアァァァ 美穂子(息が、息が耳に……!) 衣「おい久、対戦相手の手牌を盗み見る気か?」 久「あら、ごめんなさい。そんなつもりはちっとも無かったんだけど」 久「あんまりにも美穂子が可愛いもんだから、自分を抑えきれなくなっちゃってね?」 美穂子「うぅぅ……」 ゆみ「まったく」ニガワライ 京太郎(…………) 京太郎(たまらん) 京太郎(なんだなんなんだこの最高の桃色空間は!?) 京太郎(ってか部長! あんた最高だよ!!) 京太郎(女の子を手玉に取るすべを身につけすぎてて、逆に怖い!) 京太郎(これは間違いなく歴戦の百合娘!) 京太郎(今までも相当な数の生娘をその毒牙にかけてきたに違いない!) 京太郎(はっ!?)ピキュイィィン 京太郎(そ、そういえば、うちの部室ってやたら恵まれた環境にあるよな……) 京太郎(部員数ギリギリ団体戦に出場可能なくらいしかいない弱小中の弱小部なのに) 京太郎(しかも、中古で買っても決して安くない自動卓まである) 京太郎(ここから導き出される結論、それはすなわち……) 京太郎(百合売春!!) 京太郎(いや、実際には売春というより、何かしらの備品をかけての麻雀勝負だったのではないだろうか) 京太郎(「部員がいないからちょっとだけ付き合ってくれない?」と誘われ、軽い気持ちで部室に足を踏み入れた彼女たちだったが) 京太郎(そこで会話をしていくうちに、次第に久という存在に惹かれるようになる) 京太郎(そしてある日、部室に置く備品をかけての勝負を持ちかけられる) 京太郎(賭けられるものがないように見えることを久に伝えると、彼女は自分の躰を賭けると言い出す) 京太郎(はじめは驚いて勝負を拒否するが、あっさりと久は引き下がる) 京太郎(拍子抜けした状態で帰宅するも、ベッドの中でそのことを反芻し、勝負を受けなかったことを後悔する) 京太郎(そして翌日、放課後になると真っ先に麻雀部の部室に向かい、そこの主に「賭けをしよう」と持ちかけるのだ) 京太郎(そしてギリギリの勝負の末、見事勝利を掴み取る。高鳴る胸の鼓動) 京太郎(なんとか平静を保とうとしていると、久がゆっくりと立ち上がり、部屋の隅のカーテンをそっと開く) 京太郎(そこには真っ白なシーツがかかったベッドが。ベッドの上に腰掛け、制服を徐々に崩しながら、誘うような目つきで見てくる久) 京太郎(そして耐えられなくなった欲望がり性を粉々に打ち砕き、久の体躯を、息を荒げながら乱暴に組みしだく……) 京太郎(一度味を知ってしまったらもう後には戻れない) 京太郎(自らの私物やポケットマネーを賭けてまで戦いに挑み、徐々に泥沼にはまってゆく) 京太郎(絶妙なバランスで勝敗を調整しながら、久は彼女たちの心を弄んでいく……) 京太郎(こう考えれば、不自然なほど揃っている備品の数々、そしてあのベッドの説明がつく) 京太郎(そして和は、かつて部長が甘い声を上げながら) 京太郎(時には上げさせながらシーツを濡らしていたなどということに微塵も気づかず、そのベッドで無防備に睡眠をとっているのだ) 京太郎(…………) 京太郎(い、いかん、これは危険だ) 京太郎(平常心が保てなくなりそうだ……落ち着け俺)フゥ ゆみ「ん?」 京太郎(っ! まずい!) 京太郎(アトモスフィアモードを……冷静に……)スゥ ゆみ(…………気のせいか) 京太郎(……危なかった) 京太郎(しかし、さすがと言わざるを得ないな) 京太郎(あの桃子さんの気配を、完全に隠蔽していない状態とは言え察知できるだけ……) 京太郎(しまった、本来の目的を忘れるところだった……!) 京太郎(今は百合妄想に浸っている場合ではない。何とかして現状を打開しないと……) 京太郎(しかし、俺のSPY-Lレーダーの情報が正しければ、キャプテンはもう既に陥落しているが、肝心の部長が問題だ) 京太郎(今回のオーダーは部長を加治木さんから引き離すこと) 京太郎(最終的に部長そのものをどうにかしなければ意味がない……) 京太郎(しかし、ここに来てからの部長の姿を見る限り、彼女を特定の誰かと結びつけることはかなり難しい) 京太郎(おまけに今回は時間が限られている) 京太郎(一度この合宿が終わってしまえば、これだけのメンバーが一堂に会することは殆どなくなるだろう) 京太郎(解散してしまえば部長と加治木さんの接触自体は減るだろうが) 京太郎(もし個人的に合うといった状況になった場合、それを事前に察知するためには部長のプライベートに張り付く必要が出てくる) 京太郎(そして周囲にフレアとして使えそうな人材がいるとも限らない) 京太郎(合宿終了まであと何時間だ?) 京太郎(なにか……何かないのか……) 京太郎(師匠……俺に力を……) 京太郎(……ん? 待てよ?) 京太郎(このSPY-Lの反応……) 京太郎(はっ!?) 京太郎(そうか! この手があったか!) 京太郎(…………しかし、これは成功する確率が高いとは言えない……) 京太郎(どうする、別の手を考えるか……?) 京太郎(いや、迷っている時間はない) 京太郎(失敗すればジ・エンドだが、何もせずにいて失敗しても結果は同じだ) 京太郎(ならば、俺は全力を尽くして死ぬ方を選ぶ) 京太郎(それに、これは紛れもない百合娘からの願いでもある) 京太郎(指をくわえて見ているだけなどというのは、百合男子道に背く行い!) 京太郎(よし! 『オペレーションNH』始動だ!!) ――清澄部屋―― 和「はぁ、流石に疲れましたね」 咲「朝から晩まで打ちっぱなしだったもんね……」 咲「優希ちゃんなんか爆睡してるよ」 優希「ZZZzzz……」ホボゼンラ 和「ゆーき……なんてはしたない…」 咲「それにしても、今回の合宿は勉強になったなぁ」 和「ですね、みなさんやっぱり決勝まで残っただけありました」 咲「はぁ、京ちゃんも来れてたら強くなれたんじゃないかなぁ」 和「」ムカッ 和「もし来れていたとしても、部長の命で雑用をやって終わりだったと思いますよ」イライラ 咲「うーん、部長ももう少し京ちゃんに優しくしてあげればいいのに……」 和「」イライライライライライライライライライライラ 和「み、宮永さ」コーイーシチャッタンダ タブン キヅイテナーイデショー 咲「あ、これって」 咲「京ちゃんからメールだ!」パァァ 和「」プチッ 和「みやながさ咲「え?」 和「!」ガバッ 和「どうしましたか宮永さん!まさかセクハラまがいのメールを!」 和「前からうすうす怪しいとは思っていたんですが、やっぱりやらかしましたかあの変態!」 和「私たちの方を見てたまにニヤっと笑っていたんですよ!」 和「気持ち悪いなぁとは思っていたんですが部活の平穏を乱したくなくて今まで野放しにしてしまいました! 申し訳ありません!」 和「今すぐヤツからのメールや着信履歴を全て削除してアドレスからも消去」 和「ついでに着信拒否リストに入れて、麻雀部、いや清澄高校、いいえ長野から永久追放してしまいましょう!!」 和「大丈夫です!裁判なら両親に頼めば必ず勝てますし、宮永さんは私が必ず守りきってみせます!」 咲「え? いやそんなメール京ちゃんはしてきてないよ?」 咲「ただ、ちょっといきなりっていうか、よく分からないっていうか……」 咲「ほら、これ」スッ 和「…………え?」 和「……何ですか、これ?」 咲「私も全然分からない……」 咲「あ、も、もしかして……」 咲「京ちゃん……あの人のこと……」ジワッ 和「!?」 和(私の咲さんを泣かせるなんて…………) 和(凌遅刑が神からの祝福に思える位の罰を与える必要がありますね……!)ゴゴゴ 和「今すぐ電話して、目的を問いただしましょう!」 咲「う、うん」ピピッ 和(短縮の0番!?)ワナワナ 咲「…………電源が入ってないみたい」 和「宮永さん! こんな訳のわからないお願いなんて聞く必要ありません! もう今日は寝ましょう!!」 咲「…………ううん、行くよ、私」 咲「きっとなにかワケがあるんだよ」 咲「私は京ちゃんを信じる。京ちゃんの力になりたいから……!」グッ 和「」イライラブルブルワナワナバキバキグシャグシャバリバリゴクン 和「…………分かりました」 和「では、私もご一緒させていただきます」 和「私も(咲さんの)力になりたいですから」ニッコリ 咲「原村さん……!」 和「行きましょう、あんまり遅くなると、寝てしまうかもしれませんよ」ニコニコニコニコ 咲「うん! 行こう!」 ――鶴賀部屋―― 桃子「ん?」 桃子(この気配……) 桃子「ちょっと出てくるっす」 ワハハ「んー? あんまり遅くなるんじゃないぞー」ワハハ 桃子「はいっす」 ガチャ バタン 桃子「で、なんの用っすか? 須賀京太郎」 京太郎「今、手を打っているところです。おそらく明日出発するまでには結果が出るでしょう」 桃子「!!」 桃子(本当? ブラフ? いくらなんでも早すぎないっすか?) 桃子「合宿中は無理みたいなことを言ってたと思うんすけど、あれはなんだったんすかねぇ?」 桃子(これは警戒しなくてないけない? いやしかし……) 京太郎「俺の認識不足でした。むしろこの機会を逃すわけにはいかないんです」 京太郎「……そして、この作戦を遂行するにあたって、桃子さんにも協力していただかなくてはなりません」 桃子(きたっ!) 桃子「確かに協力するとは言ったっすけど、内容によるっす」 桃子「当然納得できる理由も話してもらわないと」 京太郎「理由までは……ただ、殆ど手間は取らせません」 京太郎「大丈夫です。俺を信じてください」 京太郎「必ず貴女の望む結果をご覧に入れます」 桃子(……話だけなら、聞いてやるっすか…) ――外―― 桃子(一応、要求されたことはやったっすけど、あれは一体何の意味が……) 桃子(あとはここで少し待てばいいって……) 桃子(少しってどれくらいなんすかね?) 桃子(一応アイツの行いの証拠は、分散して保管してあるから、今のうちに処理するのは無理っすけど……) 桃子(10分待って何も起こらなかったら、処刑確定っすね) ゆみ「……」タッ タッ タッ 桃子「……先輩?」 ゆみ「桃子」 桃子「!?」ビクッ 桃子(こ、これは……) 桃子(先輩……怒ってるっすか……?) 桃子(一体何が……) ゆみ「桃子」 桃子「は、はいっす!」ビクッ ゆみ「ひとつ、聞きたいことがある」 桃子「なな、なんっすか?」ビクビク ゆみ「須賀京太郎をいう男の事を知っているか?」 桃子「!!??」ビックゥ 桃子(ま、まさかアイツ……みんな先輩にバラして……)ブルブル 桃子(こ、殺すっす!!) 桃子「な……んのことだか、さっぱりわからないっすね」プイッ ゆみ「声が上ずっているぞ」 ゆみ「その反応、やはりヤツの言っていったことは本当だったか……」 桃子(なんで、そんなに怒ってるんすか……) 桃子(なんで、そんなに悲しそうな顔するんすか……) 桃子(私のこと、恋愛ではないにしても、好いていてくれていたんじゃないんすか……) 桃子(じゃあなんで……今まで……勘違いさせるようなこと)ギリッ 桃子(あんまりっすよ……) ゆみ「桃子……本気なのか?」 桃子(……!)ギリリッ 桃子「そうっすよ! 本気っす!」ジワッ 桃子「でも何が悪いんすか! 先輩が悪いんっすよ!」ポロ 桃子「私は……私は、ただ……」ポロポロ ゆみ「……」スッ 桃子「っ! 触らないでくださいっす!!」バシッ ゆみ「」ギリッ ゆみ「桃子!」グイッ 桃子「きゃ!?」ドサッ 桃子(え? 何? 押し倒され……) ゆみ「桃子」 桃子「は、はい……」 ゆみ「お前を見つけたのは、私だ」 桃子「え、あ、はい」 ゆみ「だから、お前は私のモノだ」 ゆみ「誰にも渡しはしない」ギュウ 桃子(…………???) ゆみ「私が悪かった」 ゆみ「お前は、なんだかんだでちゃんと分かってくれていると思っていた」 ゆみ「全く、笑い話にもならないよ」 ゆみ「だから」 ゆみ「しっかりと、躾てやらないといけないな」 桃子「はぇ?」 ゆみ「だれがお前の持ち主なのか」 ゆみ「心にも、躰にも」 ゆみ「刻みつけてやる……!!」グイッ 桃子「な、にを んんうぅ!?」チュウゥゥ 桃子(これは一体何がどうなってこうなったんすかぁぁぁ!?) ゆみ「ふぅ」 桃子「はぁ、はぁ……せ、んぱ」ハァハァ ゆみ「……」グイッ 桃子「や、ちょ、そこは!?」ググッ ゆみ「初めてか?」 桃子「……はぁ…? そりゃ、そうっすけど……?」 ゆみ「そうか、そうじゃなかったらモモを殺して私も死んでいたよ」 桃子「ぇ?」 ゆみ「それに、痛くなければ躾にならないだろう?」 ゆみ「一生忘れられないくらい、痛くしてやるからな」 桃子「ちょ、ま、せんぱ」 ~少し前~ ――廊下―― ゆみ「やれやれ、さすがに疲れたな」コキコキ ゆみ(しかし……楽しかったな)フッ ゆみ「…………ん?」 ゆみ(これは、なんだ?) ゆみ(押し隠したような気配……モモに近いが、違う) ゆみ(それにこの感じ……久たちと打っている時にも一瞬感じた) ゆみ「そこかっ!」バッ 京太郎「流石ですね」スゥ ゆみ「! 君は……確か清澄の男子部員」 京太郎「! これは……覚えていただけているとは、意外でした」 ゆみ「なぜここにいるんだ? 久は君を置いてきたと言っていたはずだが」 京太郎「ええ、まあちょっとした理由がありましてね」 京太郎「加治木さんに接触したのも、その理由と関係していまして」 京太郎「少しお時間をいただけないでしょうか」ニコッ ゆみ(……どういうつもりだ?) ゆみ(この男、確かに気配を感じることはできたが、まるであえて私に察知させたような、そんな不自然さがあった) ゆみ(つまり、今の今まで私にも気づかれないような状態で”何か”をしていた可能性が高い) ゆみ(それでも、犯罪行為をしようとしていたなら、気配を消した状態でいくらでも出来たはず) ゆみ(私に直接危害を加えるようなことは、今の時点でするつもりはないということか) ゆみ(……ここで誘いに乗らなかった場合、この男は再び姿を消すだろう) ゆみ(目的が全くわからないままロストするのは避けたい……) ゆみ「わかった、話だけなら聞こう」 京太郎「そうおっしゃっていただけると思っていました」 京太郎「ここでは人目につきます。場所を移しましょう」 ――外―― ゆみ「で、こんな所でしか話せないということは、なかなかに後暗い話題をしたいと見えるが」 京太郎「後暗い、というほどではありませんが……」 京太郎「大手を振って話せるものでもありませんね」 京太郎「……同じ無名校として、決勝での鶴賀の活躍には驚きましたし、素直に敬意を覚えました」 ゆみ(……? なんだ、わざわざ胡麻をすりに来たわけでもないだろうに) 京太郎「とくに、うちの原村を抑えて、副将戦で収支1位を飾った東横桃子さん」 ゆみ「……」ピクッ 京太郎「加治木さんも素晴らしい立ち回りをされましたが、やはり彼女の働きには非常に強い印象を覚えました」 ゆみ「……何が言いたい」 京太郎「そのままです。東横さんが優秀だというお話ですよ」 京太郎「原村和は去年の全中チャンピオン」 京太郎「そして龍門渕透華さんも、去年のインハイでは大いに活躍したそうじゃないですか」 京太郎「そんな二人を押しのけて、鶴賀を優勝まで後一歩のところまで押上げた彼女のような才能が」 京太郎「これを最後に終わってしまうのかと思うと、あまりにももったいなくて」 ゆみ「!?」 ゆみ「それは、どういうことだ?」 ゆみ「モモはまだ1年だ。来年も再来年も、鶴賀のエースとして活躍する」 ゆみ「ここで終わるわけがないだろう!」 京太郎「冷静に考えてみてください」 京太郎「確かに鶴賀は県予選で決勝まで上り詰め、大いに活躍しました」 京太郎「しかし、それだけで来年からも部員が入ってくれるでしょうか?」 京太郎「本当に麻雀がやりたい人なら、長野だと普通は風越に入ります」 京太郎「それに、風越は確かに名門ですが、ここ最近の2連敗は間違いなく看板の価値を落としているでしょう」 京太郎「ではほかの学校はどうか?」 京太郎「今回の決勝の4校で考えてみましょうか」 京太郎「龍門渕のメンバーは全員が2年生で、来年もレギュラーメンバーは変わらないでしょう」 京太郎「メンバーに空き枠がなく、横のつながりだけで強さを保っているところに、新入生が入るとは考えにくい」 京太郎「そもそもあのチームは学校の麻雀部というより、龍門渕さんの私設クラブとしての色合いが強いですから」 京太郎「そうなると鶴賀と清澄はですが、ここは両方共ほぼ無名です」 京太郎「目立った戦果は、今年の物のみ」 京太郎「そして、両方が無名ならば」 京太郎「『全国優勝校』という泊のついた清澄の方を、普通ならば選ぶでしょうね」 ゆみ「!!??」 ゆみ「ちょっと待て!」 ゆみ「自分の仲間に対して自信があるのは結構だが、随分と大きな風呂敷を広げるじゃないか」 ゆみ「そんな根拠の乏しい推測をもとに、うちの麻雀部を不当に低く評価するとは、君は随分恥知らずな人間のようだな」 京太郎「本当に根拠に乏しいと言えますか?」 京太郎「先鋒の片岡は、個人戦で歴代ハイスコアを出すほどの腕前」 京太郎「副将の原村は言わずもがな」 京太郎「大将の宮永は、去年のMVPである天江衣を制し、個人戦でも全国出場が決定しています」 京太郎「そして、常に収支を±0にするという驚異的な実力」 京太郎「これは個人戦でも本人の気が変わるまでやってのけていましたから、全国でも通用すると思われます」 京太郎「どんなに異常なことか、加治木さんならよくお分かりでしょう?」 京太郎「残りの二人も、ほかの3人ほどの派手なモノはありませんが」 京太郎「どちらも安定してハイレベルな試合ができるというのは、加治木さんも骨身にしみて理解しているはずです」 京太郎「ここまでの実力者が揃いながら、清澄が優勝を狙うには力不足だと思えるのなら」 京太郎「それは少しばかり観察眼というか、まあ“何か”が足りないんじゃないでしょうか」ニコッ ゆみ「君は……随分と人をからかうのが好きなようだなっ……」ギリリッ ゆみ「仮に、だ」 ゆみ「仮に来年鶴賀の麻雀部が団体戦に出られないとしても」 ゆみ「モモには個人戦があるだろう」 ゆみ「そうなれば、少なくとも彼女の才能が埋もれるということはない!」 ゆみ「彼女は、あの特殊な能力が先行してはいるが、麻雀の実力も文句のないレベルだと思っている」 ゆみ「問題は全くない」 京太郎「……東横さんは、どうして麻雀部に入ったんでしょうか?」 ゆみ「!」 京太郎「どうやら彼女は初めから麻雀部に入ろうとは思っていなかったようですよね?」 京太郎「誰かが強引に麻雀部に連れ込んだと聞いていますが」 ゆみ(この男……いったい…) 京太郎「もしもですよ」 京太郎「もしもその人がいなくなってしまったら」 京太郎「東横さんが麻雀部にいる理由、その物自体が消えてしまうということになるのではないでしょうか?」 ゆみ「!?」 ゆみ(そんな……モモが……) ゆみ(いや、そ、そんなことはないはずだ) ゆみ(…………ホントにそう言えるのか……?) ゆみ(いや、まて、相手のペースに飲まれるな!) ゆみ「どうも人の周りを嗅ぎ回るのが好きな、趣味の悪い人間がいるようだが」 ゆみ「いったい、どこからそんな噂話を仕入れてきたのかな」 京太郎「加治木さん、あなたほど聡明な方だ」 ゆみ(無視、か) 京太郎「人の気持ちに鈍いというわけでもない」 京太郎「なら、もう気づいているんでしょう?」 京太郎「東横さんがあなたに向けている感情に、ね」 ゆみ(…………っく!?) 京太郎「自らの存在を非常に認識されにくいという、あまりにも特異な体質を持って生まれてしまった、一人の女の子」 京太郎「存在を気づいてもらえないがために、誰からも必要とされることなく生きてきた」 京太郎「だがある日、そんなつまらない日常から自分のことを引き上げてくれる人が現れた」 京太郎「彼女がどれほどの喜びを感じたかは、想像に難くありません」 京太郎「そして、求められるということに喜びを感じた彼女は、恩人とも呼べるその人に着いていくことを決める」 京太郎「ですが……」 京太郎「自分を見つけてくれたその人は、自分自身が麻雀の大会に出るための頭数が欲しかっただけで」 京太郎「高校生活最後の試合が終わると、目の前から姿を消してしまう」 ゆみ「!!……ち、違う!!」 ゆみ「私はそんな……そんな道具のような扱い方をモモにしてきたことは断じてない!!」 ゆみ「モモは私の大事な……大事な仲間だ!」 京太郎「仲間……そうですよね」 京太郎「あなたから見れば、彼女は確かに大切な仲間です」 京太郎「ですが、お分かりのはずです」 京太郎「彼女が貴女との間に求めている関係は、もっと特別なものだと」 ゆみ「そ……れは」ビクッ ゆみ(たしかに、モモが求めているものはわかっている、が……) 京太郎「そして、貴女がどんなに彼女のことを大切に思っていたとしても、鶴賀を去ってしまうのは、曲げることのできない事実」 京太郎「彼女が麻雀部にいる理由を失ってしまうのも、従って事実です」 京太郎「ですから“このままでは”彼女の才能は埋もれてしまうんですよ」 ゆみ(…!) ゆみ(まさか、コイツの狙いは) 京太郎「本題に入りましょうか」 京太郎「東横桃子さんが後腐れなく清澄の麻雀部に入れるように、彼女との縁を完全に断って頂きたい」 ゆみ「ば……馬鹿かお前は!」 ゆみ「私がそんなことをすると思っているのか!」 京太郎「他のメンバーの方のことでしたら、どうぞご心配なく」 京太郎「彼女たちも、まとめて受け入れる準備は出来ていますから」 ゆみ「準備が出来ている……だと?」 ゆみ「まさかこの話、久も噛んでいるのか……?」 京太郎「おっと、この話は完全に俺のワンマン企画ですよ」 京太郎「うちの部長はああ見えて、曲がったことが大嫌いでしてね」 京太郎「おまけに頭がキレて、感も鋭い」 京太郎「部長にばれずに準備をするのは大変でしたよ」 京太郎「本当はもっと面倒な手順を踏んで東横さんに接近するつもりだったのですが」 京太郎「今回の合宿企画が持ち上がったのは本当に幸運だったというより他ありません」 京太郎「この機会を逃すと面倒なので、加治木さんには早くご決断をして頂きたいのですが……」 ゆみ「……君が清澄の戦力の増加のために、モモをうちから盗ろうとしているのは分かった」 ゆみ「しかし、君は男子部員で、女子部員の成果は直接利益になるとは思えない」 ゆみ「なのにどうしてそこまでモモに固執するんだ?」 京太郎「……正直言って、今の清澄は部長の強力なリーダーシップによってまとめられている状態です」 京太郎「飄々としていながら、彼女ほど抜け目のない人間もなかなかいない」 京太郎「うちのメンバーは、一人ひとりが優れた雀士ではありますが、部長の跡を継いで組織を引っ張っていける人間がいない」 京太郎「宮永はそもそも内向的な性格ですし、片岡は自分勝手すぎる」 京太郎「原村は信念が強すぎるあまり、狭窄な考えに陥りがち」 京太郎「染谷先輩は一番まともではありますが、いい人どまりでリーダーとしては力不足な感が否めません」 京太郎「そうなったとき、いったい誰が部の舵取りをしていくのか」 京太郎「そうなった時に、俺がその責務を引き受けようと思っているわけです」 ゆみ「随分自己評価が高いと見えるな」 ゆみ「私にはただの自惚れにしか感じられないが」 京太郎「消去法ですよ、手配の中に安牌がこれしかなかったんです」 京太郎「ともかく、俺がそうやって部をチームとしてまとめ上げていくとなれば、当然勝ち進むために何ができるのか、と考えるわけです」 京太郎「そして、まずは強力な人間の頭数を増やそうと思ったわけです」 京太郎「部内に強者が大勢いれば、内輪の練習だけでも十分技量の進歩は望めますから」 ゆみ「この陰険な謀は、全て部のためにやっていることだと言いたいのか」 京太郎「もちろん、それだけではありません」 京太郎「先程も申しましたように、清澄麻雀部は高い確率で優勝杯を持って帰るでしょう」 京太郎「そして、来年、再来年とそれを続ければ」 京太郎「史上初の3連覇を成し遂げる、ということになります」 京太郎「……今や、麻雀はこの世界で最大のゲームとなっています」 京太郎「そして麻雀強豪国である日本のインターハイで殿堂入りになるということは」 京太郎「世界レベルで実力が認められることになるでしょう」 京太郎「そうなったとき、そのチームを間接的に勝利に導いた人間も、十分すぎるおこぼれを貰えるのでは」 京太郎「そう考えたんですよ」ニコッ ゆみ(やはり私腹を肥やすことを考えていたようだな) ゆみ(しかも仲間を利用して……どこまでも下衆な男だ) ゆみ「久に……この話が知れたらどうするつもりだ?」 ゆみ「たったさっき自分で言ったばかりじゃないか」 ゆみ「久は曲がったことが嫌い、そう自分で言っただろう。短い付き合いだが、それは私もよく知っている」 京太郎「確かに多少面倒なことになりますが、問題ありませんよ」 京太郎「そもそも、この話は加治木さんに伏せたまま進めても、何の問題も無かったんですよ?」 京太郎「大切なのは“桃子”さんの意思ですから」 ゆみ(桃子……だと!?) ゆみ「キサマが彼女をその名で呼ぶな!!」 京太郎「落ち着いてくださいよ、加治木さん」 京太郎「俺があなたにこの話をしたのは、桃子さんができるだけ憂いを残さずに清澄に来れるようにしたかったから」 京太郎「俺は心の底から彼女のことを案じているんですよ?」 ゆみ「減らず口をっ……!」 京太郎「よく考えてみてください」 京太郎「一度求められることを、暖かさを知ってしまった彼女は、もはや以前のような孤独には耐えられなくなっているでしょう」 京太郎「いつ瓦解するかもわからない、風前の灯のような部活で、孤独に耐えながら暮らすのと」 京太郎「全国制覇の錦を飾る場所で、みんなから必要とされながら送る高校生活」 京太郎「どちらが桃子さんにとって幸せだと思いますか?」 ゆみ(…………) 京太郎「ねぇ、加治木さん」 京太郎「いい夢、見れたでしょう?」 ゆみ「な……っ!?」 京太郎「皆で全国を目指して走り続け」 京太郎「途中で敗退はしたけれど」 京太郎「それでも夢のように楽しかったんじゃないですか?」 京太郎「高校生活最後の、素敵な思い出は“もう出来ている”んですよ」 京太郎「ですが、桃子さんにはまだまだ未来があります」 京太郎「あなたが自分の思い出のため“だけ”に作った部活に、無理に残す必要はないでしょう?」 京太郎「彼女を夢の抜け殻に縛り付けておくなんて残酷な真似が」 京太郎「あなたにできるんですか?」 ゆみ「そ、んな……しばる、なんて……そんな…つもりは」 京太郎「加治木さん、あなたと桃子さんの関係、どうして俺が知っていたと思います?」 ゆみ「…………あ、え……?」 京太郎「直接聞いたんですよ。“モモ”から」 ゆみ「何を……」 ゆみ(何を……言っているんだ……この男は) 京太郎「話の流れで気づきませんでしたか」 京太郎「モモは、もうこの話を了解済みなんですよ」 京太郎「だから、あなたとのことも全て知っているんです」 京太郎「“モモから皆聞かせてもらいましたから”」 ゆみ(…………なんだ、なんなんだこれは) ゆみ(このおとこはいったいなにをしゃべっているんだ) 京太郎「ですから…………ぁ……」ボソッ ゆみ(え?) 京太郎「いいえ、なんでもありません。話を続けましょう」 ゆみ(なんだ、この男、一瞬むこうを見) ゆみ(!) ゆみ(モモ、と、清澄の……原村と、宮永……?) 京太郎「……こでは……ろと……あれだけ……」ブツブツ ゆみ「な、んの、ことだ」 京太郎「…………いえ、モモにはその、清澄に入ってからもスムーズに行くように」 京太郎「人間関係もある程度構築しておくように言っていたんですが……」 京太郎「できるだけ内密にしろと言ったはずなんですが……」ハァ ゆみ( ) ゆみ( ) ゆみ( ) 京太郎「ああ…………加治木さん」 京太郎「彼女はこっちに来ることを決めてからも、あなたのことでずいぶん悩んでいました」 京太郎「最後までモモの心を縛っていたのは、部活でも麻雀でもなく」 京太郎「貴女だったんですよ、加治木ゆみさん」 京太郎「だから、俺は最後の憂いを立つために、あなたにこのお話をしたんです」 京太郎「分かって頂けますよね」 ゆみ「」ガクッ ゆみ「」ドサッ ゆみ「モモ……私は…………お前……モモ」 京太郎「色よい返事を……いえ、返事は結構ですので、行動で示してください」 京太郎「失礼します」スゥ… ~翌朝~ ――車の前―― 久「それにしても、なんだかつやつやしてない?」 ゆみ「まさか、今にも倒れて眠りたい気分だよ」 久「確かに、あなたの後輩の……東横さんはそんな感じだけど……」 ゆみ「ああ、二人でちょっと遅くまで話をしていてな」 ゆみ「うちの麻雀部は来年も人集めが大変だし、そのことについて、な」 久「ふぅん……」 ワハハ「おーい、そろそろ出発するぞ。名残惜しいのはわかるけど、早く車に乗ってくれ!」ワハハ ゆみ「だそうだ。悪いがもう行かせてもらうよ」 久「ええ…………ねぇ、ゆみ」 ゆみ「ん?」 久「あんまり無理させちゃダメよ?」 ゆみ「………………善処しよう」 久(微塵も反省してないみたいね) 久(東横さんも大変ねぇ……) 桃子(痛いっす……あらゆる箇所が痛いっす……) 桃子(須賀京太郎……まさかこんな搦手を使ってくるとは……) 桃子(でも) 桃子(やっぱり、誰かに求められるっていうのは、あったかいっすね)フフ 佳織「桃子さん……? どうかしました?」 桃子「いや、楽しかったなぁって」 桃子「新しい知り合いも出来たし」 桃子「今までの私の人生じゃ、考えられないくらい楽しかったっす」 佳織「人生って……」 桃子(ん? あれは) 京太郎「」サムズアップ 桃子(……今回は感謝してやるっす) 桃子「須賀京太郎」ボソッ ゆみ「」ピクッ 桃子(あ、やば) ゆみ「モモ」 桃子「は、はいっす……」 ゆみ「今日はそういえば、午後から私の家で勉強を見てやる予定だったよな」ニコニコ 桃子「いやぁ、その、今日は疲れたから家でゆっくり休みたいかなぁって……」 ゆみ「なら、私の家に来て、我慢できなくなったらそのまま寝ればいい」 ゆみ「泊まっていってもいいしな」 桃子「き、今日は帰って撮っておいたドラマを」 ゆみ「 モ モ 」ニ゙ゴッ ワハハ「……!?」ゾク 睦月(なに!?)ゾクゥ 佳織(ひぃ)ゾクゾク 桃子「……はいっす」 桃子(前言撤回) 桃子(ちょっと……いや、かなりやりすぎっすよ…) ――清澄部屋―― ブオォォォン ブロロロロロロ 和「んんぅ……」 和(車……そうか、もう朝なんですね) 和(鶴賀の人たちが帰るんでしょうか) 和「ふあぁ」ムクリ 和(それにしても……) 和(結局昨日の須賀くんのメールはなんだったんでしょう) 和(指定した時間に指定した場所で、東横さんと親しげに話して欲しいって……) 和(何を考えていたんでしょうか) 和「?」 和(この香りは……)スンスン 和(同類――百合の香り!?)バッ 和(あっち……鶴賀の車の方から……) 和(これは……)スンスン 和(加治木さんと、東横さん……でしょうか…) 和(おかしいですね……) 和(昨日の時点では何も……) 和(あのあと、何かあったということでしょうか?) 和「…………」 ――何処かの木の上―― ハギヨシ「京太郎君……」 ハギヨシ(まさか、あそこまでのことをやってのけるとは) ハギヨシ(彼のやったことは、話術で相手を乱すだけではない) ハギヨシ(衣様が月の力を得て、卓上を支配するように) ハギヨシ(彼はこの周囲一帯の空間を、自らの気……いや、自らそのもので染め上げた……) ハギヨシ(まさか、使えるものが今の世に生まれようとは……) ハギヨシ(一体貴方はどこへ行こうというのです……) ハギヨシ(もしかしたら私は、とんでもない怪物を目覚めさせてしまったのでは……) ハギヨシ(………………) ハギヨシ(師としては失格かもしれません) ハギヨシ(しかし、私は……) ハギヨシ「見たい」 ハギヨシ「京太郎君、あなたがどんな覇道を征くのか」 ハギヨシ(あんなものを再び“魅せ”られては、どうしようもないですね) ハギヨシ(そういえば、あの方は今一体何をしているのでしょうか……) ~帰宅後~ ――木間書店―― 京太郎(今回はさすがに疲れた……) 京太郎(まさにカミソリの上を滑るような、危険な賭けだった) 京太郎(アトモスフィアでの情報収集の成果がなければ、あそこまでうまくいかなかっただろう) 京太郎(まさに日頃からの地道な作業が実を結んだと言える) 京太郎(なぜか失敗のビジョンは少しも浮かばなかったが) 京太郎(もしかしたら、咲とか衣ちゃんの感覚って、あんな感じなのかもなー) 京太郎(しかし、丸く収めるためとは言え加治木さんには随分ひどいこと言っちまったな……) 京太郎(今度会うことがあったら、ジャンピング土下座で謝る必要があるか) 京太郎(得られるものも多かったけど、やっぱりこんなことは二度とやりたくないな……) 京太郎(まぁ二人の様子はしっかりと記録させてもらいましたがね!) 京太郎(それにしても、ボロボロになったことに変わりはないか……) 京太郎「さっさと帰って」 『ひらり』 京太郎「これを読んで、癒されたい……」 京太郎(昨今、百合雑誌が増えてきている) 京太郎(まだまだマイナーなジャンルであることは否めないが、それでもこの流れは喜ばしい限り) 京太郎(中でも百合姫の他に出版されている百合雑誌『つぼみ』と『ひらり』の存在は大きい!) 京太郎(今回買う『ひらり』は、平尾先生の短編や、最近画力が向上してきた袴田先生の作品など目を離せない要素がたくさんあるが) 京太郎(なかでも俺が注目しているのはTONO先生の「ピンクラッシュ」!) 京太郎(ガチ百合娘のアタックを受けているうち、徐々に彼女のことを受け入れていくマールの姿が堪らない!) 京太郎(ただ、初期に掲載されていた小説がなくなってしまったのは残念ではあるが……) 京太郎(まぁそれより今は、さっさと家に帰ってこいつを堪能する方が重要だ!) ?「あれは……」ジー カン!
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京太郎「まさか車に轢かれて足骨折とは…」 京太郎「まぁ命が助かっただけ運がいいと思おう!」 京太郎「…それにしても暇だ。テレビはつまんないし」 京太郎「皆今ごろ学校かぁ…」 京太郎「暇だし携帯で麻雀でもやるか」 麻雀部部室 優希「朝からどうしたんだじぇ染谷先輩」 まこ「こんな早くに呼び出してすまんかったのお、全員揃ったしちょっと報告があるんじゃ」 和「なにかあったんですか?」 咲「まだ部長と京ちゃんが来てないんですけど…」 まこ「あーそのことなんじゃが、京太郎のやつが車に轢かれてなぁ」 咲「えっ!?」 優希「まじか!?」 和「大変じゃないですか!須賀君は大丈夫なんですか?」 まこ「命に別状はないそうじゃ。ただ足を骨折してしばらく入院するそうじゃがな」 和「そうですか…取り敢えず命に別状がなくて安心しました」 咲「びょ、病院!病院行かないと!」 優希「そうだじぇ!急ぐじぇ!病院はどこだじょ!」 まこ「落ち着きんさい!これから授業じゃろーが!」 咲「そ、そうでした…」 優希「しかも今日は結構重要なテストがあったんだじぇ…」 和「お見舞いは放課後に行きましょう。所で部長はどこに?」 まこ「授業サボって見舞いに行ったわ」 咲「部長ずるい!」 病院 久「須賀君ー具合どうー?」 京太郎「部長!?なんでここにいるんですか!?」 久「そりゃーお見舞いに来たに決まってるじゃない」 京太郎「いや…今から授業なんじゃ…?」 久「サボったわ」 京太郎「いいんですかそれ」 久「私は部長よ?部員の危機に授業なんてどうでもいいわ」 京太郎「部長…」 久「それに…今日の最初の授業つまんないのよ」 京太郎「それが本音ですか」 久「と言うわけで一時間目が終わるまでここにいるわ。ジュース買ってきたわよ、飲む?」 京太郎「あ、飲みます。すいません」 久「携帯で麻雀やってたの?見せてみなさい…って」 京太郎「ん?」 久「相変わらずよく分からない打ち方してるわねぇ…」 京太郎「俺は普通に打ってたつもりなんですけど…」 久「いい機会だから個人指導してあげるわ。それポンして!」 京太郎「は、はいっ!」 京太郎(部長近い!すげえいい匂い!) 久「ふぅ…須賀君の指導は骨が折れるわねー骨折だけに」 京太郎(危なかった…いい匂いすぎてロッカーに押し込む所だった…) 久「あら、もう大分時間経ってるわね。そろそろ学校に戻るわ」 久「その前に」 京太郎「部長…その手にあるマジックは何に使うんですかね…」 久「決まってるじゃない!入院といったら落書きでしょ!」 京太郎「やっぱりですか!」 久「よし完成!」 京太郎「なんて書いたんですか…」 久「我はスケベ長野代表京太郎。我に近づくおなごは全員スケベな目で見るぞ」 京太郎「ひでぇ!絶対見た人に誤解される!」 久「大丈夫よ。皆イタズラだって思ってくれるわ」 京太郎「イタズラでも恥ずかしいんですけど…」 久「じゃ私帰るわー養生してなさい」 京太郎「あ、お見舞いありがとうございました」 久「治ったらまた個人指導してあげるから、がんばりなさい。じゃあね!」 バタン 京太郎「嵐のように去っていったな…でも個人指導は楽しみだぜ!」 病院 昼過ぎ 京太郎「病院食少ない。味薄い」 京太郎「男子高校生の腹はこんなもんじゃ満足しねぇ…」 京太郎「あーもうちょいなんか食いたい…」 まこ「思った通りじゃのう、落書きも予想通りやられとるし」 京太郎「染谷先輩!?」 京太郎「学校は…って今は昼休みか」 まこ「おまえさんが腹すかしてると思ってな、軽い物買ってきたんじゃ」 京太郎「ほんとですか!ありがとうございます!」 まこ「何、見舞いのついでじゃ、ここ学校から近いしのう。わしは放課後仕事入ってるし」 京太郎「仕事って言うと…雀荘ですか?」 まこ「それ以外何があるんじゃ、客はそこそこ入るんじゃが従業員が足りなくての、休むわけにはいかん」 まこ「そうじゃ京太郎、うちでバイトせんか?」 京太郎「バイトですか?でも俺麻雀弱いですよ」 まこ「最低限出来ればいいんじゃ。他にも料理運んだり掃除だったりする事は山ほどある」 まこ「他人の打ち方を見て自分も麻雀が打て、給料までもらえる。これほど得な事はないぞ。どうじゃ?」 京太郎「確かにすごくいい環境ですよね…やってみようかな」 まこ「それに…和もたまにうちでバイトするんじゃが…うちの店の制服はメイド服じゃ」 京太郎「それは…」 まこ「必然的にメイド服を着ることになる…どうじゃ?見たくないか?」 京太郎「先輩!俺バイトやりたいです!」 まこ「よし。まあそれは治ってから詳しい話をするとしてわしはもう帰るわ」 京太郎「そういえば昼休みもう終わりますね」 まこ「それじゃとっとと治すんじゃぞ」 京太郎「はい、お見舞いありがとうございました」 バタン まこ「バイトか…勢いで決めちゃったけど頑張るか!」 病院 夕方 京太郎「もう放課後か」 ガチャ 優希「おっ!ここにいたか」 京太郎「優希も来てくれたのか」 優希「ふふん。犬の面倒を見るのは飼い主の役目だからなっ!」 京太郎「言ってろ」 優希「タコス食うか?」 京太郎「食う」 優希「落書きには突っ込まないじぇ。どうせ部長だし」 京太郎「あーやっぱ分かる?」 優希「内容も本当のことだしな」 京太郎「そこは違うって言えよ!というか咲と和は?」 優希「咲ちゃんとのどちゃんは先生に呼び出されてたじぇ。終わったら来るじょ」 京太郎「おおっ!和も来てくれるのか!」 優希「私がいるのに他の女の話とはいい度胸だな犬。くらえっ!」 京太郎「おい、ほっへはひっはるはよ」(ほっぺたひっぱるなよ) 優希「おー思ったより伸びるじょ」 京太郎「やめんか」 優希「じゃ、私はそろそろ帰るじぇ」 京太郎「もう帰るのか?もう少しいればいいのに」 優希「タコスの安売りがあってなー買い占めに行くじょ!」 京太郎(買う人こいつの他にいるのか?) 優希「それに…そろそろ人の形が保てなくなるのだ」 京太郎「タコスにはならないからな」 優希「じゃあな!」 京太郎「おう」 優希「早く帰ってくるんだじょ!私はダーリンの帰りを待ってるからな!」 バタン 京太郎「誰がダーリンだ誰が」 京太郎「でもあいつといると気が楽だよなほんと」 京太郎「暗くなってきたな」 コンコン 京太郎「どうぞー」 ガチャ 和「須賀君、具合どうですか?」 京太郎「お、和か」 和「お見舞いに来たんですが…咲さんは来てますか?」 京太郎「いや、来てないけど」 和「えっ…」 京太郎「ん?」 和「咲さん…私より早く病院に向かったはずなんですけど…」 京太郎「…携帯は?」 和「忘れていったので私が持ってます」 京太郎「また迷子か…」 京太郎「まあ多分大丈夫だろ。よくあることだ」 和「大丈夫でしょうか…」 京太郎「長野だし多分道間違えたとかだろう。よくあることだ」 和「そうですね、待つことにしましょう」 京太郎「それにしてもあいつはこんな近い病院に来るのにどうやったら迷えるんだ…」 和「昔からああだったんですか?」 京太郎「修学旅行は警察ざたになったな…スキー旅行も捜索隊が出て大変なことになった…」 和「そんなに酷かったんですか…あ、リンゴ剥きますね」 京太郎「悪いな」 京太郎(しかし…下から見上げるおもちは素晴らしいな…動くと揺れるし) 京太郎(一回でいいから触ってみたいなぁ…) 和(…) 和「須賀君」 京太郎「ん」 和「視線、気付いてますからね」 京太郎「」 和「女の子は皆気付いてるんですよ、そういう視線。須賀君は表情にも出てますし、足に書いてある通りですね」 京太郎「すいませんでした!」 和「まあ男性ですし…仕方ないとは思いますけど」 和「須賀君は分かりやすすぎです。もう少し分かりにくくお願いします」 和「他校の人とか見てるときも…部長や染谷先輩は気付いてるんですよ」 京太郎「直すよう善処します…」 和「リンゴ、置いときますね。あとこれをどうぞ」 京太郎「ノート?」 和「今日の授業の内容が書いてます」 京太郎「おおっ!助かるよ!ありがとう和」 和「いえ、須賀君が赤点とられても困るので」 京太郎「俺は優希ほど勉強苦手じゃないって」 和「ふふっ、では私はもう帰りますね。遅くなると両親が心配しますので」 京太郎「ああ、悪かったなわざわざ来てもらって」 和「いえ、いつも雑用してもらっていますしこれぐらい当然です」 和「では、また来ますね。さようなら」 バタン 京太郎「…視線は直さねば」 京太郎「…もうそろそろ面会時間終了なのに咲が来ない」 京太郎「まあ大丈夫か、子供じゃないんだし」 京太郎「眠くなったな。ちょっと寝よう…」 京太郎「しかしこの尿瓶は慣れないな…あんまり出ないが寝る前にはしないと不安になるしな」 京太郎「さて…寝るか…」 京太郎「zzz」 病院 通路 咲「うう…道に迷って遅くなっちゃった…もう時間あんまりない…」 咲「京ちゃんの病室どこだろ…」 咲「あ…ここだ…須賀京太郎って書いてる」 ガチャ 咲「ごめんね京ちゃん遅くなっちゃって…あれ?」 京太郎「zzz」 咲「寝てるし…」 咲(起こすのも悪いし、寝かしといてあげよっと) 咲「ん?」 咲の視線→京太郎の足の落書き 咲(これやったのは…部長だね絶対…) 咲(何か他にもイタズラされてそうだなー)キョロキョロ 咲「あ」 咲が見つけたもの→尿瓶(京太郎使用済み) 咲(こ、これって…) 咲(し、尿瓶だよね?おしっこするときに使う…) 咲(そ、それがここにあるってことは京ちゃんが使ったってこと…?) 咲(そ、そうだよね!動けないなら使うしかないよね!) 咲「…」 咲「あ、あー…なんかトイレ行きたくなって来たなー」(棒) 咲「で、でも私、トイレの場所知らないし…」 咲「我慢したら間に合わずに漏らしちゃうかもしれないし…」 咲「かといって動き回ったらまた迷子になるかもしれないし…」 咲「し、仕方ないよね…うん」 咲「京ちゃんは…寝てるよね…?」 京太郎「zzz」 咲「じゃ、じゃあちょっとこれ借ります…」 咲「…」 咲(スカートは…脱がない下着だけ下ろそう…) 咲(スカート片手で押さえて…尿瓶はもう片方で…) 咲(ちょ、ちょっとがに股になったほうがいいかな…) 咲(これでいいかな…うん…) 咲(出る…) チョ チョロロロロ チョロ チョ チョ 咲(…) 咲(な、何やってるの私!?) 咲(これじゃ変態みたいじゃない!) 咲(と、取り敢えず後始末!あと証拠隠滅!) 咲(なんとか終わった…) 咲(もう…京ちゃんがあんな所に置いとくから…) 咲「そうだよ!京ちゃんが全部悪いんだよ!」 咲「京ちゃんまだ寝てる?」 京太郎「zzz」 咲「よし!仕返しに落書きしよ!」 咲「でも足はもう書けないから…顔に書いちゃえ」 咲「ふんふーん」カキカキ 咲「もっと書いちゃえ」カキカキ 咲「部長よりも恥ずかしいこと書いてやる」カキカキ 咲「いっぱい恥かけばいいんだよ。ふーんだ」カキカキ 咲「完成!」 咲「たくさんの人に見られて恥かくといいよ。ふふん」 ガチャ ナース「失礼しますぅー面会時間終わりですよぅー」 咲「わっ!すいません!」 ナース「あ、お邪魔やった?」 咲「い、いえっ!」 ナース「ラブラブやね~めっちゃ羨ましいわ~でももう時間やし、続きはまた今度にしてな~」 咲「い、いやラブラブなんて!じゃあ京ちゃんまたね!」 京太郎「んー…今何時だ…」 京太郎「あー結構寝たな…咲は来なかったのか…」 京太郎「あれ…?俺こんなに尿瓶使ったっけ…」 ガチャ ナース「すいませんー夕食ですぅー」 京太郎「はーい」 ナース「あ、起きてたんやねー」 京太郎「ついさっき起きたんですよ」 ナース「なるほどーはーい、ご飯やでー」 京太郎「あ、どうも」 ナース「そういえばさっきお客さん来てたでー」 京太郎「お客さん?」 ナース「うん、短い髪の女の子」 京太郎(咲か) ナース「それでなー…ふふっ」 京太郎「どうしたんですか?」 ナース「いやー須賀君の顔見てたらちょっとなー」 京太郎「?」 ナース「あ、うちそろそろ戻らんと。ばいばいスケベ代表須賀君」 バタン 京太郎「スケベ代表って…」 京太郎「それより顔って…どっかおかしいか?」 京太郎「もしかして咲のやつがなんかしたのか…?」 京太郎「鏡見てみるか」 鏡に映ったのは俺の顔と顔に書かれた『京ちゃんは私の将来の旦那様、ずっとずっと大好きです』という落書きだった。 焦って取り敢えず写メとってから落書きは消してしまったが。 看護師さん以外に誰にも見られてないことを話した時の咲の反応が面白かったな。 咲「結局恥かいたの私だけじゃない!」 カン! おまけ 憧「ねえ京太郎…これなにか分かる?」 京太郎「俺が使った尿瓶じゃねーか!汚いから触るなって!」 憧「嫌よ」 京太郎「嫌ってお前…」 憧「動かないで」 京太郎「はぁ?」 憧「…」スルスル 京太郎「な、何でお前パンツ脱いで」 憧「喋らないで、あんたはただ見てればいいの」 憧「この中にはあんたのおしっこが入ってる…声出さないでね」 京太郎(な、なんでこいつ俺が使った尿瓶にまたがってんだ!?) 憧「んっ…」 チョロ シャアアアア 憧「どう…?あたしのおしっことあんたのおしっこ…こんなに混ざってる…」 京太郎「」 もういっこカン 正直これ蛇足だわ
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京太郎「花火大会だからウチに来い、って言われた時は何かと思いましたけど」 咏「うん」 京太郎「まさか咏さんのマンションから花火大会の会場がここまで綺麗に見えるとは」 咏「ふははー。こっからの景色が気に入って決めたんだぜぃ」 咏「毎年この時期は知り合いのプロとか呼んで見てたねー」 京太郎「へぇ……じゃあ今年も誰かくるんですか?」 咏「いんや、京太郎だけだよ?2人っきりで見たいしね」 京太郎「咏さん……」 咏「お、始まる始まる」 京太郎「おー……すげー……」 咏「うーん、今年も綺麗だねぃ。お、キャラものとかすげーな!」 京太郎「あー、アレってすげー難しいらしいですね」 咏「うわ、でけー!!去年とか比べ物になんねー!!」 京太郎「ほんと……綺麗ですね」 咏「こういう時って、『綺麗だね?』『君の方が綺麗だよ?』みたいに言う流れじゃね?」 京太郎「うーん……それもちょっと考えたんですけど、無いですね」 京太郎「だって咏さん、綺麗っていうより可愛い方ですから」 咏「か、可愛いって……おいおい、仮にも年上に可愛いはないんじゃねーの?」 京太郎「さっき花火で俺よりはしゃいでたのすごい可愛かったですよ?」 咏「……分っかんねー。そんなことやったっけー?」 京太郎「そうやって真っ赤になって誤魔化すのも可愛いですし……昨日の夜とか、あんなに可愛かったじゃないですか」 咏「!?」 京太郎「いやー、肌蹴た着物で隠そうとしながら…」 咏「ストップストップ!!それ以上は駄目だかんね!!」 京太郎「仕方ないですねー。じゃ、もう言いませんから…」 咏「……なんだい?」 京太郎「また可愛い咏さん、見せてもらえます?」 咏「……駄目だっつっても聞かないじゃん?」 咏「あ、こら!まだ返事してねって……ちょ、脱がすな……帯取ったら……ぁ」 カンッ!!
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342270571/ 久「みんな、団体戦お疲れ様」 咲「はい、何とか優勝できてよかったです」 和「全国に向けて、さらに頑張りましょう」 まこ「その前に個人戦もあるがの」 優希「おー! この勢いで個人戦も代表取るじぇ!」 京太郎「……おう、頑張れよ!」 優希「京太郎、お前も一回くらいは勝ってみせるじぇ!」 京太郎「…………」 京太郎(はぁ……みんなは県大会優勝か……) 京太郎(きっと個人戦も、誰かは代表を取るだろう……それにひきかえ俺は……) 京太郎(自分なりに勉強はしてるつもりだし、時々みんな相手でも2位くらいなら取れることもある) 京太郎(だが……やっぱり咲みたいな力はない) 京太郎(これが才能なのか……? 俺はどんなに頑張っても、凡人の雑用係で終わるのか……?) 京太郎(みんなはあれほど活躍しているのに、俺は……) 京太郎(このまま……) 京太郎(このまま、終わりたくねぇ!) 優希「……一発ツモだじぇ!」 まこ「ふぅ、やはり東場は優希には勝てんのう」 優希「京太郎、タコスを買ってくるじぇ!」 京太郎(俺にも……) 咲「ツモ、嶺上開花です」 和「うぅ、またですか……」 久「絶好調ね、個人戦も期待できるわ」 京太郎(俺にも、あんな力があれば……!) ……… …… … ハギヨシ「失礼します、衣様」 衣「ハギヨシか、何用だ」 ハギヨシ「それが、衣様にぜひとも面会したいという客人が……」 衣「む……こんな夜にか。一体何者だ?」 ハギヨシ「それが、どうやら清澄麻雀部の方のようです。須賀京太郎と名乗っていました」 衣「清澄の……?」 ハギヨシ「いかがいたしましょうか?」 衣「……面白い、通せ」 京太郎「……そういうわけで天江さん、お願いします。その力の秘訣を教えてください」 衣「話はわかったが……なぜ、そこまでして強さを求める」 衣「お前は決して、清澄の麻雀部を退屈に感じていたわけではなかったのだろう?」 京太郎「……確かに、以前はそうでした。雑用は大変だったけど、嫌ではありませんでした」 京太郎「でも、気付いてしまったんです。自分が、みんなから取り残されているって」 京太郎「俺も……みんなに認めてもらいたい。一緒に戦いたい。そのために、勝ちたいんです」 衣「……そんなことをしなくとも、他の部員はおそらく今でもお前を認めて……」 京太郎「でも、それは麻雀の強さで……ではない」 衣「……呆れたものだ。結局のところ妬みや嫉みではないか」 衣「そのような感情で強くなったとしても、お前の幸福に結びつくとは思えぬ」 京太郎「それでも……お願いします、天江さん」 衣「…………」 衣「……長々と話してから申し訳ないが、衣の力は気付いたら身についていたもの」 衣「決定的なアドバイスを送ることはできない……せいぜい、もしかしたら程度だ」 京太郎「かまいません」 衣「京太郎と言ったな。お前は、麻雀を打つ時に何か覚悟はあるのか?」 京太郎「覚悟……ですか?」 衣「今までずっと負け続きなのだろう。だから『今度もどうせ負ける』『負けて当たり前』と思ってないか?」 京太郎「…………」 衣「勝つ気のない者に道は開けぬ。まず、勝つ気を持つことだ」 衣「たとえば……勝つための制約、目標、条件……など、様々なことを考えてみよ」 衣「思えば衣も……不自由と引き換えに、雀力を得たのかもしれぬな」 京太郎「……勝つための……」 京太郎(…………!) 衣「む、何か考え付いたようだな」 京太郎「……はい」 衣「ならば、もう衣の助言は必要なかろう……せっかく来たのだ、一局ほど打っていくか?」 京太郎「いいんですか?」 衣「問題ない、ちょっとした戯れだ。ではハギヨシ、卓へ案内せよ」 ハギヨシ「かしこまりました。皆様もお揃いです」 純「……弱い……」 智紀「……弱い……」 一「……弱いね……」 透華「……弱いですわ……」 京太郎「……これが今の俺の、全身全霊の力です。皆さんの足元にも及ばない、これが」 京太郎「でも……やってみせますよ。すぐに、強く……そう、天江さんよりも……」 衣「……ほう、ずいぶん大きく出たな」 京太郎「天江さん、皆さん。ありがとうございました」 京太郎(天江さんと話して、収穫はあった) 京太郎(強くなるための、覚悟……勝つための制約、目標、条件……俺にはそれが欠けていた) 京太郎(優希はタコスを食べることで、東場に圧倒的な力を発揮する) 京太郎(あれはもしかして『タコスを食べなければ力が出せない』という制約を無意識に作ってたのでは?) 京太郎(咲は『勝つことも負けることも許されない』という条件に縛られることで、プラマイゼロや嶺上の力を得たのでは?) 京太郎(なら俺も、何かを食べなければ力が……いや、俺の雀力じゃそれでは生ぬるい!) 京太郎(もっと、強い覚悟が必要……そう……) 京太郎(何かを、犠牲にするような) 京太郎「おはよう、咲に優希」 咲「おはよう、京ちゃん」 優希「あ、のどちゃんもあそこにいるじぇ!」 咲「おはよう、原村さん」 和「おはようございます。優希、宮永さん……須賀君もご一緒ですか?」 京太郎「……ああ。じゃあ教室行くから」スタスタ 和「あ……須賀君?」 優希「京太郎の奴、ずいぶんそっけないじぇ。咲ちゃん、何かあったのか?」 咲「さ、さぁ……」 久「それじゃ、今日も打つとしますか」 優希「おー! タコスも水も準備かんりょ……あっ、手が滑ったじぇ!」バシャッ 和「きゃあっ!」 優希「うわっ、のどちゃんのおっぱいがスケスケだじぇ!」 咲「きょ、京ちゃん、見ちゃダメぇーっ!」 京太郎「……始めましょうか。和は着替えてきな」 久「……へ?」 優希「ど、どうしたんだじぇ京太郎!? のどちゃんのおっぱいだじょ!?」 京太郎「個人戦も近いんだ。時間は無駄にできない、それだけのことだろ」 和「す、須賀君……?」 まこ「……な、何があったんじゃ……」 久「須賀君が、和に興味を示さないなんて……雪でも降るのかしら……」 久「ふぅ、そろそろ終わりにしましょうか」 まこ「京太郎やるのぅ。今日はわしらといい勝負だったぞ」 京太郎「いい勝負……ですか?」 優希「京太郎もたまには勝つ時もあるのか、なかなかやるじぇ」 京太郎「……いい勝負じゃ、駄目なんだよ……」 咲「え? 何か言った?」 京太郎「……お先に失礼します。では」 京太郎(……和……) 京太郎(俺は、お前が好きだった。でも今は……それ以上に、麻雀が強くなりたい) 京太郎(麻雀と比べれば、恋心などチンケなもんだ。俺はもう、お前に一切興味を示さない) 京太郎(でも……まだまだ足りない。男子のレベルは高いんだ) 京太郎(みんなといい勝負程度じゃ駄目だ……和だけじゃ足りない。まだまだ、何かを捨てないといけない) 京太郎(最後に一体、俺に何が残るのか……いや、今は考えるのはよそう) 京太郎(……さよなら、和……) 咲「……ねぇ京ちゃん、最近やっぱりおかしいよ」 京太郎「……そうか?」 咲「そうだよ。クラスの友達とも全然遊んでないじゃん」 咲「原村さんとも……優希ちゃんとも、染谷先輩とも、部長ともあまりお喋りしなくなったよね」 京太郎「気のせいだろ」 咲「嘘だよ……京ちゃん、何か隠してない?」 京太郎「…………」 京太郎「ツモ……4000オール……」 優希「ま、また京太郎の勝ち……?」 久「……凄いわね、下手したらもう咲や和よりも強いんじゃないの?」 まこ「京太郎、一体どんな特訓をしたんじゃ?」 京太郎「別に、大したことは……はぁっ……してません、よ……」 和「須賀君、大丈夫ですか……? 具合悪そうですが……」 久「でも、これなら個人戦でもかなりのところまで……」 京太郎「かなりのところ……? 俺は優勝以外、考えてない」 京太郎「そう、勝たなきゃ駄目なんだ……勝って、優勝しなきゃ……」 咲「きょ、京ちゃん……」 京太郎「そうだ部長……俺、少なくとも個人戦が終わるまでは……もう、部活には来ませんから」 久「えぇ!? な、何言ってるの!?」 京太郎「ご心配なく……雑用はメールででも連絡していただければ、ちゃんとやりますんで」 まこ「京太郎、やっぱりお前さん最近変じゃぞ!」 久「須賀君……どうして……」 京太郎「……麻雀部は、俺にとって大切なものなんです……」 久「だったら……」 京太郎「だからこそ、来ちゃ駄目なんです……それじゃ、また大会で……」 優希「京太郎……一体どうしたんだじぇ……」 咲「…………」 京太郎「ぐっ……はぁ、はぁ……」 京太郎「ここ最近、ずっと体が重い……息が苦しい……」 京太郎「やっぱり……急激な強化に、体がついてこれなかったか……」 京太郎「だが大会は、もう近い……何とか、もたせないと……」 京太郎「…………」 京太郎「……今夜は、満月か……」 京太郎「行って、みなければな。龍門渕に」 京太郎「……ロン、2000点」 衣「なっ……」 純「ば、馬鹿な……」 智代「満月の、衣に勝った……」 一「それも、つい最近まで初心者だったのに……」 京太郎「ぐぅっ!」 透華「ちょ、ちょっと大丈夫ですの!?」 京太郎「……いえ、問題ありません……」 衣「それほど急激に強くなり、それほど体を酷使し……」 衣「京太郎……お前は、一体どれほどのものを犠牲にしたのだ……」 京太郎「…………」 衣「そこまでして得る勝利に……一体、何の意味があるというのだ」 京太郎「……天江さんには、わかりませんよ。凡人の、苦悩は……」 京太郎「俺は、ただ……みんなと一緒に、戦いたいだけです」 衣「京太郎……」 京太郎「天江さん、皆さん。お世話になりました」 京太郎「絶対に……代表、取ってきますんで」 衣(…………) 衣(須賀京太郎……あの強さは本物だ) 衣(このまま頂点へ駆け上がるか、地獄の業火に焼かれるか……衣にも分からぬ) 衣(だが……お前は言っていた。みんなと一緒に、戦いたいだけだと) 衣(京太郎……気付いているのか?) 衣(どの道を歩むにせよ、そこには……お前の望む『みんな』はいないということに) 京太郎「個人戦まで、あと三日か……」 京太郎「はは……もう、学校からの帰り道すらもきついな……」 京太郎「だが、勝たなきゃ……勝って、みんなに……」 京太郎「…………」 京太郎「……よぉ、どうした?」 京太郎「この時間は……部活じゃ、ないのか?」 咲「……部活よりも、京ちゃんが心配だよ」 京太郎「俺のことは……心配ない。勝って、みせるさ……」 咲「どうしたの……学校でもずっと一人だし、顔色だって……」 京太郎「でもさ……俺、強くなっただろ。優勝、狙えるくらい……」 咲「……強くなんか、ならなくていいよ。私は、いつもの京ちゃんが戻ってきてくれれば」 京太郎「……駄目だ。俺は、勝たなきゃいけない」 咲「どうして、そこまでして勝ちたいの!」 京太郎「……咲には、わからないだろうな。力のある咲には……」 京太郎「みんなに、取り残された者の気持ちは……」 咲「……京ちゃん……」 個人戦当日 久「さて、集まったかしら」 優希「みんなで代表取るじぇー……って、あれは……」 まこ「……京太郎?」 京太郎「はぁ、はぁ……ひ、久しぶり……みんな」 和「須賀君……どうしたんですか? 真っ青ですよ……」 京太郎「だ、大丈夫さ……今日一日だけ、もたせてみせる」 京太郎「それより…部長、お願いがあります」 久「お願い?」 京太郎「もし女子の部が終わって、俺がまだ勝ち残っていたら……見てください」 京太郎「どうしようもなく弱くて、いつもみんなの遥か後ろを歩いていた……俺の、戦いを」 咲「……京ちゃん……」 久「……わかったわ。でも、無理しちゃ駄目よ」 京太郎「ありがとうございます……それじゃ、みんなも頑張れよ……」 優希「京太郎……なんなんだじぇ……」 久「今は……私たちも、目先の大会に集中するしかないみたいね」 まこ「……じゃのう」 和「あれ……宮永さんは?」 京太郎「…………」 咲「京ちゃん!」 京太郎「……何だ、咲。女子の会場は向こうだぜ」 咲「戻って、来るよね……」 京太郎「…………」 咲「いなくなったり……しないよね……」 京太郎「……ははっ、当たり前だろ。じゃないと誰が、お前の面倒見るってんだよ」 咲「……京ちゃん……」 京太郎「もう行くぜ。お前も……勝てよ、咲」 咲(京ちゃん……) 咲(京ちゃんは、ああ言ったけど……私はやっぱり、今の京ちゃんには勝ってほしくないよ) 咲(ただ、いつもみたいに……私の隣で、笑っていてくれれば) 優希「お昼だじぇー!」 和「部長、このご飯は……」 久「須賀君が買ってきてくれたのよ……頼んでないんだけどね」 まこ「……あんな状態でも、本来の仕事は欠かさないってことかの」 咲「あの……京ちゃんの、様子は……」 久「さっき男子の部を見てきたけど……一応、勝ち進んではいるわね」 和「一応……というのは?」 久「……フラフラだったわ。それこそ、今にも倒れそうなくらい」 優希「きょ、京太郎……やっぱり風邪なのか?」 久「……風邪なら、まだいいんだけど……それ以上の、何かのような気がしてならないのよ」 久「今は……何とも言えないけど」 咲「…………」 京太郎(麻雀部も、友人も……) 京太郎(この日のために、全てを犠牲にしてきた……) 京太郎(みんな、負けるんじゃないぜ……俺も必ず、そこへ……) 京太郎(たとえ……) 『それでは、男子個人戦の一回戦を始めます!』 京太郎(この体が、壊れようと!) 京太郎「げほっ、げほっ……」 京太郎「苦しい……あと、何回戦えば……」 京太郎「いや……何回だろうと、関係ねぇ」 京太郎「十回だろうと、二十回だろうと……」 京太郎「立ち塞がる奴は……全員、倒してやる!」 優希「咲ちゃん、のどちゃん。代表おめでとうだじぇ」 和「ありがとうございます、優希」 まこ「部長も惜しかったのう」 久「残念ながら、届かなかったわね。ところで……男子の方は?」 まこ「……最後の半荘のようじゃ。ここで勝てば……京太郎が、代表じゃ」 久「そう……あの、須賀君が……」 優希「あんなに弱かった京太郎が、あと一勝で代表……」 まこ「信じられんのう……」 和「……みなさん、男子の会場に行ってみましょう。スクリーンで様子も見られるでしょうし」 咲「……うん……」 京太郎(みんなは……勝ったのか? いや、勝ったに決まってるな) 京太郎(俺も、すぐそこだ。驚いたかみんな、あの弱っちい男が今や全国目前だぜ) 京太郎(絶対に勝って、みんなと全国に……) 京太郎(あと一半荘なら……きっと体の方は、何とかなる……いや、何とかしてみせる……) 京太郎(だが今回に限っては、別の問題があるようだ) 京太郎(それは……) 「狂気の沙汰ほど面白い……」 「傀……と、呼ばれています。よろしくお願いします」 「さて……打(ぶ)つか」 『さぁ、ついに男子の部も最後の半荘!』 『赤木選手、傀選手、阿佐田選手、須賀選手! 代表の切符を手にするのは誰だ!』 京太郎(相手が、今の俺でも……勝てるかどうかわからない、化け物揃いだってことだ) 京太郎(いいぜ……やってやるよ!) 傀「御無礼、ロンです」 哲也「これで南入だな」 京太郎「く……12000か。げほっ、げほっ……」 赤木「ククク……病院にでも行った方がいいんじゃねえのか?」 京太郎(さすがは決勝まで勝ち進んだ猛者……とても同じ、高校生とは思えない……) 京太郎(今の俺でも……敵いはしないのか?) 京太郎(ここまで、なのか……?) 優希「京太郎、押されてるじぇ……」 まこ「それより、今にも倒れそうじゃ……」 咲「京ちゃん……」 衣「……清澄よ。あの男の様子はどうだ」 和「あ、あなたは……」 久「天江さん……なぜ、ここに?」 衣「む……そうか、勝ち進んでおるのか……馬鹿者め、無茶をしおって……」 まこ「お前さん……何か、知っとるんか……?」 衣「……京太郎は以前、衣を訪ねてきたのだ」 和「……そんなことが」 まこ「何考えとるんじゃ、あいつは! そんなことをして手に入れた強さに、何の意味がある!」 咲「……それでも、京ちゃんは勝ちたかったんです。私たちの、ように」 久「咲?」 咲「京ちゃんは、ずっと苦しんでいました。自分だけ、麻雀が弱いということに」 咲「団体戦で、優勝した時も……自分ひとりだけ、輪の外にいるような気分だったんだと思います」 咲「私は……」 咲「私は、京ちゃんのことを忘れたことなんか……一瞬たりともなかったのに」 和「宮永さん……」 『ついにオーラス、最終盤だ! トップは傀選手、このまま決まってしまうのか!』 衣「いずれにせよ、このまま進めば京太郎の敗北は必至だ」 衣「あの三人……今の京太郎でも太刀打ちできぬほどの、魑魅魍魎の類」 衣「このまま、終わってくれればよいのだがな」 久「まだ、何かあると?」 優希「で、でも……この点差じゃ、もうどうしようもないじぇ」 衣「……それはわからぬ」 衣「まだ……京太郎に、捨てるものがあれば」 咲「!」 京太郎(逆転条件は役満ツモ……厳しいってもんじゃねぇな) 京太郎(くっ、牌が重い……目も霞んできやがった……) 京太郎(みんなと共に、全国へ……行きたかった) 京太郎(全てを捨てても……やっぱり、届かないのか?) 京太郎(……いや……まだ、手はあったな……) 京太郎(全てを捨てたつもりだった。でも、それは違う) 京太郎(まだ、残ってたじゃないか……一番、大切なものが) 京太郎(でも、それを捨ててまで……勝つ意味が、あるのか……?) 京太郎(…………) 京太郎(俺の、一番大切なもの……) 京太郎(それは……) 京太郎(全てを、捨てたつもりだった……) 京太郎(でも、お前だけは……ずっと、俺の心の中にいた。捨て切ることができなかった) 京太郎(こんなになった俺でも……いつも心配してくれて、話しかけてきてくれた……) 京太郎(誰よりも大切な、幼馴染……) 京太郎(…………) 京太郎(ごめんな、咲……) 京太郎「リーチ」 和「多面張を捨てて、単騎待ちリーチ……?」 優希「それ以前に……これではリーヅモタンヤオ、赤1。逆転には届かないじぇ」 まこ「京太郎……なんのつもりじゃ……まさか久の……?」 久「……違うわ。須賀君は、悪い待ちを選んだんじゃない」 まこ「何じゃと?」 久「彼は……」 京太郎「……カン」 久「カンできる待ちを、選んだのよ」 京太郎(あいつの……一番得意な役だったな) 京太郎(咲、見てるか?) 京太郎(今まで、ありがとな……) 京太郎(でも、これで……さよならだ) 咲「京……ちゃん?」 京太郎「ツモ。リーヅモタンヤオ赤1、嶺上開花」 京太郎「裏……8。逆転だ」 京太郎「はぁ……はぁ……」 京太郎「はは、勝ったぜ……見てたか、みんな……」 咲「……京、ちゃん……だよね?」 京太郎「……その声、咲か……」 咲「…………」 京太郎「咲……俺は、勝つためにお前を捨てた」 京太郎「もう、お前とは……会話することもないだろう」 咲「……なんでなの……」 咲「京ちゃん、こっち向いてよ……」 京太郎「…………」 咲「また、昔みたいにさ……頭なでたり、ほっぺたつついたりしてよ……」 咲「昔みたいに……笑ってよ……」 京太郎「……咲、今の俺とお前……どっちが強い?」 咲「……京ちゃんの方が、強いよ……ずっと」 京太郎「そうか……」 咲「私よりも、勝つことが大事なの……?」 京太郎「……あぁ」 京太郎「これで俺も、お前らと一緒に全国の舞台で戦える」 咲「全然、一緒なんかじゃないよ……本当はわかってるんでしょ、京ちゃん」 京太郎「咲、ありがとな……お前は、最後の最後まで俺を……」 京太郎「でも、これが俺の選んだ道なんだ……だから……」 京太郎「さよなら、咲」 咲「京ちゃん、待って!」 咲「うっ……うぅ……」 咲「京……ちゃん……」 -数年後- 同僚A「……じゃあ、かんぱーい!」 同僚B「かんぱーい! ふぅ、仕事あがりのビールはおいしーね!」 同僚C「これであとは彼氏でもいれば、言うことなしなんだけどね」 同僚A「こら、それは言っちゃだめ!」 咲「あははは……」 同僚B「あーあ、須賀プロみたいなイケメンの彼氏欲しいな~」 咲「……!」 同僚A「須賀プロかー、若いのにすっごい強いって評判だよね」 同僚C「あまりの強さに、地獄の皇帝(ヘルカイザー)とか呼ばれてるんだっけ」 同僚A「でも友人とか全然いないって話聞くけど本当なのかな?」 同僚B「一匹狼って感じでカッコイイじゃん」 咲「…………」 同僚B「咲なんかは、彼氏とか好きな男とかはいないの?」 咲「……好きな人なら、いたよ……」 咲「でも……私がいると、あの人の邪魔になっちゃうから……」 同僚A「へぇ、何か色々あったのね」 同僚B「須賀プロといえばさ、咲って麻雀めっちゃ強かったんでしょ」 同僚C「え、そうなの?」 同僚B「高校の頃、全国とか行ったって聞いたんだけど」 同僚C「マジ? そんな強いなら、プロになればよかったのに」 咲「……私はプロには、なれないよ」 咲(プロになったら……) 咲(きっと、また顔を合わせちゃうから) 咲「ふぅ、ただいま……と」 咲「何か面白い番組はないかな……」ピッピッ 咲「…………」 『須賀プロ、またもタイトル奪取!』 『まさに圧殺! 強い、圧倒的に強い! この強さは本物だぁーっ!』 『地獄の皇帝、ヘルカイザー京太郎!』 咲「京ちゃん……また勝ったんだ」 咲「本当に、強くなったね……」 咲(京ちゃん……) 咲(清澄のみんなで一緒に麻雀を打ってた日が、懐かしいよ) 咲(京ちゃんは……今の自分に、満足してるの?) 咲(いや、してるはずだよね……あんなに、強くなれたんだから) 咲(そう、京ちゃんが望んでいたように……) 咲(でも……) 咲「私は、寂しいよ……京ちゃん」 END 【分岐ルート①】 京太郎(……まだ、捨てられるものがあったじゃないか……) 京太郎(それは……俺の命) 京太郎(もう、みんなには二度と会えなくなってしまう……) 京太郎(それでも……俺はみんなと、ずっと共にある) 京太郎(あの世から……一緒に、戦おう。全国の舞台で!) 京太郎「……いくぜ」ゴォッ! アカギ「……へぇ」 傀「…………」 哲也「……こいつ……」 咲「京ちゃん!」 衣「まずい、あの馬鹿者……死ぬ気だ!」 和「ど、どういうことですか!?」 衣「京太郎の体から、溢れ出ている力……あれはまさに、京太郎の生命力そのもの」 衣「死と引き換えに……勝利を手にする気か……」 優希「そ、そんな!」 久「須賀君……なんで……」 優希「京太郎!」 京太郎(優希……もっとお前にタコス、作ってやりたかったぜ) まこ「京太郎!」 京太郎(染谷先輩……いつも俺を気にかけてくださって、ありがとうございました) 久「須賀君!」 京太郎(部長……散々迷惑かけて、申し訳ありませんでした) 和「須賀君!」 京太郎(和……知ってるか? 俺、お前に憧れてたんだぜ) 咲「京ちゃん!」 京太郎(咲……) 京太郎(今まで、色々なことがあったな……どれもこれも、懐かしい日々だ) 京太郎(もっと……) 京太郎(お前と、一緒にいたかった) 京太郎「ツモ……数え役満……」 京太郎「逆、転……だ……」 咲「京ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」 和「もう一年ですか、早いものですね……」 優希「まったく、京太郎のせいで雑用が大変だったじぇ!」 まこ「……それじゃ、もう行くかの」 咲「……私、もう少しだけここにいます」 久「咲?」 和「……部長、ここは一人にさせてあげましょう」 久「……そうね。じゃあ、先に行ってるわ」 咲「京ちゃん、お墓の下でも聞こえてるかな……?」 咲「この一年、色々なことがあったよ」 咲「部長は卒業して、新入部員も入って……あ、私はお姉ちゃんとも会えたんだ」 咲「優希ちゃんはタコス係がいないっていつも不満たらたら。和ちゃんは相変わらずだけど、時々寂しそうだよ」 咲「……そうだ、あの決勝の牌譜……みんな、驚いてたよ」 咲「衣ちゃんも、見事だって褒めてた。えへへ、凄いね京ちゃん……」 咲「…………」 咲「……ねぇ、京ちゃん……」 咲「京ちゃんは……幸せだった?」 咲「命を落としてまで、麻雀を打って……勝って……」 咲「……ううん、きっと幸せだったよね。じゃないとあんな素敵な牌譜、残せないから……」 咲「……でもね、京ちゃん……」 咲「私は、あんまり……幸せじゃない、かな」 咲「…………」 咲「……ぐすっ……」 咲「忘れないよ……京ちゃん」 咲「清澄高校の麻雀部には……須賀京太郎っていう、ものすごく強い男の子がいたこと……」 咲「絶対に……うぅっ……忘れないから……!」 咲「京ちゃん……!」 END 【分岐ルート②】 京太郎(命も……咲も……どちらも捨てる) 京太郎(もう、何もいらない。勝利の二文字さえあれば、それでいい) 京太郎(この勝負に……何もかもを賭ける!) 京太郎(……さぁ、いくぜ……みんな、見ててくれ) 京太郎(俺の人生の……最終幕だ!)ゴォッ 衣「……ッ! 馬鹿者が!」 京太郎(さようなら、みんな……) 京太郎(俺なんかに付き合ってくれて、ありがとうな……) 京太郎(でも、これで……永遠に、お別れだ……) 京太郎(これが俺の……手向けだ!) 京太郎「リー……」 (京ちゃん……) 京太郎「……!」 哲也「ん? どうした?」 京太郎「……いえ……」 傀「……御無礼、ツモです」 『試合終了! 代表の切符を手にしたのは、傀選手だぁーっ!』 赤木「クク……ちょっと届かなかったか……」 傀「……対局、ありがとうございました」 哲也「おう、お前もお疲……ん?」 京太郎「…………」グラッ 哲也「お、おい!」 ドサァッ 京太郎(ん……ここは……) 京太郎(天国か? 俺、死んだのか……?) 京太郎(みんなには……最後まで、迷惑かけっぱなしだったな……) 京太郎(でも……天国って、案外狭……) 京太郎(いや、違う……ここは、病院?) 衣「気が付いたか、京太郎」 京太郎「天江、さん……」 衣「ここは龍門渕家所有の病院だ。あの後、倒れたお前を運んできた」 京太郎「そっか……俺、負けたんですね……」 衣「魔の領域から、人の世に舞い戻った感想はどうだ?」 京太郎「……不思議ですね。本当は、あの場で……燃え尽きるつもりだった」 京太郎「でも……その時、咲の声が聞こえた気がしたんです」 京太郎「そうしたら……最後の一歩を踏み出すことを、ためらってしまった」 衣「…………」 京太郎「俺は、勝利に飢えながら……やっぱり何も、捨て去ることができなかった……」 京太郎「結局、俺は……弱いままだったんですよ」 衣「……それは違うぞ。京太郎よ」 衣「お前の闘牌は……実に、素晴らしいものだった。衣も見たことのないほどの」 衣「衣だけじゃない。純も、智紀も、一も、透華も……清澄の面々も」 衣「誰もを魅了する……見事なものだった」 京太郎「…………」 衣「衣は忘れぬよ。この夜を、あの魔物ひしめく半荘を、あの数百打を」 衣「それを戦い抜いた……須賀京太郎という、誰よりも強き男のことを」 衣「あの試合を見ていた者は……あの時のお前の雄姿を、未来永劫忘れぬよ。きっと」 京太郎「天江さん……」 衣「さて、そろそろ衣は退散するとしよう」 京太郎「……帰るんですか?」 衣「ふ……馬に蹴られたくはないんでな。では、また何処かで会おうぞ」 タッタッタッタッ ガラッ! 咲「はぁ、はぁ……京、ちゃん……」 京太郎「咲……」 咲「う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」 京太郎「お、おい……」 咲「よ、よかった……京ちゃん……無事で、本当によかったよぉ!」 京太郎「咲……ごめんな」 咲「京ちゃん……! 京ちゃん……!」 京太郎「お前のおかげで……俺は、踏みとどまれた」 京太郎「もう、どこにも行かないよ……」 咲「京ちゃん……!」 久「じゃ、須賀君。買い出しよろしくね」 京太郎「へいへい、了解です……」 和「ごめんなさいね、須賀君」 優希「京太郎、タコスちゃんと買ってくるんだじぇ!」 まこ「いつもながら、迷惑かけるのう」 京太郎「ははは……みんなはこれから全国大会なんですから、お気になさらず」 咲「京ちゃん」 京太郎「ん……咲、ついてきたのか?」 咲「えへへ……無理言って来ちゃった」 京太郎「やれやれ……じゃ、一緒に行くか」 咲「うんっ!」 咲「京ちゃん……正直、残念だった?」 京太郎「……あの個人戦のことなら、まぁ確かに惜しい気持ちはあるよ」 京太郎「でも……今になってわかった。俺は……やっぱりこれが、一番性に合ってるさ」 京太郎「もちろん、麻雀は強くなりたいけどな!」 咲「ふふ……一緒に頑張ろうね、京ちゃん」 京太郎「だけど、俺やっぱ馬鹿だから……また、馬鹿なことをするかもしれない」 京太郎「だからさ、咲……」 咲「……うん、いいよ」 咲「京ちゃんがまた無茶をしそうになったら、私が止める」 咲「だから……ずっと、そばにいてあげるよ。何か月でも、何年でも……」 京太郎「……ありがとな、咲。」 京太郎「全国大会……俺の分まで頑張れよ!」 咲「うんっ!」 咲「……ねぇ、京ちゃん」 京太郎「ん……何だ?」 咲「……大好きだよ、京ちゃん!」 END
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11 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 15 33 09.64 ID 7NKXhv7/O [8/14] 8 イッチだってそんなん考慮しちょらんもん…… 連続ゾロ目ボーナス! 洋榎104 洋榎「あっ……」ビクッ 京太郎「ん?」 この人から身構えるなんて…… どうしたんだ。 洋榎「ひ、久しぶりやな京太郎」アハハ 京太郎「は、はぁ……」 洋榎「すいませんでしたぁ!!」 土下座。 俺、この人に何かされたっけ?それとも俺の事をからかっているだけなのか? 京太郎「ちょ……!人が見てますから!やめてください!」 洋榎「どうか最低なうちの事を許してください!!!!」 13 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/07/05(土) 15 42 36.92 ID 7NKXhv7/O [10/14] 訂正 洋榎の部屋。 京太郎「どうして俺はここに……」 洋榎「ひっく……うっ……」ポロポロ 京太郎「ちょっと!どうして泣いてるんですか!!」 洋榎「そや、死ねばいいんや!京太郎!殺してくれ!」ポロポロ 京太郎「やめてください!何があったんですか!?」 洋榎「……」 洋榎「それはーー」 京太郎「……」 それから聞いたのは予想以上の話だった。 洋榎さんが俺を気絶させて犯した事、追い詰めて自分の者にした事。 日々の痴態を動画に収めて依存させた事。 俺の周りとの関係を全て断ち切らせた事。 最終的に俺は自殺をした事。 15 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 15 54 17.79 ID 7NKXhv7/O [11/14] 洋榎「ど、どうしても京太郎を自分の物にしたかったんやな……」 京太郎「洋榎さん……」 思い出してしまった……俺の中でフツフツと込み上げる怒り。 洋榎「今回だって自分の物にしようとした……」 京太郎「……」 でも……俺は紛いなりにも途中からはこの人が好きだったんだ…… ただ……あんな望んでもいない事をされたから自殺しただけで…… 洋榎「もう……うちと関わらないでいいで」ニコッ 洋榎「なんなら同じ事をしてもええよ」ニコッ 安価下8 1. 俺は洋榎さんが好きです 2.帰る 28 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 34 58.64 ID 7NKXhv7/O [13/14] ゾロ目ボーナス!! 三連続!!! 京太郎「俺は洋榎さんが好きです」 洋榎「え……?」 京太郎「だから過去の事なんか関係無いですよ」ニコッ 洋榎「きょ、京太郎……///」 京太郎「洋榎さん……」 洋榎「呼び捨てでええよ……///」モジモジ _ --―――-ミ _,,.. \ ヽ \ _彡 ´ ; =-―‐-ミ ) / ノ // / \_ / / / 厶=--―…/ `く | / / / / ヽ | ! /イ / // // |  ̄',. 八| l/l / ̄ ̄ /イ /. /| ′ /二二ィレ| .|芹弌く | ィ/Χ| | | ', | / /人_\|辷ン |ノ芹ミ У / |, ′ |' / /¨入 '''' 廴ソ / /. 八 i. / |/ /`、 ’ ''' /彡/ ィ∨ノ ′ / |\__゚_,,... イ ィ、 || | | | ヽ | | / /ノィ / ノ / ノ // ∨l |/丁へ. / // ⌒' { / `| /|\ \/ | , | レ∧ 〉 // |__ } | / | V {/ /⌒ヽニ、-、 \_ 八 ( | l / /ハ \\. Т¨ \ 八 ′ / \ \ヽ. ! {\ ̄ヽ | / } ′ |  ̄「_゙ト、 / / | } | | ` ¨卞¨ _彡 / ′ _ .′ヽ ゙, ′ i  ̄「\_ノ___/ / , ‐-<⌒ ' | i ,′ Ⅴ .′ { / | | ,′ } | ' / / ! ! ′ | ,/ / ′ { ' / | .′ / ′ ∧ | / ' i ' i / ′ | / / | | | ,′ ′ ! / , ′ | | | ヽ ! 〃 ' ノ ! | ≧=ヘ / / | | ≧‐=彡 ///⌒ヽ_{ / !  ̄ / '、 ∠ ヘ 、\ 、 \i\「 京太郎「洋榎……」 洋榎「な、なぁ……」ギュッ 洋榎「抱いて……///」 京太郎「洋榎……!」 29 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 39 03.80 ID 7NKXhv7/O [14/14] GRANDENDING 30 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 42 50.77 ID VVa3sn7fO 全国大会決勝 洋榎「ふふふっ……ここまで来たでー」ニヨニヨ 京太郎「洋榎……」グッ 洋榎「行くで!」ゴッ 憧「……!」 久「!!!」 堯深「っっ……!」 安価下6多数決 0~95 姫松Vやねん! 96 清澄優勝 97 阿知賀優勝 98 白糸台優勝 38 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 56 39.04 ID HD80wm1dO [1/6] ,/ \ __ / ヽ、 , . '  ̄  ̄ ` 丶、 | i / `ヽ、 \ 〉 | / ' `ヽ \-._\| // lヽ、 ヽ、 、 ',ヽ 丶_ ゙>.、 /,'/ / ! .l .X∧ヽ i ハi ゙', l ;`iヽ、丶 / / / | i !| ', レ' ヽリ ∨! 〉 .}`〉!丿 | ヽ. ゙、 i / / ! l .l iハ '\ xヤ叭カ 〉 k┤ ´ ヽ /!. 〉. 〉 / { /l i .-什ー \ .〉 弋 _ソ /イ Y´丶 ! / / / / /.! i ! i i xヤ叭 `゙ ´ l i. ,!リ./ ./ _ / / ヽ !ヽ i', ` 弋ソ l レ,'.;/ ´ /´冫\/ /. \'マヘヽ. ` - | ト'. 〈 _ ヘ、\゙/ / ( { ! 〉. く l /|!{iヽ!. /´ 〉 .! / /.i ! _./ヽ 、l ! ヽ、 ` - ′ / }!ヽ , -─ ‐ 、 〈 ,弋!丶.v` / .! _ -彡 ` ゙ -! _ ≧‐ _ .イ /|! /./ \ i. ヽ 〉 ≦彡 ´ , -! { / }- ´ .' / ′ \ ヽ )イ/ / l .! .//.マヽ / .l ! l \ ヽ ′く / / i ! _ -/イ / 冫__./ .l i .! ! \ ', ヽ /; / , -ヽ ´ ' _.十_' ´ i l!/ ! ∧ V .;' / / , '` /´.入. \ |、´. |. / 冫 ∨i i / / / ./ l.∧ ! ヽ、 _. -. { / i 弋 { / ./ ヽ_イ /.|! ヽ _./ × γ. l { ヤ 丶 匕 、 / |i. / li l 丶 ./ l ! l. ゙.冫` 〉 .i |! / .|i / ! /\ ヘ ヽ ヽ ゙丶_i ゙ | 丶 / .∨_ _冫、 ヽ 入二| ! ゙ / \ 洋榎「うちにかかれば余裕やったな」 恒子「優勝は姫松高校ー!!!」 京太郎「うおおおおおおおお!!!!」 健夜「姫松の中堅……技術と読みなら既にトッププロクラスだね」 恭子「逃げ切れた……」 穏乃「ちぇーっ」 咲「やられた……」 淡「駄目だった……」 39 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 57 30.32 ID HD80wm1dO [2/6] ーーepilogue 初めて見た時から好きでした 41 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 17 51 07.91 ID HD80wm1dO [4/6] 月日が経ち 京太郎「ん?」 子供「……」チョコン 京太郎「お前誰だ?」 子供「……」 京太郎「何も言わないか……そうか」 京太郎「いや、何でもないよ」 京太郎「……」 京太郎「いい天気だな」 子供「……」 憩「なんや、こんな所におったん?」 京太郎「憩……さん」 春「……」ポリポリ 京太郎「あ、春さん」 春「少しの間……お邪魔します」 京太郎「大したおもてなしもできないですが……どうぞどうぞ」 42 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 17 54 23.94 ID HD80wm1dO [5/6] 春「……」ポリポリ 京太郎「相変わらず食べますねぇ」 春「ん……」ポリポリ セーラ「おーっす」 京太郎「あ、久しぶりです」 セーラ「元気しとるかー!?」グリグリ 憩「こらっ」 セーラ「あ、すまんすまん」 洋榎「たくっ……うちの旦那に何しとんねんな」 セーラ「ははは、すまんすまん」 48 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 00 29 17.74 ID hHJZ9nPrO 京太郎「……」 子供「……」 京太郎「お前は可愛い顔をしているな」 京太郎「本当……そっくりだ」 子供「……」 洋榎「当たり前やろ、アホか」 子供「アホ」 京太郎「なっ……!」 洋榎「なっ……!」 憩「はいはい、失礼」ズイッ 憩「みんな~お茶やで~」 恭子「ありがとうな~」 絹恵「ええな~お姉ちゃん」 洋榎「そやな~」 漫「仲ええな~」 由子「憧れちゃうのよ~」 49 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 01 58 58.15 ID DglQ+DhAO [1/18] 洋榎「ーー!」 セーラ「ーー!」 ギャァギャア 憩「美味しい?」 京太郎「はい、美味しいです」ズズッ 子供「……」ズズッ 春「……」ズズッ 京太郎「ふぅ……」 京太郎「むにゃむにゃ……」 春「……」ズズッ 京太郎「皆若いなぁ」 憩「そうやな」 春「……」ズズッ 京太郎「憩さんも」 憩「……」 春「……」ポリポリ 京太郎「なぁ……春さん……どれくらい呼んでくれたんだ?」 春「7人……」ポリポリ 50 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 02 20 33.64 ID DglQ+DhAO [2/18] 京太郎「えっと……お前はお母さんの所に戻りなさい」 子供「やだ……お母さん嫌い」 京太郎「こらっ……お母さんはお前の事を心配しているんだぞ?大事に思って叱ってくれるんだ」 子供「……うん」 京太郎「早く戻りなさい」 子供「分かった……またね」 タッタッタ 憩「あなたの娘さん拝見しましたよあなたにそっくりで洋榎ちゃんに立派な子供も産んで……幸せそうやね~」 京太郎「そうか……そうだったな」 京太郎「娘の名前……忘れてしまった」 京太郎「孫娘の名前も……」 春「教える……?」 京太郎「いや……大丈夫だ」 京太郎「どうせすぐに思い出す」 春「そう……だね」 憩「なぁ……どうして孫娘さんを遠ざけるん?」 京太郎「……」 春「洋榎にそっくりで怖いから……」ポリポリ 京太郎「うっ……」 憩「なんやそれ……」 京太郎「わかったよ……おーいおーい」 娘「なんやー?」ガラッ 娘「あ、春さんこんにちはー」 春「こんにちは」 京太郎「えっと……お前目赤いな」 娘「アホ……」グスッ 京太郎「孫呼んでくれ」 娘「はいはーい」ガラッ 52 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 02 51 12.92 ID DglQ+DhAO [3/18] 子供「はーい」ガララッ 京太郎「えっと……だな」 京太郎「悪い事はするな」 子供「うん」 京太郎「好きな人には迷惑をかけるな」 子供「……うん?」 京太郎「お母さんとお父さんの言う事は聞いて」 子供「うん」 京太郎「大好きだよ」 子供「ありがとう」 京太郎「ん……もういいぞ」 子供「またね」ガララッ ピシャッ 京太郎「“またね”……か」 春「いい響き……」 京太郎「子供は純粋だ……」 春「……」 京太郎「皆は返したのか?」 春「……うん」 憩「うちだけやなー」イェイッ 京太郎「どうして憩さんとだけは話せるのかな……?」 春「看取る人としては最適……」ポリポリ 京太郎「そうか……」 憩「軽い意思疎通しか出来んけどなー」 京太郎「……」 互いに年老いた……残っているのは皺くちゃの京太郎と春。 先程までは互いの瞳に若かりし頃の姿が映っていた。 もう……京太郎の時間切れは迫っていた。 53 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 08 46.80 ID DglQ+DhAO [4/18] 春「私は鹿児島に帰る……」 京太郎「そうか……」 春「新しい跡継ぎの整理をしないと」 京太郎「おう、またな」 京太郎「えっと……名前は……」 京太郎「いや……」 京太郎「いきなり来たと思ったら洋榎達を呼んでくれて……」 京太郎「ありがとう」 春「親友の頼みだから気にしないで」 春「……またね」ガララッ ピシャッ 京太郎「親友……?」 憩「さ、身体拭くよー」 京太郎「お、ありがとう」 54 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 22 32.68 ID DglQ+DhAO [5/18] 憩「じゃ、またなー」 京太郎「あれ……?」 京太郎「えっと……憩さんが俺を看取るんじゃ……」 憩「んーん」 憩「一人おるんやで、うちより適した人」 憩「またなー」 ドロンッ 京太郎「え……」 京太郎「一人で……逝くのか?」 京太郎「はぁ……」 京太郎「まぁ悔いは無いからいいか」 「アホ」 京太郎「!」 55 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 23 00.93 ID DglQ+DhAO [6/18] 洋榎「ーーうちがおるやろ?」 56 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 25 58.13 ID DglQ+DhAO [7/18] 京太郎「……」 目を疑う。 あの時、先に逝った。 自分を置いて行った最愛の人。 洋榎が目の前に居るのだから。 京太郎「憩さんと話す事出来るんだから……そりゃあそうだよな」 京太郎「春さん……過剰演出だよ」 洋榎「最初からおったわ……ったく」 洋榎「でも、恩に着るで……親友」ニッ --- 春「……」 春「お安い御用……」ポリポリ 57 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 32 31.27 ID DglQ+DhAO [8/18] 洋榎「先に逝ってしまって……すまんなぁ」 京太郎「まぁ……洋榎も歳だったからしょうがない」 洋榎「そうやな」 洋榎「最初はうちで」 洋榎「その次は京太郎」 京太郎「順当に来たな」 洋榎「ん」 京太郎「……」 洋榎「泣かないんか?」 京太郎「いや……泣くほど嬉しいけど涙も出ないんだ」 洋榎「お疲れさん……」 京太郎「これほど素晴らしい人生は無いよ……」 洋榎「そうやな」 京太郎「ーー」 / / ;ィ; ハ . / | i .\ ,' / ./// / i ./\ i .ハ .} \ { /{( { i i =ヤ斧示\! 厶斗イ ハ ____ i / / .八 ! 辷 り イ テ心i }i } / `丶 i /{ .Y⌒ \| { cり ノリ / さ さ お i | ( .\i (ソi | ` |< < ん ん .つ | . \ . \`,i ! r ´ i ト、 ヽ i. こ さ か ! ,' ,'ヘ\ .!. ー ′ 人 〉 } | ろ ん れ ! / / } | | ≧。 < i./ / .| り i / / ヽ| ! `≧‐''"´ | | / .| | ./ / / |/ `ヽ. |_ i | \ / , ' . / _ r''"´ \ ノハ | ! ` ー --- ‐. / >''"´ `ヽ ∧ハ \ i / / / \ /`Y YVi \ 京太郎「ありがとう……」 洋榎「おやすみ……京太郎」 京太郎「……」 58 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 39 17.94 ID DglQ+DhAO [9/18] 京太郎「お……」 洋榎「お、来たな」 京太郎「ん」 京太郎「孫はうまくやれるかな?」 洋榎「うちの孫やで?」 手を取り合ってきた。 洋榎「当然やろ?」 京太郎「そうだな」 途中、手はほどかれたけど。 京太郎「大好きだよ……」 洋榎「うちもやけど……」 また手を取り合って。 洋榎「甘いなぁ」チッチッチ 洋榎「なんたってうちは」 あの時の気持ちをもう一度。 京太郎「?」 だって時間はいくらでもあるのだから。 洋榎「初めて見た時から好きでした」 . , ' \ \ //. / / .|, ヽ ヽ . //' / /| .| |‘,|`、 ',⊥_. /// . . /|_||l |_l_lノ|', . .|__ `丶、 (/| l {八「TT、 ! |/__|ハ | | ̄¨'' \ //| | l∧'笊丐 \ 、「苅「》 人′ ノ 〉 ( _.|八\ハ 乂 リ ー┘l イ 、 \ ___彡 ´  ̄ ̄/ /| |', ' | | 〉 / \、| 込、 ,、 . イ | | _/', | | ` .,_. イ|イハ| | ',. | |___/r} ノ V / ', ∧| / /ーn彡 /へ、 ', | | {_/\八 ノ >、 ', | | /⌒i|「\\/ / ヽ `、 , / / ((__ノ八、_)) / '¬ |. / , `7/ |「 ̄ l | ∨. ヽi / { l | l \ | l V 〉. 八 ∨`、 _,, ィ | 〉 `冖¨ | / `、 `、. | / 〉 〉. / { / /. / 人 / / \ `/ / これからもーー カンッ 109 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 15 22 58.79 ID D5Nz3WExO [1/11] 純 20 智紀 85 一 93 透華 9 衣 68 睦月 25 佳織 91 智美 7 桃子 好感度MAX 依存度MAX ゆみ 85 今回は大会を終えた頃の休息期間を描いた鶴賀のお話です(三回目) 夏休みです。 通学路 京太郎「入学してから結構経ったなぁ」 京太郎「皆、本当凄かったなぁ」 まぁ、俺も負けないように頑張りますよっと。 京太郎「あ、あれは」 0~9 純 10~19 智紀 20~29 一 当たり 30~39 透華 40~49 衣 当たり 50~59睦月 60~69佳織 70~79智美 80~89 桃子 外れ 90~99 ゆみ 当たり 120 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 15 54 32.93 ID D5Nz3WExO [3/11] 衣 118 衣「むっ」 京太郎「あっ……」 京太郎「?」 小さな可愛らしい子供だ。 京太郎「お嬢さん、迷子かな?」 |./_イ>――‐- 、 ,. - 」k∠_ `ヽ. イ-‐¬''''¬‐ =ト、 \ / ´ \ \ / l | | ト、 \ \ \ \ / | ! | ∥ ! >,-‐+‐い \ \. / / ,' ! | _」ェt |\代≧、 ト、 .!l .\ \ f ,イ | ∨ |イ ト、|\! ヾゝケ弍廴 !l | \ ヽ______ |/ | | . .Vト、!弍'气 \ `l さ, !l ! ` ――――――― |' |仆. い从《 { さ 弋辷シ !l ヽ 从 ヾ|入 ミ, 弋ソ "¨ !l \ 入 \! ,,,, ´ "" /!l \ / ` / ヽ = ,イ || ト、 . / ! f > 、 __.. '´ | || ヽ ! \ | .|、 .! \ _,,!_, -‐" ̄」| \ ! .\ ヽ . . 辷」\ `zM<_ ,ィニニ‐ヽ \\ `''ニ二三三三 `" ¬';;;;;;;;;;;;;Y´;;;;;;;;;;;;;l彳´ ヾト、 \\ !;;;;;;;;;;;r‐!;;;;;;;;;;;;;;;;レ´ \\ \`―――――‐. /;;;;;;;;;ヽレ';;;;;;;;;;;;;,イ }  ̄`"¬ニ二二辷―― f;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;l ! ! `ミニニ |;;;;;;;;;;人;;;;;;;;;;;;;;;;! | ト、 \ 7¨¨´|;/`'―‐く / { \ 、 . /;;;;;;;;;;l.|;;;;;;;;;;;;;;;;〈 | \ \ 廴;;;;;;;;|.|;;;;;;;;;;;;;;;;; \ ノ \ \ 衣「今、お嬢さんと呼んだが?」 京太郎「? まぁそうだけど」 衣「称賛に値するぞ。因みに迷子ではない、馬鹿にするな軟派」 京太郎「あ、ごめん。名前は?」 衣「天江衣。龍門渕高校の二年生だ」 京太郎「……え?」 衣「そして……久方ぶりだ」 衣「悠久の時を経て、望みが叶うとは」 衣 好感度判定あんか 124 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 15 59 29.35 ID D5Nz3WExO [5/11] 衣 128 衣「まだ……あの時を思い出せないか?」 京太郎「……?」 衣「さぁ何処に行く?」 京太郎「え?遊ぶの!?」 衣「無論!」 衣「さぁ!」ウキウキ 京太郎「……」 やけに楽しそうだな。 / / / / ヽ ヽ / / / / /,イ | ! l ヽ ! ./,イ / / // l | .ハ | | | /// i i / ,' | | |',| Ⅵ i!| | | .〃 i i! ||― A.」 | | | i! ,斗―- ,リ| | | || | | !| ||! | | |\ハ | レく | / /! / i! |! W.!l !|ヘ l N {!ヘ N | /ル' リ .,イ! i! | ヘ从 i!i! ヘ! \ ! !/' / //'! i! ∧ 从z≠气x `\,z≠ミx 厶イ | | / ヾ=トゝ `/ | | / { ' / ! ! / 人 ヽ ノ ,/ | | / / > . . イ/,/ | | / / ̄ ̄\/ |\> --‐<彡 {」 || ! .八/ / Y´ ̄} >v<´ | || 「 ̄\\ 京太郎「んーそうだな」 京太郎「ーー」 1.レストラン 2.定食屋 3.自然が豊かな所( 1は全く長野分からないので分かる人が居たら教えてね☆) 安価下4 137 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 17 45 16.17 ID D5Nz3WExO [10/11] 133 135 ありがとうございます . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .(⌒ (⌒ヽ . . . , ' ⌒) . . . . . . . . . . . . (⌒ヽ ⌒ヽ. . . . . . . . . . . .. .. . . . . . . . . . . . . . . . . ( . . .)ヽ . . . . . . . . . . .( ( . .⌒⌒ ⌒ ⌒) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ( ⌒). . . . ); . . .⌒ . . ) . . . . . . . . . . ( (⌒ . . (⌒ ) . ⌒) . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .`ー' ー'⌒`ー' ヽ_ ノ. . . . . . . . . . . . . .`ー' `ー' . .`ー '. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ;;;;;ヾ);;;) ;;;;;ヾ);;;);;;;) ;(; 〃;;;|!;;;);;;;;;) _,,.-‐''" "'- 、 , -'"`'ー-、_ ;;;;;ヾ);;;)ヾ);;;;;) _,,.-‐''" ; ; ; ; "'- 、_,..-'''" ; ; ; ゙''ー-、,_ ;(; 〃;ヾ);;;) ;(; 〃;ヾ);;;)/;;;;;;;); (; ;;;;;;;);ヾ);;;) ;;;;;ヾ);|!;;) ;;;;;ヾ);;;);:、; ;" ;";`; ;" :、; ;" ;";`; ;" :、; ;" ;";`; ;" :、; ;" ;";`; ;" (;;;;;ヾ);;;));;;) ;(; 〃;ヾ;);;/;;;ヾ);;;);:、; ii" ;";ii`; ;":、; ;"ii ;";`; ;":、; ;" ;";`; ;"ii ;" ;";`; ;":、; ;" ;";`; ;":i、; i;"";`; ;" (; 〃;);;|!;;;ヾ);;;) ;;;;;;;;;;;;)|! ;;;;;ヾ);;;);,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;;;ヾ);;;);;;ヾ);;;);;;;;ヾ);;;;;ヾ);;;);;;;;ヾ);;;) - - ; ; ; ; ; ; ; ; ;- ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;-; ; ; ; ; ; ; - ; (;;ヾ);;;);ヽ)|!;);;/;;ヾ) ;;;;;ヾ);;;) - _ ; ; ; ; ; ; ; ; ; _ ; ; _ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; _ ;;’ (;;;;;);;;;;ヾ);;;);;;;;ヾ);;; |ii| - _ - -_ |ii ,.(.;; 。; (.,⌒.;; ⌒.⌒) - - - ,(.;⌒(.; :、; (. ,.;⌒ (.;; :⌒ ,(..;; 。; ;; :(.、,.;; 。; ;; :、);,. ; `" "'" ̄'"" .. "'" ̄""'''""""'''"" "'" ̄'"" ..`"'';;,. ; `"`"'';; (. ,.;; 。;,.;; 。; (.;; :、;(.; ;; 京太郎「おお……着いたな」 衣「うん!」 京太郎「なぁ……どうして衣は早死したんだろう」 衣「……!」パアァ 衣「分からない、でも……衣は嬉しい。また会えて嬉しいぞ」 0~50 ハギヨシ 51~99 ステルスさん 140 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 17 55 16.88 ID D5Nz3WExO [11/11] / ヽ / | | , i ! ! ハ ! ! | / / /l/| /|!ヽ | | | / _ L / / イん心 | | | | | /ヽ / / ゞ゚|!' j! ! ! '; | イん心!/ '' |! | | | } 八| ! トゞ゚'' 、 |! /| | | | | ト!込 ''' 、_, ' |!イ | | | | | | ! ` ト--- イ|! | | | | | | | ! _/弋_ _斗´{ | / ! | 川 | !-―「 } | /!イl/__ V | ! / ハ / . .、 / | \ ―.、 ,' | !〈 { ヽハ- イ、' .! ./ l ! ヽ `ヽ 〉 ;. . ! .| _/ ! 〉 } / / /. . ', } \ { ;′ ∨ // \ /. . . . ', / O〉 '; ! } ;' ` -- ∨. . . . . .∨ ;イ 〉 | j ! ヽ. . ./ ´ / ! _,ノ‐-ミ '; ∨! / ′ `,イ ト-- -―…  ̄ / 桃子「……何やってるんすか?」 京太郎「げっ!!モモ!!」 桃子「私と言う物がありながら……許せないっす」 桃子「この……龍門渕の大将さん」ユラッ 京太郎「げっ!消えやがった!」 衣「???」 京太郎「逃げるぞ!」 ダキッ 衣「久しい感触だ!」ワーイ 0~40 ハギヨシ 41~99 ガシッ 142 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 18 05 15.48 ID DhingoohO ハギヨシ「……」ニコッ 桃子「あっ……」 ハギヨシ「お帰りください……」 桃子「あ……はい」 ハギヨシ「さて……京太郎君」 京太郎「すげえ……」 衣「ハギヨシなら当然っ!」 ハギヨシ「準備は出来ています。衣様を連れてお逃げください」 京太郎「え……え?」 0~50 衣を連れて長野市へ 51~99 龍門渕の追手 144 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 19 56 58.43 ID sX0iXa0GO [1/25] 京太郎「うーん」 衣「……」 衣「恐らく衣を嫌う人間だろう」 京太郎「……」 衣「産まれてはいけないって……」 京太郎「……」 京太郎「産まれちゃいけない人間なんて居ない」 衣「……」 京太郎「だろ?」 衣「うん」 0~60 県外へ 61~99 龍門渕の追手 147 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 20 16 30.95 ID sX0iXa0GO [2/25] 追手「居たぞ!!」 京太郎「っ!」 京太郎「衣……掴まってろよ!」 衣「うむ!」ガシッ 京太郎「くそっ……!」ダダダ 0~50 逃げって県外へ 51~99 追手増える 149 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 20 21 15.06 ID sX0iXa0GO [3/25] 京太郎「……!」 衣「京太郎……?」 京太郎「どうするか」 衣「衣を置いて……」 京太郎「嫌だ!」 衣「京太郎……」 京太郎「行くぞ……」 0~40 逃げ切って他県へ 41~99 ガシッ 163 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 01 38.74 ID sX0iXa0GO [6/25] 煌「おや、こんな所でどうしましたか?」 京太郎「ちょっと泊まるところを探してて……」 煌「なら、私の家へどうぞ」 衣「いいのか!?」 煌「ええ、勿論です」ニコッ 京太郎「ありがとうございます!」 0~60 長野へ 61~99 追手 165 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 04 47.91 ID sX0iXa0GO [7/25] 京太郎「煌さんには助けられたな」 衣「うむ」 京太郎「よし、長野に戻るぞ」 衣「私もお祖父様と話をしたかった所だ」 京太郎「よし、行くか」 0~70 龍門渕へ 71~99 追手 167 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 13 49.99 ID sX0iXa0GO [8/25] 「ほお……わざわざ厄子を連れて来たか」 「この家に居るだけならいいが……」 「何度も男に外へ連れ出されたらたまらん」 「つがいは必要ない」 「さぁ、渡せ」 京太郎「へっ……やだね」 ハギヨシ「……」 京太郎「衣は俺と生きる。ならその呪いやら全部を俺にかけてもいいぜ?」 「馬鹿か……一人で押さえ切れるものでは」 ハギヨシ「いえ、彼に賭けましょう」 「萩原……!」 京太郎「ハギヨシさん……!」 衣「どうしてだ京太郎……どうして私の為にそこまで」 京太郎「龍門渕の汚れ……全部俺が背負うって決めたからな」 京太郎「お前の為に」 168 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 15 11.94 ID sX0iXa0GO [9/25] 0~70 ハッピーエンド 71~99 駄目 安価下9 多数決 181 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 25 02.42 ID sX0iXa0GO [11/25] 一編 エピローグ 真の愛 ハギヨシ「ゴフッ……役目は果たせました」 ハギヨシ「衣様も……一も……良かった」 ハギヨシの手から落ちる写真。 一と若き日のハギヨシが写っていた。 一「え……お父さん?」 一「お父さん……だったの?」ポロポロ ハギヨシ「一……」 ハギヨシ「今まで言い出せなくてすまない」 ハギヨシ「京太郎君に迷惑をかけないで……」 京太郎「ハギヨシさん……」 ハギヨシ「京太郎君……娘をお願いします」 ハギヨシ「今度のあなたは……誰よりも長く……娘と過ごすことになるのだから……」 183 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/07/06(日) 21 27 03.79 ID sX0iXa0GO [12/25] 数年後 一「お父さん……死んじゃった」 京太郎「……」ギュッ 京太郎「これからはずっと一緒だ」 一「うん……よろしくね」 一「あなた」 京太郎「おう」 これからは、俺が護る。 ずっとずっとーー カンッ 184 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 28 23.45 ID sX0iXa0GO [13/25] HAPPYENDING 185 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 29 51.73 ID sX0iXa0GO [14/25] ーーepilogue その身が朽ち果てようとも 187 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 45 58.85 ID sX0iXa0GO [15/25] 京太郎「……」 衣「なんとも無いな」 衣「やはり天は衣に味方していたみたいだ」 京太郎「そうだな」 衣「天晴れ!」 ハギヨシ「……」ニコッ 京太郎「あ、ハギヨシさん」 ハギヨシ「私はお暇を頂ました」 ハギヨシ「それでは」 衣「行ってしまうのか?」 ハギヨシ「ええ、絶対に止めないでください」 衣「並々ならぬ覚悟を感じる……分かった」 京太郎「ハギヨシさん……ありがとう」 ハギヨシ「……」ニコッ 188 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 50 06.11 ID sX0iXa0GO [16/25] 季節は冬。 ハギヨシ「京太郎君……もう手は貸せそうにありません」 雪が降り積もる長野。 ハギヨシ「娘と仕える家と衣様……」 ハギヨシ「私が呪いを受けた事で守る事が出来て良かった……」 当てもなく歩く。 その足取りは不確かで、今にも崩れ落ちそうであった。 ハギヨシ「ああーー」 走馬灯のように映る衣と一と京太郎の笑顔。 娘を見守って行きたかったがーー ハギヨシ「悔いは無い」 ドサッ 安らかな笑顔で男は役目を終えた。 カンッ 195 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 08 58.02 ID sX0iXa0GO [20/25] 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 次に行く高校は? 0~30 白糸台 31~60 臨海 61~99 清澄 安価下8 多数決 206 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 16 03.32 ID sX0iXa0GO [21/25] 臨海と清澄で決勝安価 0~50 臨海 51~99 清澄 安価下5 多数決 213 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 22 26.55 ID sX0iXa0GO [22/25] 咲さんといかに遭遇しないようにするか、ですね 判定 安価下3 智葉 安価下5 ハオ 安価下7 明華 安価下9 ダヴァン 安価下11 ネリー 226 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 38 32.47 ID sX0iXa0GO [23/25] それでは最後のルート始まります 智葉 61 ハオ 89 明華 47 ダヴァン 72 ネリー 38 --- 特別プロローグ ーー逃げろ。 逃げて、逃げて、逃げてきた。 だが…… それも通用しない。 どうしたらいい? どうしたら最愛の人をーー どうしたらあいつからーー 救えるのだろう。 京太郎「うわっ!」ガバッ チュンチュン 驚く程に朝。 京太郎「やべっ!臨海の入学式だ!」 ドタドタ 母「もうっ……」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 228 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 43 34.38 ID sX0iXa0GO [24/25] ハオ「おはようございます」 京太郎「あ、ハオさん」 ハオ「行こう、学校」 京太郎「はい!」 ハオ 高感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 230 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 48 36.16 ID sX0iXa0GO [25/25] ハオ 109 ハオ「体験入部してくれたけど……」 ハオ「入部してくれるの?」 京太郎「はい!勿論です!」 ハオ「なら良かった」クスッ 京太郎「へへっ」デレデレ --- 放課後 京太郎「よし……」 京太郎「たのもー!」 ガララッ 智葉「お、来てくれたな。期待している」 京太郎「はい!」 智葉「まずはレギュラーの紹介からだな」 京太郎「よろしくお願いします!」 智葉 好感度上昇 0~30 小 31~60 中 61~99 大 235 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 09 00 55.66 ID EtKiL+vnO 智葉71 明華「あら、本当に入部を」 京太郎「はい!頑張ります!」 明華「入部してくれるのは嬉しいけど……」 明華「この部活……」 京太郎「いえ!大丈夫です!競争を勝ち抜いてみせます!」 明華「男子一人も居ませんよ?」 明華「京太郎君を除いて」 京太郎「えっ……?」 明華 好感度上昇 0~30 小 31~60 中 61~99 大 237 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 12 45 23.19 ID 4xdCKSKWO [1/2] 明華 77 ダヴァン「ハハハ!」 ダヴァン「ダイジョウブですよ!」 ダヴァン「きっとさらに部員はやって来マス!」 京太郎「……」 京太郎「智葉さん……」 智葉「……」ビクッ 京太郎「まだ……様子見で」 智葉「ま、まぁ……それでも大丈夫だ」 ダヴァン「頑張れば大丈夫でスヨ!」 京太郎「何を頑張れって言うんだ」 ダヴァン 好感度上昇 0~30 小 31~60 中 61~99 大 239 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 12 56 55.64 ID 4xdCKSKWO [2/2] ダヴァン 92 ネリー「あーあの時の」 京太郎「ようっ!」 ネリー「むー本当に入るんだー」 京太郎「それに関しては考慮させていただきます」 ネリー「あ、知ってるんだ」 京太郎「どうしてあの時教えてくれなかった……」 ネリー「私も知ったのは今日だよ……」 京太郎「」 ネリー 好感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 242 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 17 53 35.48 ID GqxPqtFdO ネリー 88 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 247 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 00 22 16.33 ID TR42E7l1O [1/7] 京太郎「街をうろうろするかな」 --- 京太郎「おお、流石大都会」 アスファルト照らす歩道の上、何処に行こうか悩む。 京太郎「ん?」 ふと後ろを見るとーー 0~50 照 51~99 照以外の東京在住であろう好きなキャラを 256 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 00 53 08.20 ID TR42E7l1O [3/7] 尭深「……」ペラッ 京太郎「……」 本を読みながら歩いている端正な顔立ちをした白糸台の制服を着た女性。 足取りがおぼつかなく、正直かなり危なっかしい。 チリンチリンッ 京太郎「危ないっ!」 グイッ キキキィー 京太郎「危なかった……」 尭深「ありがとう……」 腕を引っ張って自分の元へ引き寄せ、難なく助ける事が出来た。 無事で何よりだ。 尭深 好感度判定 安価下 260 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 01 13 45.89 ID TR42E7l1O [5/7] 尭深 87 ネリー 88 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 294 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 03 27.76 ID m3tOFKXXO [7/18] 照「ん……どうしたの?」 京太郎「出るの早いですね」 照「なんとなく予想できた」 京太郎「それは良かった……」 どんな話題を振る? 自由安価 安価下3 298 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 19 47.55 ID m3tOFKXXO [8/18] 京太郎「今から会えませんか?」 照「……」 果たしてそれは許されるのか。 またーーあの時と同じ事を繰り返してしまうのか。 3回目は懲り懲り。 きっと今回も私は一人で生きて行くのだろう。 それで、皆幸せ…… 全て思い出した。 過去の自分はとても滑稽と言う事だけが理解できた。 照「それなのに……どうしてやり直すのかな……私」ボソッ 京太郎「照さん?」 照「ごめんね……家遠いし夜も遅いから」 京太郎「あ、分かりました。おやすみなさい」 照「うん、おやすみ」 プツッ 照「……馬鹿だ」プルプル 299 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 20 20.31 ID m3tOFKXXO [9/18] 夜 京太郎の部屋 京太郎「よーっし電話するか」 安価下5 前週キャラあり 自由安価 305 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 25 05.67 ID m3tOFKXXO [10/18] prrrr 照「……」 prrrrr 照「京太郎……」 prrr 照「ごめんね……」 照「私はそこまで強くない」 照「うん……」 一日が終わりました 307 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 26 03.00 ID m3tOFKXXO [11/18] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 311 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 33 16.48 ID m3tOFKXXO [12/18] どんだけてるてる愛されてるんじゃあ…… 京太郎「照さんに会いに行くぞ……!」 京太郎「よし決めた!」 京太郎「咲の事とか聞きたいんだよ!」 京太郎「……あいつ泣いてた」ボソッ 0~50 白糸台到着 あわあわと会う 51~99 白糸台到着 あわあわとてるてる以外の白糸台生徒と会う 316 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 22 23 55.24 ID m3tOFKXXO [13/18] 京太郎「!」ピキーンッ 頭が……熱い! 頭が熱い…… --- 京太郎「照……出来ることなら……お前とこれからもずっと……」 ポタッ 照「うん……分かった。叶える」 京太郎「ありがとうーー」ガクッ ポタッ --- 京太郎「ああーー綺麗だ」 京太郎「ーー綺麗だよ」 照「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 --- 京太郎「はぁ……はぁ……!」 京太郎「あ……」 / .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . / . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚ . ' . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . / . . . . . / . . . . . i . ,| i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . .′ . . . /i . . . . ,|ノ | ト、 . i . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ / . . . . . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . .. ' . . | . . . . . ' | . . . / | | | ヽ . . ト、_ . . . . i . . . . . . . . . ゚ ./ . . . . . . | . . . . . . . . . . . . . . ' . . | . . . . ' | . . . | | |_」 -| . .Τ 丶 i | . . . . . . . . ハ / . . . . . /| . . . . . . . . . . . . . ' . . . | . . . . ' | . . . | |/| ,′ | . ./ Ⅵ | . . . . i . . . ./∧ ./ . . . . 'フ . | . . . . . . . . . . . . i. . . . | . . . . ' | . . . .i '| |' . . 」ィ芹丐 Ⅵ| . . ∧ . // . .i / . . . '´ / . ∧ . . . . . . . . . . . . |. . . ∧ .;. ′ | . . / |' . .x豕刋 芍⌒マⅥ . ∧ V .'i . . | ./ . . '´ ' . . / ∧ . . . . . . . . . /|. . . ' V ;| | . / . . . ,狄i[_ o -i| . . }! | / i i . | . ′ / . '´ .i . /i/ ∧ . . . . . . . / | . . . .' ∨| | / . . . . . .汽,. 、汐 . . リ .|イ / / . . | . ′./'´ .| . / .| / ∧ . . . . . . i′ | . . .;' V| |' . . . . . . . .`¨¨´ ' ' / |_/ / . . . |/ .| / | ./ ∧ .. . . . . | | . / ゙| . . . , '´ .| / . ∧| .|' .| / ./ .∧ . . . . | | / . .; ´ |イ . . ./ .| .| | / . / ∧ . . . . Ⅳ |' -‐--- '´ ' /i/ .| / . / /i . \ . . .| iム / 、 イ /| .| . ./ / .| . . . .\ .从_ムー---‐ ´ .イ '! / .| / ./ .| . . . . 厂 ´ト、. ヽ _.. / / |′ .|' ./ | . . . ∧ . /| . `¨¨へ '´ ./ iル′ .|/' | / ∨ !、 . / |>o。_ / .!-ー-- .._ {. | ./ ∨{. Y/ | . . . ./i . ¨7 T¨¨¨¨¨¨´ ^ー 、 ` ̄--- 1.てる編第二章エピローグ 2.本編続行 安価下7 324 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 11 51.27 ID m3tOFKXXO [14/18] 健夜「……邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔」ブツブツ 咲「えっと……健夜さん?」 健夜「何……?」ジロッ 咲「協力……しましょうか?」 健夜「……?」 咲「……」ニコッ 326 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 20 13.30 ID m3tOFKXXO [15/18] 京太郎「照っ!」 照「京太郎……」 全国大会の会場、二人は再び再開を果たした。 京太郎「元気か!?」 照「うん……」 京太郎「久しぶりにデートしないか?」 照「それがいい、私もそのつもりだった」 京太郎「よしっ!行くぜ!」 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . `丶 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . / . . . . . . . . . ,イ } . . . . . . . . . . . . . . . . ′ i . . ./| . . ./{ハ ./ | . /\ . ./ハ . . | . . . . .i i . . . . | . / l . ./ ∨ レ' ∨ }Ⅵ . . . . .| | . |. . . .Ⅳ V | . . . . .| | . |. . . .| ___,. 、____ | . . . . .| | . |. . . .| ´ ` | . . . . .| | . |. . . .| ,斗ぅ芋ミ 斗ぅ芋ミ | . . . . .| | . |. . . .| {. 乂辷ソ 乂辷ソ .} | . . . . .| | . |. . . .|ハ ハ| . . . . .| | . |. . . .lヽ{ ' }ノ| . . . . .| | . |. . . .| .人 __ 人 | . . .| | | . |. . . .l | . | ...  ̄ ̄ イ l . | . . .| | |八 . . .ト、| . | . .r‐}` ー--‐ {‐ァ | .| | . . .| | \l _ |-‐'{厂 ア}ー- . _ | . 八| _ ,. < | | ノ/=ー-、 〈 | | 〉 ∧ ヽ / ∧ 健夜「……」 327 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 23 31.35 ID m3tOFKXXO [16/18] 京太郎「楽しいか?」 照「うん。とっても楽しいよ」 京太郎「それは良かった!」 久しぶりの再会。 出会い。 奇跡的な運命。 もう邪魔する人間は居ない……そう思っていたのに…… サクッ 京太郎「えーー?」 照「あ……」ゴフッ 京太郎「ちょっ……」 330 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 28 57.08 ID m3tOFKXXO [17/18] ドサッ 照「あ……あ……」 健夜「いい所に刺しちゃった」 醜く口角が上がる。 健夜「これで京太郎君は私の物だね」ニヤリッ 照「あっ……あっ」ピクピク 照「京太郎……京太郎……」ポロポロ 咲「久しぶりだね」スッ 照「咲……あぁそうか」 照「思い出したーー」 ガクッ 京太郎「咲……小鍛冶健夜……!」ギリギリ 京太郎「うわぁぁぁぁ!!!」ダッ その後どうなったのかは覚えたいない。 ただ確実に俺は人として死んだ。 それだけしか分からない。 332 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 31 13.21 ID m3tOFKXXO [18/18] 本編再会 京太郎「あ……」フラッ ドサッ 淡「んー?」 淡「どうしてこんな所に人が?」 淡「テルー!テルー!」 淡「人が倒れてるよー!」 照「……!」 照「京……太郎」 淡「え?ねぇねぇ?知り合い?」 333 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 11 27.71 ID Lb8sBZhrO [1/13] 京太郎「ん……ここは」 病院? 京太郎「はぁ……倒れちまったか」 照「良かった……怪我は無い?」ウルウル 京太郎「照……」 照「っ!」 照「思い……出した?」 京太郎「おう、バッチリ」 照「ーー」 0~50 「そう……帰るね」 51~99 「本当……?」 336 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 24 48.02 ID Lb8sBZhrO [2/13] 照「本当……」 京太郎「ああ」 照「もし本当なら私と関わらない方が良い」 京太郎「どうしてさ」 照「本当に分かってる?」 京太郎「健夜さんと咲に襲われるかもなぁ」 照「っ!」 京太郎「でもな……俺はお前が好きなんだ」 照「……」 照「帰る……またね」ガチャッ 京太郎「照……」 337 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 25 38.15 ID Lb8sBZhrO [3/13] 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 342 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 33 34.84 ID Lb8sBZhrO [4/13] 京太郎「メールしようかな」 自由安価 前週キャラあり 安価下4 347 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 36 58.57 ID Lb8sBZhrO [5/13] 京太郎「……」 --- 次こそはうまくやりたい。 考えさせて。 どうしてさ。 とても難しいから --- 京太郎「難しいか……」 京太郎「助けたい……」 京太郎「今度こそ……」 348 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 37 38.26 ID Lb8sBZhrO [6/13] 夜 京太郎の部屋 京太郎「ん?電話……」 安価下5 前週キャラなし 自由安価 355 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/07/09(水) 01 29 04.21 ID Lb8sBZhrO [7/13] 京太郎「もしもし」 照「もしもし」 京太郎「照、どうした?」 照「もう……別れよう?」 京太郎「そっか……そうだよな」 照「きっとまた、苦しい思いをする」 苦しい思いをするのは自分だけで十分…… きっとそう、これからも。 京太郎にはもう辛い思いをさせたくはないのだ。 全国大会になったら私は殺されるかもしれない……だけど。 一人で死ぬ事に意味がある。 京太郎「なにかあったら電話しろよ……」 照「うん。またね」 プツッ 京太郎「照……」 一日が終わりました 356 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 01 31 18.60 ID Lb8sBZhrO [8/13] これからは登場人物選択に照を選ぶ事が全国大会の日まで出来ません(すぐ全国大会になります) それまで周りのキャラの好感度をあげるなり人脈を広めるなりしましょう。 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 363 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 01 48 44.64 ID Lb8sBZhrO [9/13] 361 Yes 京太郎「よし、学校行くか!」 京太郎「照なんか忘れて……!」 京太郎「照なんか……」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 366 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 02 06.95 ID Lb8sBZhrO [10/13] 明華「こんにちは」ニコッ 明華「昨日はおやすみしていましたけど……大丈夫ですか?」 京太郎「あ、勿論大丈夫ですよ!」 京太郎「大丈夫……」 明華「明らかに落ち込んでいらっしゃいますね……」 京太郎「うぅ……」 明華「……」サワッ 彼女の手が俺の頬に触れる。 明華「今度……一緒に唄いませんか?」 京太郎「唄ったら気分が晴れるから……とか?」 明華「Oui!」 好感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 368 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 14 41.00 ID Lb8sBZhrO [11/13] 明華 107 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 372 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 46 25.72 ID Lb8sBZhrO [12/13] 京太郎「ちょっと……時間潰すか」 智葉「ん?」 智葉「どうした」 京太郎「すこし暇潰しを」 智葉「そうか……」 智葉は思案する。 二度三度京太郎を見てから思い立った事を口にする。 智葉「なぁ……麻雀部は嫌か?」 京太郎「いえ……これからもよろしくお願いします」 智葉「という事は……!」 京太郎「はい、正式に入部します」 智葉「それは嬉しい限りだ」 レギュラー全員の希望が叶った。 京太郎「……メガネ外してると可愛いですね」 智葉「……っ!」カァァァ 威力の強い不意打ち、だったそうな。 0~30 小 31~60 中 61~99 大 375 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 50 44.25 ID Lb8sBZhrO [13/13] ゾロ目ボーナス!! 智葉 121 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 382 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 09 38 33.03 ID j/BmDiVYO 自分の行動が知られるようになりました。 京太郎「よーし、TwitterとFacebookに登録だ!」 --- 京太郎「よし……登録出来たっと」 ピロロン 京太郎「ん?」 京太郎「……メッセージだ、誰だろう?」 安価下3 自由安価 健夜と咲と照以外 ここでの接触は強制前週キャラはありません 386 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 10 46 56.56 ID 1JHCYstNO [1/2] ビッグスター あなた、うちの学校の前で倒れてたよね きょーたろー え?なんで知ってるんですか? ビッグスター だって私が第一発見者でテルーに報告したんだから きょーたろー ありがとうございます ビッグスター じゃあ今度お菓子でもおごってよ きょーたろー お安い御用です! ビッグスター じゃあ今度私の学校来てねー ビッグスター 顔は私が覚えてるからだいじょーぶ! 京太郎「照さんの事……知ってるし悪い人ではないだろう……多分」 387 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 10 47 42.08 ID 1JHCYstNO [2/2] 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 394 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 12 05 46.22 ID Lx3yXQmKO [1/3] ヤンデレにならなきゃあ良いんですよ!ヤンデレにならなきゃあ! 京太郎「雀荘行くか」 0~20 すこやん 21~40 うたたん 41~60 のよりん 61~80 はやりん 81~99 かいのん 396 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 12 29 38.32 ID Lx3yXQmKO [2/3] 良子「さぁ……打ちますか」 京太郎「あなた……プロの」 一度会った事あったな。 良子「ふむ……酷い物が憑いてますね」 京太郎「へぇ……」 良子「これは怖い怖い」 良子「祓ってあげましょうか?」ニコッ 京太郎「……」 良子「……」 良子 好感度判定 安価下 405 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 23 46 37.21 ID T3vhuWAfO 良子 好感度max 依存度max 顔が酷く歪んでいた……気がする。 良子「そうだ。私の家に行きましょう」 良子「私の家なら“道具”も揃っている。きっと祓えますよ」ニコニコ 京太郎「“戒能”プロの家かぁ……」 きっと高級マンションの最上階とかなんだろうなぁ…… 良子「……」ピクッ 良子「善は急げですよ?」 良子「今こうしている間にも……」 真剣な眼差しで見つめる。手をしっかりと握って…… 0~90 「分かりました。お願いします」 91~99 (あれ……俺の知っている戒能プロと口調が違う?) 410 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 38 16.18 ID cayVmblrO [1/18] ??? 依存度2/10 エピローグ キュルキュル 京太郎「ここが戒能さんの家かぁ……」 高層マンションの最上階。 窓ガラスは綺麗な夜景、笑顔の京太郎と……良子を映していた。 良子「いつもこの景色は独り占めしてきましたが……」 キュルキュル 良子「さ、早く祓いますよ」 京太郎「お願いします」 良子「目……瞑ってください。」 京太郎「はい」 シュルシュル キュッ 良子「はい」 京太郎「目隠し……ですか?」 良子「はい、簡易的な物ですが」 良子「……」ブツブツ 京太郎「……」 良子はお経のような……独特な言葉を小さな声で読んでいく。 そしてーー 411 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 38 44.15 ID cayVmblrO [2/18] キュルキュル 照「京太郎……」 キュルキュル 412 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 42 21.59 ID cayVmblrO [3/18] 京太郎「照っ!!」 照「大好きだよ……」 京太郎「照っ!」ダキッ ギュウウウウ 照「あ……激しい」 キュルキュル 照「来て……私……初めてだよ」 キュルキュル ドロォッ 京太郎「っ!」 京太郎「照っ!」 視界が歪む、照が崩れる、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もーー 照「イエス……グッドですね」 414 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 45 52.05 ID cayVmblrO [4/18] 京太郎「うわぁぁぁっ!」 良子「大丈夫……ですか?」 キュルキュル 良子「ひどいドリームにうなされていましたが」 京太郎「俺……戒能プロにお祓いしてもらって」 良子「お祓いは成功……ですよ?」 京太郎「ああ、それなら良かった」 良子「……」ニコッ 京太郎「照」 良子「そうですよ、京太郎」 カンッ 417 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 47 49.54 ID cayVmblrO [5/18] 淡とのFacebookTwitter安価は記録されています。 朝から再開 キュルキュル 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 421 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 52 16.58 ID cayVmblrO [6/18] 京太郎「よし、学校行くか」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 423 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 09 05.48 ID cayVmblrO [7/18] ハオ「おはようございます」 京太郎「おはようございます」 ハオ「麻雀、上手になりましたね」 京太郎「そうですか?」 ハオ「ええ、とっても」 京太郎「へへっ……ハオさんに言ってもらえると嬉しいなぁ」 ハオ「私はまだ全然ですよ」 ハオ「そうだ」 鞄を後ろ手に持って踵を返し京太郎に視線を向ける。 ハオ「下手な者同士、今度二人で勉強しましょう♪」 京太郎「はい!勿論です!」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 425 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 10 48.36 ID cayVmblrO [8/18] ハオ 139 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 429 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 18 05.62 ID cayVmblrO [9/18] 京太郎「失礼しまーっす」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 431 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 22 50.23 ID cayVmblrO [10/18] ダヴァン「oh!ブラザー!」hahaha 京太郎「ダヴァンさん!」 ダヴァン「教えますネー!」 京太郎「はい!お願いします!」 ダヴァン「……」ニコッ 0~30 小 31~60 中 61~99 大 434 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 25 50.55 ID cayVmblrO [11/18] ダヴァン 102 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 439 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 32 46.65 ID cayVmblrO [12/18] 京太郎「メールしようかな」 自由安価 前週キャラあり 安価下4 447 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 45 30.97 ID cayVmblrO [14/18] あれー?私のアドレス知ってた? まあな いつ教えたっけ? 内緒だ ふーん 今度白糸台に行っていいか? すぐに全国大会だよ? わすれてたぜ また……テルーに会えるよ、うん 448 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 46 22.53 ID cayVmblrO [15/18] 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 453 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 02 01 30.21 ID cayVmblrO [16/18] 京太郎「街をウロウロするか」 0~50 あらふぉー 51~99 お好きなプロ 456 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 02 07 28.94 ID cayVmblrO [17/18] 健夜「ああ……」 京太郎「っっ!」ビクッ 健夜「お久しぶりだね、京太郎君」ニコォ 京太郎「お久しぶりですね健夜さん」ギリッ 健夜「うん、大丈夫、怖くないよ」 京太郎「そんな野良猫を呼ぶような事しなくても大丈夫ですよ」 健夜「はぁ……私の物になって欲しいのに」 京太郎「最初はこんな人じゃなかったのに……」 健夜「君の所為だよ、全部」 京太郎「……今日は見逃しもらえますか?」 健夜「……うん」 457 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 02 08 30.52 ID cayVmblrO [18/18] 夜 京太郎の部屋 prrr 京太郎「ん?電話か」 安価下2 自由安価 前週キャラ無し 461 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 17 33 49.32 ID 8Fle5fhXO [1/2] 117 明華「あ、もしもし」 京太郎「はい」 明華「一緒に唄うにしてもどこにしますか?」 京太郎「あー」 そうだったな、そんな約束していたな。 京太郎「カラオケとか?」 明華「?」 京太郎「分からないですか?」 明華「カラオケ……」 明華「楽しみにしてますねっ!」 プツッ 京太郎「うーむ……嫌な予感が……」 一日が終わりました 462 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 17 34 23.93 ID 8Fle5fhXO [2/2] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 466 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 00 19 16.97 ID mSAh+wpHO [1/3] 京太郎「よし、学校行くか」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 468 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 00 37 39.82 ID Ht2BuppNO [1/4] ネリー「おはよ」 京太郎「おう、おはよう」 ネリー「最近元気ないよ?」 京太郎「そう見えちゃう?」 ネリー「うん、ネリー的にもそう見えちゃう」 ネリー「皆心配してるよ」 京太郎「そうか……ありがとな」 ネリー「べ、別に……たまたまなんだからね」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 470 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 00 41 12.08 ID Ht2BuppNO [2/4] ネリー 98 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 474 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 01 25 39.54 ID Ht2BuppNO [3/4] 京太郎「……ゴミ拾いするか」 健全な行いをしてこそ健全な人間になれるってもんだ。 --- 京太郎「お、ここにも」ヒョイッ 智葉「感心だな」 京太郎「あ、智葉さん」 智葉「どうだ?ゴミ拾いの方は」 京太郎「中々集まりましたよ、ほら」 智葉「……」 ゴミ袋と俺を一瞥する。 智葉「よくやったじゃないか」 智葉「よし……これから麻雀を教えてやろうじゃあないか」 京太郎「お手柔らかにお願いします」アハハ 0~30 小 31~60 中 61~99 大 476 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 01 28 48.87 ID Ht2BuppNO [4/4] 智葉「……」ジュルリ --- 智葉 151 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下2 480 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 15 59 23.68 ID mSAh+wpHO [2/3] 京太郎「街をうろうろするか」 0~50 良子 51~99 お好きなプロ 482 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 16 09 08.65 ID mSAh+wpHO [3/3] 咏「おっ君は……須賀京太郎……君だったかな?」 京太郎「三尋木咏プロがどうして俺の名前を?」 --- ファミレス 咏「とある人から君の事をよくきいてたんだよ、しらねーけど」 京太郎「あ、そうだったんですか」 咏「で、見かけたらすぐ連絡を寄越せって」 京太郎「……!」ジリッ 咏「まぁ面倒だしそんな事しないよ、わっかんねーけど」 京太郎「……」ホッ うたたん 好感度判定 安価下 487 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 00 16 14.59 ID MtPd7yv3O [1/11] うたたん 72 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 497 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 00 48 58.79 ID MtPd7yv3O [4/11] 京太郎「こんな人……居たっけ?」 --- あのー へえ え?誰ですか? ううん、気にしないで ? 大丈夫 よく意味が分からないんですけど…… よろしくね --- 穏乃好感度上昇安価 安価下 0~30 31~60 61~99
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こちらは、同じくアニキャラ個別内にある「京太郎×咲スレ」に投下されたSSなどを共有・保管させて頂いているページです→【咲-Saki-】京太郎×咲スレ7【ほっぺつんつん】 1-2スレ目 3スレ目 4-5スレ目 6スレ目 7スレ目 これ以降のSSは下のリンク参照 つ咲-Saki- 京太郎SSまとめ test -- (管理人) 2009-12-01 16 36 48 編集完了。リンク切れなどありましたら教えてください -- (管理人) 2009-12-02 17 36 31 いつもありがとうございます -- (名無し) 2009-12-02 19 26 42 「京×咲+良い嫁さんさなァのヤツ」 は誤字? -- (名無しさん) 2009-12-04 06 20 25 ごめんなさい。修正しときました -- (管理人) 2009-12-04 23 14 12 「大将戦」 みたいな本編再構成モノが見たいといってみるテスト -- (名無し) 2009-12-21 20 55 26 管理人いないの?もう3つぐらいSSたまってるけど -- (名無しさん) 2009-12-22 12 24 59 遅くなってすみません。最近多忙なため、ついつい後回しにしてしまいました。ちなみにこのページは誰でも編集できるので、私が更新遅れてる時はどなたか代わりに編集していただけると助かります -- (管理人) 2009-12-26 00 32 45 京咲さいこう -- (名無しさん) 2012-09-23 19 21 03 名前 コメント すべてのコメントを見る #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (京太郎×咲スレ共有SS)
https://w.atwiki.jp/sakideeroparohokanko/pages/62.html
甘い衣1/3 京太郎×衣 衣の人 第2局 146~ 175 甘い衣2/3 「さて、どうすっか」 駅に降り立ってそう呟いたのは須賀京太郎、清澄高校唯一の男子部員だ。 土曜日、授業も無くそれでも本来ならば麻雀部の活動があるのだが、今日は武井久が生徒会の用事があり、染谷まこも実家の手伝いがあるので、部活は休みになった。 「う~~ん、最近麻雀部に入りびたりだったからな」 一日寝て過ごす、というのも考えたが母親に無理やり起こされ、家にいるのもなんなので、最寄りの駅から数駅の少しは遊ぶ場所のある所に来たのだが、それ以上はなんの計画も無く、途方にくれていた。 「・・・・」 駅前でぽつりぽつりと見えるは、仲良さそうに歩くカップルの姿。 「くっそ~~~俺も恋人が居りゃあなあ」 京太郎の脳裏に同じ部活の原村和の姿が浮かんだ。 「京太郎さ~ん」 たわわな胸を揺らしながら、待ち合わせの場所に走ってくる和。 「はぁ、はぁ、すみません、お待たせしてしまって」 切らせていた息を整える間も、魅力的な胸が揺れていた。 「いや、俺も今来たところだから」 実は一時間近く待っていたが、そんなことは大して気にならない。 「良かった・・・それじゃあ行きましょうか」 安堵の息を漏らした和は少し考えてから、京太郎の腕で自分の腕を絡めてくる、むにゅと柔らかくでも少し弾力のある和の胸が肘に当たり、京太郎に至福の瞬間に包まれる。 「あの・・・だめでしたか?」 「いや、良い、全然良い!」 「よかった、それじゃあ行きましょうか」 「お、おう」 こうして二人のデートが始まる。 「でへでへ・・・・はぁぁぁ」 妄想を膨らませていた京太郎だが、現実との差を肌で感じると虚しくなり大きなため息をつく。 いつものならこの辺りで、片岡優希が絡んでくるが今日は一人なのでそれもない、それがさらに虚しくなる。 「止めだ止め、ゲーセンにでも行くか」 虚しくなって落ち込んだ気分を変えるために、京太郎は近くにあるゲームセンターに移動するのだった。 「うん?」 ゲームセンターについて店内に入ろうとした京太郎だったが、入り口にある物に目が止まり足を止めた。 「これって、あれだよな・・和が持っていた確かエドペンだっけ?」 そこにあったのは、和が大局中に抱いていたペンギンのぬいぐるみの巨大なバージョン、1メートル少しあろうかというほどの物がケースに入っており、 どうやらその隣にあるUFOキャッチャーで巨大ペンギンと書かれた紙が入ったカプセルを取ると、この巨大なエドペンがもらえるようだ。 「これをやったら和も俺のことを・・・・無いか」 これをプレゼントしても付き合えるとは思えないし、それにこのサイズでは下手をすれば迷惑がられる可能性も。 「まあ、話題程度にはなるかも知れないな」 そう思い京太郎は携帯のカメラでその巨大エドペンを撮影する・・・と。 「うん?」 撮影した瞬間に、何か赤い布がカメラの下の方を横切った。 何かと思いその布の下を見ると、そこに居たのは長いうさぎの耳のようなカチューシャをした、一見すれば人形と見紛うばかりの美少女、そしてその少女に京太郎は見覚えが有る、というか前に会っていたので、思わず少女の名前を口にした。 「天江衣?」 「うん?」 自分の名前を呼ばれた衣は、振り返って自分の名前を呼んだと思しき京太郎をじっと見つめる。 「おっ、あっ、えっ~と・・・」 呼びかけたつもりも無く、思わず出た言葉に反応をされて少し焦る京太郎。 「衣は確かに天江衣だが、お前は誰だ?」 怪しんでいる感じではない、衣はただ不思議そうに首を捻っているだけ。 (まあ当然か、いきなり自分の名前を知らない奴に呼ばれたら、そんな反応もするよな・・・) 「衣呼んだのは、お前ではないのか?」 「あっ、いや、俺だ」 このまま無視するのもなんなのと、呼んでしまったのは自分であると言う点から、京太郎は素直に答えた。 「お前、どこかで会ったか?」 まあ衣が覚えていないのは無理も無いだろう、なにせ京太郎が衣と会ったのは一度だけ、しかもその時に衣が話したのは、友達になった和と大将戦を戦った咲だけなのだから、名乗ってすらいない京太郎の事を覚えている方が奇跡に近い。 「覚えてはいないだろうけど、この前にプールで会っただろう、一応咲や・・お前と大将戦を戦った宮永咲と原村和と一緒に居たんだけど」 覚えているはずが無いと思いつつも、京太郎は一縷の望みを託し覚えている可能性の高い咲と和を交えて説明をする。 「プール・・・はらむらののか・・・おおっ!」 何かを思い出して声を上げる衣、よもやの事に京太郎も驚く。 「思い出したのか?」 「ああ、今思い出した、はらむらののかと、清澄の大将とあとちっこいのと、もう一人いたな、確かにお前だった気がするぞ」 「おお、凄いな」 「当然だ」 衣の記憶力に素直に感心する京太郎、褒められた衣は小さな胸を精一杯誇らしげに張る。 「それで名前は・・名前は・・・」 誇らしかったのもつかの間、また考え込んでしまう衣、しかしそれが思い出せるはずもない、なぜならば京太郎は名乗ってすらいないのだから。 「ああ、いい、良いんだ、それだけ思い出してくれれば良い、前には名乗れなかったが、清澄高校一年の須賀京太郎だ、咲達と同じく麻雀部な」 「すか・・きょたろう?」 「須賀だけど・・まあいいか、きょうたろうだ」 間違っているので訂正する京太郎だったが。 「きょたろう?」 「きょうたろう」 「きょたろう?」 言いにくそうな衣を見ながら、そういえば和もののかって言っていたなと思いつつ、一瞬諦めそうになる京太郎だが、なんとか訂正しようと間違えている部分だけを強調して。 「きょう・・・たろう」 「きょう・・・たろう?」 「そうだ、続けて」 「きょう・・たろう、きょう・たろう、きょうたろう・・京太郎!」 「おう、そうだ、京太郎」 根気よく続けて結果、ちゃんと京太郎の名前を言えた衣。 「京太郎、もう覚えたぞ、ふふ~ん!」 「そうだ、偉いぞ」 ちゃんと言えた事で自慢げに笑う衣を見て、京太郎は自分まで嬉しくなり、自然に衣の頭に手を伸ばしてごしごしと撫ぜる。 「うっ・・こら、頭を撫ぜるな、衣のほうが年上なんだぞ!」 「おっと、悪い悪いついな」 見た目だけなら、どう見ても・・だが、こう見えても衣は京太郎のひとつ上なのだ。 「ううっ、それで今日は原村ののかは居ないのか?」 「えっ、ああ、今日は俺一人なんだけど」 「そうか・・・いないのか・・・」 それを聞いた衣は非常に残念そうな表情で肩を落とした。 (まずいこといったか、けど居ないのは本当だし・・) なんとか話を逸らす方法を考える京太郎の視線に、先ほどの巨大エドペンが目に留まった。 「そ、そういえば、さっきこれ見ていたみたいだけど」 「うん・・・ああ、それか、原村ののかの持っていたペンギンに似ているなって思って」 どうやら衣また、これを見て和の事を思い出していたらしい。 (って、そんなこと聞いたら、余計に落ち込むんじゃ・・・) だが京太郎の予想とは違い、衣は黙ってじっと巨大エドペンを眺めていた・・・ただじっとそしてその視線から読み取れるのは。 「もしかして、これ欲しいのか?」 「えっ?」 まるで子供の様に(見た目的には十分に子供だが)物欲しげにエドペンを見る衣に、京太郎は思い切って尋ねてみた。 「いや、なんか欲しそうにしている気がしたからさ」 「渇望はする・・だが、これは衣では手が届かぬ存在だ」 「手が届かないって、そんなことは無いだろう、挑戦すれば」 「いや、獅子奮迅、何度挑戦しようとも、手に入れること叶わず」 京太郎にもようやく理解できた、衣は何度もUFOキャッチャーに挑戦してはみたが、この巨大エドペンを手に入れることはできなかったのだろう。 さきほど衣をがっかりさせてしまった京太郎、別に京太郎の責任ではないがなんとなく後ろめたく感じていたので、今の衣を見てある決意をした。 「よし、俺が取ってやる」 「取るとは・・・このペンギンを?」 「そうだ、でとったらお前にやるよ」 「ほ、本当か、本当に良いのか?」 京太郎の言葉が信じられないといった様子の衣、自身が何度も挑戦してあきらめかけていたので、すぐに信じるとはいかないようだ。 「任せとけ」 自信満々な様子の京太郎だが、別段UFOキャッチャーが得意という訳ではないが、何度かやって幾つか商品をゲットしたことはある。 確証はないものの、一度決めた以上は後には引けない状況が出来上がっていた。 五分後、クレーンが巨大ペンギンと書かれた紙の入った紙の書かれたカプセルをしっかりとつかみ、そのまま持ち上げる。 「おし、そのまま・・そのままいってくれ」 「おっ・・・おおっ」 京太郎の願い通り、ゆっくりとクレーンは出口に向かい・・・そして。 クレーンが開くとカコンと音がして、商品出口からカプセルが出てきた。 「よし、ああ、ちょっと!」 カプセルを取り出した京太郎は近くの店員を呼んで、それを見せる。 「おめでとうございます・・・・・こちらが商品になります」 店員はマニュアル通りの、あまり感情のこもっていない祝福の言葉を述べつつ、巨大エドペンの入ったケースを開ける。 「おお、おおおっ!」 ケース越しではない巨大エドペンに、歓喜の声上げる衣。 「それでこちらはどうしましょうか、袋にはお入れしますか?」 「はい、お願いします」 さすがにこれをこのままもって帰るのは困難だろうから、袋を頼む京太郎。 二分ほど経って、梱包された巨大エドペンを店員が持ってきた。 「こちらになります」 「どうも、ほら」 商品を受け取ると、京太郎はすぐに衣にそれを渡す。 「良いのか、本当に貰っても良いのか?」 貰えるとは聴いていたものの、本当にもらえるとわかると衣も少し戸惑いを覚える。 「その衣は今日お前の・・・京太郎の名前を知ったばかりだぞ」 (まあ俺の名前なんて知らないのは当然だろうし、とはいえ断られたとしてこれをもって帰るのか・・・) この大荷物をもって、電車に乗るところを想像する京太郎。 (嫌だ、それはなんか嫌だ、せめて女子が隣に居れば良いが、一人でこれをもって帰るのはすごく嫌だ) 知らない人達がひそひそと話すところが想像できてしまい、どうしてもそれを拒否したくなった京太郎、とはいえ衣も簡単に受け取ってくれそうにない・・・。 (おっ、そうだ) 窮地の京太郎にある名案が思い浮かんだ。 「天江は和の友達だろう、俺も和の友達・・みたいなものだから、俺と天江も友達てことで駄目かな?」 無茶苦茶な理論にも思えるが、あるいは・・・。 「友達・・京太郎は衣の友達になってくれるのか?」 友達という言葉に敏感に反応する衣。 「もちろん、天江が嫌でなければだけどな」 「い、嫌じゃない、京太郎は衣の友達だ!」 「おう、だから遠慮せずに、この巨大エドペンを受け取ってくれ」 友達になることを受け入れた衣に、京太郎は巨大エドペンの入った袋を渡す。 「わかった・・・・えへへへ」 凄く嬉しそうな笑いながら衣は巨大エドペンの入った袋を受け取る。 「喜んでくれ、よかった」 「感謝感激、ありがとう京太郎」 ドキン!。 感謝を述べながら凄く可愛らしい笑顔を見せる衣、その笑顔を見て京太郎の胸が高鳴る。 (あれ・・・これって、いや、まさか・・・そんな・・・な) 「うん、どうした京太郎?」 「あっ、いや、なんでもない・・・というか、それもって帰れるのか?」 衣とぬいぐるみの大きさを比べると、ほぼ同じサイズであることに今更ながら気がついた京太郎。 「当たり前で、この程度・・とと・・とと・・よっと・・・とと」 巨大エドペンをなんとか持ちあげたが、大きさと重さのためか衣の足はふらついて、見ていて分かりやほど危なっかしい。 「はぁ・・・仕方ないな、ほれ、家まで持っていてやるよ」 衣から巨大エドペンの入った袋を取り上げて、背中に担ぐ京太郎。 「良いのか?」 「良いって」 (さすがにこのまま帰るのも気が引けるし) このまま事故にでもあったら、目覚めが悪い等と言うレベルではすまなくなるだろう。 「何から何まで至れり尽くせりだ、ありがとう京太郎」 「良いって、で天江の家ってどっちなんだ?」 「衣だ」 「えっ?」 「衣は京太郎のことは京太郎と呼んでいる、だから京太郎も衣のことは衣と呼ぶがいい」 「でも、良いのか?」 知り合っていきなり一つ下の異性に、呼び捨てにされる事に抵抗はないのだろうか、などと柄にもない事を考えつつも一応尋ねる京太郎。 「京太郎は衣の友達だろう、だから許す」 (本人が良いといっているのだから、無下にするのもなんだし・・・) 「わかった、じゃあ衣の家まで案内してくれるか?」 「もちろん、こっちだ」 こうして京太郎は巨大エドペンを抱えつつ、衣の家に行くことになった。 「ここが、衣の部屋だ」 「へ、部屋って・・おい・・・これがか・・・?」 そこそこ大きな門(衣曰く裏門らしい)に広い庭、それだけでもかなり驚いていたが、案内された衣の部屋を見て京太郎はさらに驚愕した、 そこにあったのは部屋とは名ばかりの大きな建物、よくお城の様なとは表現されるが、衣が部屋と指差した建物は実際のお城だった。 「おかえりなさいませ衣様」 「うぉっ!?」 「ハギヨシか、今帰ったぞ」 突然出現した執事に声を上げて驚く京太郎、衣は慣れているのか至って普通に帰ってきたことを知らせる。 「大変失礼なのですか、あなた様は?」 (ああ、そりゃ怪しいよなこんな大荷物抱えていれば・・・) 「京太郎だ、衣の友達だぞ、この大きなぬいぐるみをプレゼントしてくれた上に運んでくれたんだ」 緊張している京太郎の代わりに、衣がハギヨシに京太郎のことを紹介する。 「清澄高校一年、麻雀部の須賀京太郎です、よろしくお願いします」 そこまで畏まる必要は無いのだろうが、なぜかじっとハギヨシに見られていると緊張してしまいそんな態度をとってしまう京太郎。 「そうですか、衣様のお友達で、それは大変失礼をいたしました」 ぺこりと丁寧に頭を下げるハギヨシ。 「いや、良いんです、俺はただこれを持ってきただけですから、すぐに帰りますんで」 「えっ・・・京太郎もう帰るのか?」 京太郎の帰るという言葉に、衣が落胆の表情を浮かべる・・・優秀な執事である、ハギヨシはそれを見逃さなかった。 「すみませんが、須賀様はこの後何かご予定がおありでしょうか?」 「い、いえ、何も」 「では是非お茶を飲んでいってはくださいませんか、衣様のお友達を、しかも荷物まで運んでいただいて、ただ帰したのでは龍門渕の名折れですので、どうかお願いします」 さすがにここまで頼み込まれたら、すぐさま帰るということは京太郎には出来なかった、それにこの後用事が無いの本当の事。 「わかりました、それじゃあお茶だけでも」 「ありがとうございます、それでは衣様、須賀様とご一緒にお茶の時間にされてはいかがでしょうか?」 「おおっ、京太郎に一緒におやつか、それは良い」 「それでは後で、お持ちいたしますのでお部屋でお待ちください」 「うん、頼む」 「では」 最後一言に断りを入れて、ハギヨシは何処かへと消えて行った。 「よくわからんが、凄いな龍門渕は」 「何をしている、こっちだ京太郎!」 「あっ、ああ」 扉を開けて手招きする衣、それに招かれるまま京太郎は龍門渕の別館の扉を潜った。 「はぁ~~~」 見かけに違わず、館内もまた大きく感心したが、衣がメインで使っているであろう部屋に物はあまり無く、 だだっ広い部屋にベッドにテーブルと椅子に全自動の麻雀台、それと大小さまざまなぬいぐるみが置かれていた、 だがそれだけ通ってきた廊下とは違い、あまり調度品らしきものは置かれていない。 「ふふ~ん、ペンギンだ~ペンギンだ~」 部屋に入ると衣はさっそく京太郎から巨大エドペンを受け取って、袋から出してぎゅっと抱きしめる。 「ふかふかもふもふ、ふかふかもふもふ」 楽しそうに巨大エドペンにじゃれ付く衣。 「それって、ただのペンギンじゃなくて、エドペンだろ」 「エドペン、こいつはエドペンという名前なのか?」 「確か前に和がそんなことを言っていた気が・・・」 「そうか、こいつは原村ののかのエドペンの友達なんだな?」 「まあ、そうなんじゃないか?」 エドペンが何匹もいるのか、当然京太郎は知らないので適当な答えだが、衣はそれを聞いて満足そうに笑い。 「じゃあお前は、今日から大エドペンだ」 巨大エドペンに名前を付けた。 「だいエドペンね」 「よろしくな大エドペン」 名前をつけて、さらに愛おしいそうにぎゅっと大エドペンを抱きしめる衣。 そんな無邪気な楽しそうに笑う衣を見て、京太郎も胸が少し温かくなるのを感じた。 「・・・思いつきだけど、プレゼントしてよかったな・・・」 そんな言葉を零しながら。 龍門渕高校、衣と同じく麻雀部の一員である国広一は、同じく麻雀部で龍門渕高校の理事長の孫である龍門渕透華の専属メイドだ、だからこの屋敷内では当然メイド服で過ごしている。 そんな一が衣の部屋がある別館にやってくると、廊下に居るハギヨシを発見した。 「あっ、ハギヨシ、衣もう帰っている?」 「はい、お部屋でおくつろぎですが、何か御用でしょうか?」 「うん、折角だから透華達が一緒にお茶しないかって、どうかな?」 「そうですね・・・」 一は透華に頼まれて衣を呼びに来たのだが、ハギヨシは少し考えこむ。 「どうしたの、もしかしてお昼寝しているとか?」 「いえ、そうではなくて、今衣様はお友達とお茶をしていらっしゃいますので」 「えっ、衣が友達連れてきたの!?」 ハギヨシの言葉に驚く一、あの地区大会団体決勝戦の後で衣の心境に変化があり、 態度がだいぶ柔らかくなったが、自分達龍門渕のメンバー以外の人間をこの邸に呼ぶのは一の知る限りでは初めてである。 「ど、どんな子、どうしよう挨拶した方いいかな、あっでも今ボクメイドだし、いやそれよりも透華に知らせるべきかな」 「そうですね、聞いた限りでは学年は衣様より一つ下だそうですが」 「そっか、ちょっと気になるな、どんな女の子だろう・・・ちょっと覗いちゃおう」 扉をほんの少し開けて、衣の部屋を覗き込む一。 「あっ、いえ、女性ではなく・・」 「えっ・・・ええっふぐぅ!?」 覗きこんで京太郎の姿が見えた瞬間、叫び上がりそうになった一・・しかし叫び声は響かない、なぜならばハギヨシが間一髪のところで一の口を塞いだからだ。 「あまり五月蝿くされますと、衣様とお友達に気づかれてしまいますよ」 「・・・(うん、うん)」 こくこくと声が出せないので、頷いて返事をする一。 「失礼しました」 一の口から手を離すハギヨシ、自由になった一はと言うと。 「こ、衣が男の子を連れてくるなんて・・・・と、とにかくボク透華に知らせてくるね」 そういい残して、一は邸を飛び出して透華達の待つところに向かった。 「大変大変たいへん・・たいへんたいへん・・」 一はぶつぶつと呟きながら廊下を走り、勢いよく扉を開けて部屋の中に飛び込んで叫ぶ。 「へんたい、透華!」 「ぶぅぅぅ!」 「きゃぁ!?」 「おっ、汚ぇな・・・」 一が入ってきたかと思えば、同時に自分が変態呼ばわりされたのに驚き、透華は口に含んだ紅茶を噴出して横に居たメイドの歩の顔面を汚してしまった。 「だ、誰が変態ですか!?」 「あっ、ごめん、間違えた大変だった」 「いや、案外外れてないんじゃないか?」 「そうかもしれませんね」 茶々を入れるのは麻雀部の井上純と沢村智樹だ。 「誰がですか、たくぅもう失礼な方々ばかりで・・・・ごめんなさいね、歩」 紅茶を吹きかけてしまった、メイドに謝罪を述べる透華。 「い、いえ、お嬢様のお口に含まれたものなら・・・別に、あっいえお嬢様はお気になさらないでください」 ハンカチで顔を拭う歩だったが、その表情はどこか嬉しそうに頬を染めていた。 「そう、なら良いのだけど・・・」 さきほどの前半部分は小声だったためか、どうやら透華には聞こえなかったようだ。 「・・・変態はこいつだったか」 だが純にはしっかり聞こえていたようだ。 「それで、何が大変ですの一、というか衣は居ましたの?」 「うん、居るには居たんだけど、その衣が大変なんだよ、衣が友達を連れてきたんだ!」 「あら、衣がお友達をあの邸に、それはおめでたいことじゃありませんか」 「そうか、衣がな・・・あいつも変わったよな」 「いい傾向だと思います」 「大変喜ばしいですね」 一の報告に、驚いてはいるがそれは好意的な驚きで、皆衣の友達が遊びに来たことに喜んでいた、一以外は。 「しかし衣のお友達となると、後で私が挨拶をしにいかなければなりませんわね」 「そうか、まあ見たい気持ちはわかるが、あんまり仰々しいのも相手を引かせるだけじゃないか?」 「一声あいさつをするだけですわ」 「ならいいが、まあ俺も後で見に行くかな、衣がどんな奴を連れてきたか」 「野次馬根性はおよしなさい」 「まあ、そういうなって」 楽しげに衣の友達を想像し話しながら、紅茶を飲む透華と純。 「それが・・連れてきたのが一学年下の男の子なんだけど」 「ぶぅぅぅぅ!!」「ぶっ!!」 「きゃぁ!?」 一の言葉に、透華と純が同時に紅茶を噴出す、透華が噴出したお茶は再び歩を汚し、純はテーブルを汚す結果になった。 「げほげほ・・・ほほほ、本当ですの!?」 「ごほぉ・・本当に連れてきたの男なのか!?」 息を整えながら、信じられないと言った顔の透華と純、だけではなく智樹や紅茶を吹きかけられた歩も呆然とした表情で一を見ていた。 「うん、本当だよ、ちゃんと見てきたから」 「純みたいに、限りなく男に近い女ではないの?」 「誰が限りなく男に近いだ、俺はどこからどう見ても女だ!」 純から上がる抗議の声を、平然と無視する透華。 「それで、どうですの?」 「間違えないよ、ハギヨシも衣の一学年下の男だって言っていたし、見たけど確かに男の人だったし」 一も最初はわが目を疑ったが、見紛う事なく衣の部屋に居たのは男だった。 「こ、こうしちゃ居られませんわ、行きますわよ!」 「おう!」 「うん」 「そ、そうですね、どのような殿方か見ませんと」 透華達は全員で、衣の居る別館に向かった。 一方の衣の部屋。 京太郎と衣は向かい合って座り、それぞれ緑茶と芋羊羹を食べていた。 「う~ん、まさかこんな邸で緑茶を飲むとな・・」 「京太郎は紅茶か珈琲のほうが良かったか?」 「いや、この緑茶もうまいし特に文句は無いが、なんとなくこう言う邸には紅茶か珈琲っていうイメージが、まあ芋羊羹なら緑茶だと思うが」 「そうだ、和菓子には日本茶が良く合う」 「天江は和菓子が好きなのか?」 「違うぞ、衣だ」 苗字で呼ばれて、頬を膨らまして不満げな表情を露にする衣。 「ああ、悪い、衣は和菓子が好きなのか?」 ちゃんと名前を呼ばれると、衣から不満げな表情は消えて、京太郎の質問に答える。 「うむ、洋菓子も好きだが、和菓子の方が好きだな、母君がおやつによく買ってきてくれた」 懐かしそうに語る衣を見て、京太郎の脳裏にある疑問が浮かぶ、京太郎はその疑問を素直に口にした。 「衣の両親って・」 「死んだ、事故でな」 何をしているのか、京太郎の言葉はそう続くはずだったが、衣の答えに沈黙した。 (こいつも・・・苦労しているんだな・・・・) 「悪い」 「いや良い、辛くないわけではないが、もうなれた・・・」 それでも衣の雰囲気は沈んだままだ、なんとか話を逸らそうと京太郎は普段は考えないほど考え込む・・・そして、あることを思い出した。 「な、なぁ、衣って饅頭は好きか?」 「饅頭、好物の一つだが」 「そうか、清澄高校の近くに美味い焼き饅頭の店があるんだ」 「焼き饅頭とな、興味津々、それはそんなに美味いのか?」 「ああ、かなり美味いぞ、どうだ、今度一緒に行かないか?」 「一緒に行ってくれるのか?」 「もちろん、どうせなら友達と一緒に食ったほうが美味いだろう」 「うむ、確かに皆で食べる食事やおやつは格別だ」 「じゃあ、約束だ」 「おお、指きりだな」 京太郎は衣に向かい小指を差し出す、何をしたいのかわかった衣も自分の小指を京太郎の小指に絡めた。 『指きりげんまん~』 いつの間にか、衣の沈んだ雰囲気はどこかへと消えていた。 そして衣の部屋の外では、透華達が全員で隙間から衣の部屋を覗き込んでいた。 「あれが、衣がつれてきた男性ですの?」 「なんだ、あんまりいい男に見えないが、衣はああいうのが好みなのか?」 「いや、好みじゃなくて、単に友達らしけど・・・でも、あの人どこかで見覚えがあるんだけど、確かみんな居た気がするけど・・・何処だっけ?」 「一の勘違いでなくて、私は覚えがありませんわ」 「俺も無いな・・」 「私も見覚えがある・・・けど思い出せない」 「ううっ、よく見えません」 部屋を覗き込みながら、好き勝手なことを言い合う龍門渕麻雀部のメンバー。 「一と智樹が覚えているのなら何処かであったかも知れませんわね、ハギヨシ」 「はい、ここに」 透華が呼ぶと、どこに隠れていたのかハギヨシが突然姿を現した。 「あの人について、知っていることを全て話してちょうだい」 「はい、衣様がお友達だと紹介してくださり、清澄高校一年で須賀京太郎様と名乗っておいででした」 京太郎に聞いた情報をそのまま、透華に伝えるハギヨシ・・・だが。 「清澄・・・清澄ってあの原村和が居る、あの清澄ですの!?」 透華が反応を示したのは、京太郎の名前よりもむしろ高校のほうだった。 「おそらくはその清澄かと」 「ああ、そうか、前にプールで清澄に会ったときに居た男の子だ!」 「そうですね、確かに・・・」 「えっ~居たか、そんな奴」 一と智樹はハギヨシの言葉で思い出したようだが、純と和の事を考えている透華は思い出せないようだ。 「透華も兎に角、今はのどっちの事よりもあの須賀君・・だったけの事を考えないと」 「お、おほん、そうでしたわね、それで衣のお友達だから通したんですわよね?」 一に言われて、少し落ち着きを取り戻した透華がハギヨシに尋ねる。 「はい、衣様がお友達だと紹介なれた上に、衣様に贈り物の巨大なぬいぐるみを持ってきてくださり、しかしそれを置いてそのまま帰ろうとなされたので、 及び止めをして、この後は特に予定もないとの事で、勝手ながらお茶を振舞わせていただきました」 「ハギヨシあなたのとった行動は正しいですわ、それで返したら龍門渕の名が廃るというものよ」 透華に褒められて一礼だけするハギヨシ、透華達は改めて部屋の中を見直す。 「あ~あれかな、あの巨大なペンギン見たこと無いと思ったら贈り物だったんだ」 「でけぇな、あれって原村が持っていたぬいぐるみのデカイ版に見えるが」 「同じ種類のものでは」 「あら本当、大きいですわね、衣と同じ位かしら」 透華達が大エドペンに目を奪われていると、歩むが一人別のところを見て声を上げた。 「あっ、あれ、見てください、衣様があの殿方と凄く可愛らしい笑顔で指きりを」 歩の言葉に、大エドペンを見ていたはずの全員が衣の方に視線を移す。 「ええっ、なんですって!?」 「なぁ、おお、本当だ!」 「うわぁ~衣凄くかわいい」 「本当に・・・」 「重い・・も、もう駄目・・」 一番下で、みんなに潰されてヒキガエルのような声で鳴く歩であった。 「ふふ~ん、約束だぞ努々忘れる事なかれ」 「わかっているって、それじゃあいついくかだけど・・」 細かい日時を決めようとした京太郎だが、そこに突然バタンと扉が開き。 「きゃぁ!?」「うぉ!?」「へぇ!?」「あっ!?」「うきゅ!?」 衣を除く龍門渕の麻雀部のメンバーとメイドが一名なだれ込んできた。 「な、なんだ!?」 「透華、純、一、智樹、歩、どうしたのだ?」 突然のことに驚き、京太郎と衣も何事かと様子を見に来る。 「お嬢様、お手をどうぞ」 「っっっっ、もう・・皆さん野次馬根性を出しすぎですわよ」 ハギヨシの手を取りながら、自分のことを棚にあげて文句を言う透華。 「っぅ~透華にだけは言われたくないな」 「いたぁ~・・・と、透華大丈夫?」 「・・・・」 「うきゅ~~~」 透華以外のほかの面々(伸びている歩は除く)も次々に立ち上がる。 「えっ~と、確かに全員龍門渕の麻雀部の人ですよね?」 いきなり奇抜な登場の仕方をした相手に、京太郎は恐る恐る尋ねてみる。 「その通り、私が龍門渕透華、龍門渕透華ですわ、以後見知りおくが良いですわ、ほほほほ」 「は、はぁ・・」 なぜか自信満々に笑いながら名乗る透華。 「あっ~先鋒の井上純だ、よろしくな」 「次鋒の沢村智樹」 「ボクは中堅だった、国広一だけど覚えているかな、あっそこで伸びているのは歩ってメイドだから気にしないで」 「はい、どうも清澄高校一年、麻雀部の須賀京太郎です」 全員名乗ったので京太郎も名乗り軽く会釈した。 「君って確か前にプールで会ったときに居たよね?」 「あっ、は、はい、俺も麻雀部員なんで一応」 「やっぱり」 「ああっ~そういえば居ましたわね」 「いや、お前は絶対覚えてないだろう」 適当な事を言う透華に小声でつっこみいれる純。 「それはそうと、須賀さんでしたかしら、衣のお友達だそうだけど」 「あっ、はい」 「おお、そうだ紹介が遅れたな京太郎、ここに居る皆も衣の大切な友達だ、皆こいつが京太郎だ、新しく出来た衣の友達だぞ」 衣が改めて京太郎と透華達を交互に紹介する。 「・・・・・・」 上から下へそしてまた上へと、隅々までじぃぃっと京太郎を見る透花。 「えっ、えっ~と・・・」 「透華、そんなに見たら須賀君に失礼だよ」 「黙らっしゃい、もし悪い虫ならどうするんですの・・・衣に悪い虫がついたら・・ついたら・・・あっ~」 一の注意も意に介さず、透華は勝手な妄想で京太郎をぎろりと睨み付ける。 「ああ、なると無理だろうな・・・」 「そうですね」 純と智樹は透華を止める気も無くあきらめ気味だ。 「え、えっ~と・・・」 透華に睨み付けられてどうすれば良いのか悩む京太郎、しかし助けてくれそうな人は居らず、 とはいえ衣に助けを求めて話がさらにややこしくなりそうだし、と色々考えて何か無いかと部屋を見回す京太郎、そこで目に留まったのは・・。 「そうだ、麻雀打ちませんか」 「えっ?」×5 京太郎の言葉にその場に居た(ハギヨシと気絶している歩は除く)声を上げる。 「だ、駄目ですか?」 別に京太郎は挑発するつもりなど微塵も無い、龍門渕のメンバーがかなり強いということはわかっている、だがあのまま透華に睨み付けられているよりはましだと考えた。 透華、一、純、智樹は小声で話し始める。 「お、おい、どういうことだ、俺たちに戦いを挑むって事は相当自信があるのか?」 「わかりません」 「う~ん、強そうに見えないけど」 「わかりませんわ、わかりませんが、挑まれた勝負を逃げてはこの龍門渕透華の名がすたりますわ」 あれを挑発と受け取ったのか透華はすこぶるやる気だ。 「いや、しかし、ほれ衣の相手をさせるのは・・・」 「そうだね・・・」 「それは・・そうですけど・・・」 一と純は麻雀における衣の特殊な能力を心配しており、透華もそれは気にしているようだが・・・・。 「京太郎・・・京太郎は麻雀強いのか?」 「いや、弱いけど、咲達とはよく打っているぞ」 衣の質問に素直に答える京太郎。 「おい、自分で弱いって言っているぞ」 「謙遜の可能性も」 「う~ん、本当に弱いって事も・・・」 京太郎の言葉にますます混乱する一達。 「でも折角、麻雀できる奴が揃っていて、それに麻雀卓もあるんだからどうかなって、衣もどうだ?」 「えっ、こ、衣もいいのか?」 「当たり前だろう、それとも麻雀打つのは嫌か?」 「嫌ではないが・・・」 自分が麻雀を打ったことで、離れていった人のことを思い出したのか衣は苦い表情をする。 「なら良いだろう」 「わかった・・・やろう」 京太郎に説得されて、衣は渋々ながらやる気になったようだ。 そしてこの返事により、龍門渕の他のメンバーの答えも決まった。 「衣がやると言ったのなら、やらないわけにはいきませんわね」 「わかった、ボクも入るよ」 「しゃあないな・・・」 「そうですね」 こうして京太郎と龍門渕高校麻雀部との麻雀が始まった。 そして・・。 「ぐはぁ・・」 見事にぶっ飛ぶ京太郎の姿がそこにはあった。 「本当に弱いですわね」「弱いね」「弱いな」「弱い」 「・・・弱いぞ」 想像より弱かったのか次々に弱いと口にする、龍門渕のメンバー。 「うっ、事実だがそうはっきりと言われると・・・」 「あっ・・」 さすがに少し落ち込む京太郎、それを見て今までの事を思い出したのか衣が悲しそうな表情をする、今までこうやって衣と麻雀を打ち人が離れていった、あるいは京太郎もとそんな悲観的な想像が衣の脳裏によぎる・・・だが。 「えっ~い、もう一回だ!」 「なぁ!?」×4 「えっ?」 京太郎の言葉に驚く龍門渕メンバーが声を上げた、そして衣もまた信じられないと言った表情で京太郎を見た。 「な、なんだ、やっぱり弱いから駄目かな?」 「い、いえ・・・そうではなくて」 「京太郎は・・・衣が怖くないのか?」 恐る恐る疑問を口にする衣、そして他の面々もそれを重苦しい雰囲気で黙って見つめていた、だが当の京太郎はというと。 「へぇ、なんでだ?」 まったく気にした様子もない。 「なんでって、その・・・須賀君が一人負けなんだけど・・・」 トータルの結果を見れば、衣の圧勝、透華と一は飛びこそしないもののかなり得点に差がついていた。 「う~~ん、でもいつも咲達と打っていたらほとんど勝てないからな、負けるのには慣れているから、特に気にならないけど・・・」 「慣れていると気にならないものか・・・」 「いや、そりゃ負けるのは悔しいけど」 さすがに京太郎も、負けなれているとは言え多少は悔しいという感情があるようだ。 「衣が麻雀を打つと、皆が皆・・・怖がる衣の特殊な力に・・・」 「っても、咲もかなり変わっているからな」 嶺上牌が必ず有効牌なるなど特殊能力以外の何ものでもない、それを見慣れている京太郎は衣の能力も特に気にならないようだ。 「咲・・・清澄の大将か、確かに不思議な・・・衣の感覚を上回る、打ち手だったな」 「それによ、こうやって話しながら麻雀打っているだけでも楽しくないか?」 「楽しい・・・楽しいのか?」 「ああ、確かに勝ったほうがうれしいけど、こうやってみんなでわいわい言いながら打つのも麻雀の醍醐味だろう」 「醍醐味か・・・衣は相手を倒すのみの麻雀しか打ってこなかったし、 確かにあの大将戦の時は楽しいと思ったが・・・あの時ともまた違う、そうか・・・こう言う麻雀もあるのか」 「だからもう一回打たないか?」 「うん、打とう、もう一回楽しい麻雀を」 京太郎の呼びかけに、とても嬉しそうに笑う衣。 その笑顔を見ていた透華、一も笑った。 「衣・・・そうですわね、一度といわず何度でも付き合いますわよ」 「うん、ボクも何回でも付き合うよ」 「よし、だけど次は俺も勝ちにいくぞ」 「あら、次こそ私がトップに決まっていますわ」 「ボクも負けないよ」 「遊びとはいえ、衣もただで負ける気はないぞ」 甘い衣2/3
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照「……ん?」 京太郎「あ、おはようございます」 照「……初めてだったのに、優しくって言ったのに」 京太郎「……すいませんでした」 照「……とりあえず、おはようのキス」 京太郎「はい……ん」 照「ん……」 京太郎「朝食どうします?」 照「もうちょっと、京ちゃんとこうしていたい」 京太郎「了解しました、お姫様」 照「ふふっ……ね、ぎゅってして?」 京太郎「はい」 照「……安心するね」 京太郎「照さんは、あったかいですね」 照「ん?……これ、引っかき傷?」 京太郎「あー……その、照さんが」 照「……優しくしなかった京ちゃんが悪い」 京太郎「いやいや、俺は力抜いて下さいって言ったのに…何する気ですか?」 照「……舐めて治そうかと」 京太郎「ちょっと痕があるだけで平気ですよ」 照「じゃあ……」 京太郎「んっ……キスマーク?」 照「私のってしるし」 京太郎「勝手に付けて……俺も付けますよ?」 照「いいよ。ちょうどグラビア撮影あるから、見えるようにして」 京太郎「……普通のキスで」 照「付けていいのに……ん」 カンッ!!
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. 第1話 泉を励ます主夫京太郎 第2話 報われない努力家泉、容赦ない畜生京太郎 第2.5話 泉の結婚生活、京太郎の結婚性活 第3話 交わす泉、躱す京太郎 第4話 臍フェチ京太郎と泉 第5話 俺の恋人と愛人が修羅場すぎる 第6話 愛しき人との愛しき日々 最終話 結婚式
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【10月第4週 平日】 京太郎「今週末から来週末にかけていよいよ国麻か……」 京太郎「絶対に決勝まで行ってやるぜ!」 キーンコーンカーンコーン 京太郎(今日もロンリー登校だった……)ガックシ 咏「京太郎のやつ、また落ち込んでるよ」ヒソヒソ 和「いつものことですね」ヒソヒソ 咏「だね」ヒソヒソ 京太郎「昼飯を食べに行くぞ!」 咏「その前に授業の課題片付けろよなー」 和「静かにしてください」 京太郎「二人とも当たり強いな!俺でも傷つくよ!」 昼 京太郎「屋上に来るのも久しぶりだな……」 京太郎「一時期は狂ってるほどに来てたけど」 郁乃「あ、京太郎くんや~」 京太郎「郁乃さんっていつもここにいますよね……」 郁乃「ん~なんでやろな~」 京太郎「聞いた俺がバカでした」 郁乃「京太郎くん酷いな~お姉ちゃん怒ってるで~」プンプン 京太郎「あんまり怒ってるように見えないんですけど」 郁乃「まあ怒っとらんから」シレッ 京太郎(何なのこの人!)イラッ 郁乃「せや~二人っきりなんやし一緒に食べへん?」 京太郎「いいですね、食べましょうか」 郁乃「~♪」モグモグ 京太郎「郁乃さんのお弁当は霞さんが作ってるんでしたっけ?」 郁乃「せやで~居候やからな~」 京太郎「ダメな大人だこの人……」 郁乃「むぅ、さっきからいろいろと酷いこと言うな~」 京太郎「冗談!冗談ですから!」 郁乃「そうなん?」 京太郎「まさか本気でダメな人だとか思ってるわけないじゃないですかー」ボウヨミ 京太郎(実際この人何もやって無さそうだな……) 郁乃「なら良かったわ~」ニコニコ 京太郎(憩さんも郁乃さんもいっつも笑ってるよな) 京太郎(照も同じくらい笑えばいいのに―――)ポワポワ 照『そっか、良かった~』ニコニコ 京太郎(可愛いけど何か違うな) 郁乃「~♪」モグモグ 京太郎(話題途切れちゃったけど、どうしよう) 京太郎「郁乃さんは……国麻に出るんですか?」 郁乃「ん~団体戦は遠慮しておきたいな~」 郁乃「末原ちゃんたちと一緒に戦う言うんは魅力的やけど……私は本当は出ちゃダメやから」 京太郎「そう……ですよね」 郁乃「個人戦は面白そうやから出るけどな~」 京太郎「じゃあ俺と当たるかもしれないですね」 郁乃「手加減はせえへんよ?」 京太郎「上等です、勝ってみせますから」 京太郎「そういえば国麻ってプロの人たちも出るんですか?」 郁乃「それは冬の全国プロ・アマ交流戦だけやな~」 京太郎「やっぱりそうなりますよね」 郁乃「なんや?小鍛治さんとかと戦いたかったん?」 京太郎「それだけは遠慮しておきます」 郁乃「私も嫌やわ~」 郁乃「せや!京太郎くんが決勝戦まで行ったらご褒美あげるわ」 京太郎「ご褒美……って前の良子さんみたいな?」 郁乃「うん、誰か呼んであげるわ~誰がええ?」 京太郎「だったら……そうですね……」 京太郎「臨海の監督さん……でも?」 郁乃「……京太郎くんはかっこいい人が好きなん?」 京太郎「確かにそうかもしれませんねーってはぁっ!?」 郁乃「だっていっつもかいのーちゃんとかカントクちゃんとかとおるやん~流石に拗ねるで?」 京太郎「ただの偶然ですって」 キーンコーンカーンコーン 京太郎「あ、予鈴だ」 郁乃「今日はここまでやな~」 京太郎「そうっすね、ありがとうございました」 郁乃「私も楽しかったで~」 放課後 京太郎「相変わらず暇だ……」 京太郎「愛宕監督曰くもうすぐオーダー決めをするとか」 京太郎「俺もそういう会議に参加したりとかしなくちゃなのか?」 京太郎「今日こそは勝ってやる!」 泉「京太郎くん!久しぶりに打ちませんか?」 京太郎「へー泉は俺に勝つ自信があると」 泉「今日こそは勝ってみせますよ!」 俺は、打っていた 暖かな陽だまりの中で 照と咲とモモと、三人の幼馴染と 俺は彼女たちと互角に戦っていた それが何故かなのはわからない 思い出そうとすると溢れてくるのは水 水に溺れる感覚 あの感覚は……一体 照「京は私たちを懐かしい気持ちにさせる」 京太郎「懐かしい気持ち?」 咲「麻雀を始めたころの初めての気持ち」 京太郎「なんだそりゃ?そんなオカルトありえねえっつーの」 桃子「それが京太郎のわけのわからない強さなんっすよ」 京太郎「強さっつっても大して勝ててないし……」 照「それは京の運が悪いだけ」 京太郎「えぇ……」ズーン 京太郎(…………) 京太郎(今のは、一体……?) 洋榎「負けた……」ガックシ 泉「今日こそは勝てる思うとったのに……」 京太郎「まあまあ、二人とも元気出して!」 泉「京太郎くんに言われたないですわ」 洋榎「せやせや、ちゃっかり二位のくせに」 京太郎(なんで責められてるんだろ) 京太郎「さっきのはなんだったんだろうな……」 雅枝「須賀、肩揉んでくれるか?」 京太郎「はいはーい」モミモミ 雅枝「あ^~気持ちええな^~」 京太郎「ってなんで俺が監督の肩揉んでるんですか!」 雅枝「なら胸もええで」 京太郎「いいんですか!」ニヘラ 京太郎「って欲しくないわそんなもん!」 雅枝「なんや失礼やなーはい続き続き」 京太郎「はぁ……」モミモミ 京太郎「監督ー何か話しません?」 雅枝「別にええでー」 京太郎「そういえば国麻のオーダーってどうなってるんですか?」 雅枝「あーそれは今夜石戸の家で話そ思うとったんやけど」 京太郎「そうですか」 雅枝「須賀も参加してくれるか?」 京太郎「俺なんかの意見を参考にしてもいいんですか?」 雅枝「ええんやないの?須賀やったら贔屓なんてせえへんやろ」 京太郎「結構信頼されてるんですね、俺」 雅枝「まあ……せやな」 京太郎「なんか間があった気がするんですけど」 雅枝「手休めずに揉みぃ」 京太郎「はいはい、ここいら辺ですか?」グイッ 雅枝「んぁぁ、ええなぁ」 夕 京太郎「こんにちはー」 店員「おっ、須賀の坊ちゃん久しぶりやな」 京太郎「どうも、お久しぶりです」 店員「今日も何人かおもろいのが来てるで」 京太郎「へー楽しみですね」 店員「まあ立ち話もなんやから入って入って」 おっさん「げっげっげ、よう来たな須賀んとこのォ!」 善野「須賀くんか、よろしくな」 良子「面子もそろったことだし、スタートしようか」 京太郎 92+177+35=304 良子 74+200+60+30=364 善野 73+200+30-15=285 おっさん 96+120+15=231 京太郎(昔のあの感じ) 京太郎(なんであの感じを忘れていたんだ……) 京太郎(もっと……自由に!)カチャカチャ←ベルトを外す ゴッ 京太郎(来た!) 良子(……これ……は) 善野(ふむふむ) 良子「ツモ、これでフィニッシュです」 善野「お疲れ様でしたー」 京太郎「お疲れ様でした」 良子「京太郎、さっきは何を……?」 京太郎「よくわからないんですよね、昔の感覚と言うかなんというか」 善野「へー面白いこともあるんやなー」 良子「中々良かったよ、それではまた後で」 善野「ほな後でなー」 京太郎「さよーならー」 京太郎「善野監督って元気そうだよな……」 京太郎「会議の前にメールでもするか」 京太郎「多治比さんに送ってみるか」 京太郎「前カス虫外道とか言われたんだよな……」 京太郎「何て送ろう」 京太郎『こんばんは』 京太郎『多治比さんって美人ですよね』ピッ ヴーッ ヴーッ 真佑子『何ですかいきなり』 真佑子『気色悪いですよ』 京太郎「歯に衣着せてねえ!」 京太郎『突然あんなメールを送ってすみません』 京太郎『なんか口説いてるみたいですよね……』ピッ ヴーッ ヴーッ 真佑子『わかってくれればいいんですよ』 真佑子『私も少し言い過ぎちゃいましたね』 真佑子『あんなことを言われたらどうしていいかわからなくて』 京太郎「言い過ぎ……うん、そうだよな」 京太郎「ん?もうそろそろ時間か、こっちを終わらせないとな」 京太郎『こちらこそすみません』 京太郎『もう用事があるので失礼しますね』ピッ 京太郎「よし、会議だ会議!」 【10月第4週 平日】終 雅枝「全員揃ったみたいやな」 良子「イエスマム」 . . . .- ― -. . .,, ,,. ´ ` ,, ´ ヽ / ヽ ヽ / / , , ハ ', / / / / / ハ ', ハ // / / / l 〃 / ! } //!ヽ {l/ l 斗イ ! メ /| ! l/ / ! \ /;, { l N ハ | / \ _ _ _! l / /ト . \ . //丶, 、 |弍芝ミ / / l l ! ! ! / ,' \ ヽ 〃 〉 \ ! 戔沁 /イ .=芸ミx | | lイ// ヽ ハ / ,' イ 弋_ソV {戔刈ミ / / \ ', ./ l /| ,,, 弋_ ソ/ / Y ∧ .! l /八 ' ,,, / /イ . l } |/! / \ 、 / / ヽ l } | .∨ ムイヽ ,, イ /> \ 〃 / ,、---- ニl --/ 'イ | \ ヽ / //! ハ ムイ.___| ヽ} { | / ] ― ハ / r‐ V⌒Y イ ム/ ヽ ', 近畿Aコーチ 戒能良子 霞「京太郎くん、お茶入れてくれるかしら?」 , ' . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ ..ヽ /. . . . . . . . . . . . . . . .;、 . . . . . . ヽ .. .ヽ // . ./.. /. ; / ';. . . . . . . . . . '; ....; /,' . ;'. /. l! ;' .'; l l . . ..i /.i | lL -亠 l  ̄丁T! ‐! l l . . |. i ! 、 l l!、 _」L l l --+HL_ l .;リノ . . ...| ! .l トゝ !´__ _ヽ 川 ,,z=-zy/j;イ .| | .l . lv'筰 卞 ヽ. ´ b jヽ .!l .| l l! .辷.ノ ー.― ll .| l l. ,,, ' ''' 'l . .| l l /l .|. l .l. ャー‐ッ / l / .l l ... イ / l. l >.....___ < | l / .. ' l . / l / . /. l .. /{ | / . / l . . / ゝ´ll /,' ./> 、 l . /// ! / / イ./ ヽ. l . / ,' / / ;.' / | .i. l=;/ l / ,; ,' / ! l ,' l ./ i / / / l! .l / 丿, ' /! ;' / / ! 三箇牧高校監督 石戸霞 郁乃「棚にせんべいあるからよろしくな~」 , '"  ̄` 、 / ヘ ./ ヽ、 ヘ ′ i !ハ ∧ i| | ! ヤ ∧ |i | / リ从 ∧ | /´レ勹´ _`_キ ∧ | !' ,r=‐ ⌒i| \____ | 爪 ´,, ″| ヽ、 `ヽ | ゝ .,ノ 从 `ヽ、 | 心 _/.)^._ イ´ ∧\ }..,ィ|i /./ | i \ } ソ{ ./ | ,'‐^ュ `k | i \"´ji { 广 ̄丁 j’ ´ ‐''ノ从 |-ミ } ji ル / 人__,,斗宀'" i \|ノ; /i | 彳"/ /' │ !"¨ ./ |ゝ-弋./ /__ __ _/i / |!/| | / / `´ |/ | i| | / / | | i| 三箇牧高校次鋒 赤阪郁乃 京太郎「はいはい」 /\-――‐- 、 , --=7 丶 `ヽ /, ヽ ヽ ∠/ / 、 、 丶 i / i ! l. l i. i | / ,/ ! ! l|| ! |、 ll ! | ヽ、 /_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`  ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !| ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ // l i `i _/,、/ ´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′ 丶 ー ―‐ ' / |′ \ / | __ i ー ' ! __ , ィ'´ . /-‐ ´} / `Y´ . .\ , -‐'' ´ . ./ . . ./― - 、 ,/__ / . . . . . /`丶、 ハ . . .i ., . ,′ . i `  ̄ / . . . . ../ . . . . . . .丶、 / . . .i . . |,' . i . . . . ! ヽ / / . . . . . / . ., . . . . . . . . ,.ヽ ! . . . .ヽ .{ . .l . . . . l. i / . . . . . / . ./ . . . . . ./ . . .i インターハイ男子個人戦チャンピオン 須賀京太郎 雅枝「おお、会議っぽいな」 京太郎「雅枝さんは無かったので我慢してください」 雅枝「不公平や……」 京太郎「そういえば試合表とかどうなってるんですか?」 雅枝「あーそれはな……」ゴソゴソ 雅枝「こうなっとる」 一戦目 関東 対 東北 対 近四中 対 九州 二戦目 近畿A 対 中部 対 一戦目の下位二チーム 三戦目 一戦目の上位二チーム 対 二戦目の上位二チーム 京太郎「うちのチームは楽なんですね」 郁乃「善野ちゃんのくじ運はええからな~」 京太郎「その善野さんは?」 良子「少し気分が悪いそうなので帰ってしまった」 京太郎「そうなんですか」 雅枝「ちなみに日程表はこうや」 一日目 第一戦 二日目 第二戦 三日目 決勝戦 四日目 オフ 五日目 オフ 六日目 個人戦一回戦 七日目 個人戦二回戦 八日目 個人戦準々決勝 九日目 個人戦準決勝 十日目 個人戦決勝戦 雅枝「個人戦は一位の選手の勝ち抜けや、それ以外はそのまま敗退」 雅枝「それで本題のオーダーをどうするかや」 良子「これが選抜最終候補のレコードだよ」 京太郎「なるほどなるほど……」 京太郎(よくわかんねえ……) 雅枝「まずはどこから決めよか」 良子「エースの置き場を決めておきたいですね……」 郁乃「姫松や新道寺みたいな変則型で行くのもありやな~」 霞「そうね……どうしましょうか」 京太郎「やっぱり先鋒から決めましょうか」 霞「そうね」 良子「注意すべきは永水のコマキ、龍門渕の天江、白糸台の宮永照でしょうか」 京太郎「咲はいいんですか?」 雅枝「宮永妹は大将向きみたいやからな、先鋒よりも大将の方が使いやすいやろ」 京太郎「確かにそうっすね、それじゃあ誰にしましょうか?」 雅枝「私としては荒川やな」 京太郎「俺も憩さんは安定してると思いますね」 郁乃「え~咏ちゃんの方がええと思うな~」 良子「私はあえて清水谷がいいと思います」 良子「安定感ならこちらも十分かと」 霞「みんな色とりどりだから困るわね……」 京太郎「多数決の結果憩さんに決まりました」 霞「次は次鋒ね」 郁乃「私は咏ちゃんがええと思うな~阿知賀の子みたいな感じで巻き上げるんや~」 良子「それなら園城寺選手の方がよくないですか?」 雅枝「その形やったら江口もありやな」 京太郎「皆さん結構ひねくれてますね」 郁乃「せやろか~?」 霞「次鋒は咏ちゃんね」 郁乃「次は中堅さんやな~」 京太郎「ここは姫松の伝統通り洋榎さんで行きましょうか」 良子「江口選手もよいのでは?」 雅枝「私は園城寺がええな、そないに消耗させずに済むやろうし」 雅枝「洋榎に決定やな!」ウキウキ 京郁霞良(すっごく嬉しそう) 霞「次は副将ね、郁乃ちゃん辺りがいいかしら?」 郁乃「霞ちゃんに選ばれるってなんか嬉しいな~」 京太郎「俺は怜さんですかね」 良子「新道寺のように江口選手でどうですか?」 京太郎「無記名投票の結果、副将は怜さんになりました」 雅枝「須賀は園城寺のこと名前で呼んどるんやな」 京太郎「成り行きで……」 郁乃「京太郎くんは誰とでも仲良くなるからな~」 霞「そこが京太郎くんのいいところね」 良子「…………むぅ」 良子「なんか嫌だ……」 京太郎「次は……ってもう大将しかないですね」 雅枝「大将は勝負所やな、もう後が無い」 京太郎「一番重要ですね」 霞「これも最初は候補を絞りましょうか」 雅枝「大将は……お前が適任やな」 郁乃「え?私~?」 良子「ミートゥーです」 霞「でも私は……」 雅枝「自分の生徒が選ばれるんやから喜ぶべきやろ」 京太郎(そうだ……二人とも郁乃さんのことを知らないんだ) 京太郎「郁乃さんは……それでいいんですか?」 郁乃「……別に、大丈夫やで」 雅枝「決定やな」 オーダー 先鋒 荒川憩 次鋒 三尋木咏 中堅 愛宕洋榎 副将 園城寺怜 大将 赤阪郁乃 雅枝「次会うのは土曜日やな」 京太郎「あれ?そういえば国麻の会場って……」 霞「ここ、大阪よ。私たちは中心街の方のホテルを取ってあるわ」 京太郎「わかりました。じゃあ俺帰りますね」 霞「お疲れ様ー」 雅枝「ほな私らも帰ろか」 良子「イエスマム」 雅枝「……なあ、その呼び方やめてくれへん?」 良子「イエスマム」 【10月第4週 平日 深夜】終 【10月第4週 休日】 【国民麻雀大会1日目】 日程について 一日目 第一戦 二日目 第二戦 三日目 決勝戦 四日目 オフ 五日目 オフ 六日目 個人戦一回戦 七日目 個人戦二回戦 八日目 個人戦準々決勝 九日目 個人戦準決勝 十日目 個人戦決勝戦 ※個人戦は一位のみ勝ち抜け 京太郎「朝から現地入りだ!俺って偉い!」 京太郎「初戦は関東と東北、関西と九州だったな」 京太郎「試合は昼から見に行くことができるけど……まずは何をしよう」 朝 京太郎「試合会場の下見に行くか」 京太郎「確か試合会場は……」 哩「お、須賀じゃなか」 京太郎「白水さん、もう来てたんですね」 哩「昨日新幹線ば使うてな、須賀は……なしてここに?」 京太郎「大阪選抜のサポーターっていうかコーチみたいなことやってるんですよ」 哩「こっちはそげなんいなか……羨ましか」 京太郎「と言っても何もやってませんし……」 京太郎「そういえば鶴田さんはいないんですね、いつも一緒なのに」 哩「姫子ん奴ば「せっかく大阪に来たやけん買い物ば行ってきます!」言うてな……」 京太郎「試合開始は……あと4時間くらいですね、どうします?」 哩「ん……どうしよか」 京太郎「じゃあ探検でもしてみましょうか」 哩「探検?」 京太郎「俺もまだ入ったことないですし、どうですか?」 哩「……どうせすることもなか、よかよ」 京太郎「では行きましょうか、お姫様」 哩「調子ばよかね」 京太郎「よく言われます」 京太郎「哩さんはどこのポジションなんですか?」 哩「試合ば見てんからのお楽しみ」 京太郎「元々教えてもらえるなんて思ってませんでしたけどね」 哩「ここばステージと?」 京太郎「そうですね、団体戦の試合はすべてここでやるらしいですよ」 哩「興奮してきよったな!」 京太郎「俺もです!」 哩「願わくば明後日、ここでな」 京太郎「明日じゃないんですね」 哩「私らは強いけん、負けばせんとよ」 京太郎「俺たちも行きますからね!」 哩「うん、楽しみや」 哩「あ、そろそろ時間たい。ここまでやね」 京太郎「それではまた、どこかで」 哩「さいなら~」 京太郎「試合やってるらしいけど、情報無しっていうのも面白そうだよな」 京太郎「ってことで街をぶらつこう」 京太郎「どこ行こっかなー」 prrr prrr 京太郎「はいもしもし」 霞『京太郎くん?控室にお弁当運んでおいて、それじゃね』 京太郎「ちょっと待っ(プツッ)て!」 プーッ プーッ 京太郎「何なんだよ……」 【会場】 京太郎「お弁当って言ったって……」 『大阪選抜様』 京太郎「あ、あった」 京太郎「箱一個分か、軽いな」ヨッコイショウイチ 京太郎「えーっと俺たちの控室はーっと」キョロキョロ 京太郎「確かこっちかな?」 夕 ヴーッ ヴーッ 霞『第一戦、関東と九州が負けたわ』 霞『第二戦に備えて今夜練習をするからできれば来てちょうだい』 京太郎「照のところと白水さんのところが負けたのか!?」 京太郎「意外だな……って関西は高鴨さんと東北には姉帯さんがいるのか……誰に当たってもやばいな」 京太郎「街を回って帰るか」 京太郎「神頼みに神社に来てみたぞ!」 京太郎「でも結構寂しいところだな」 ヒュゥー 京太郎「巫女さん一人いねえや」 京太郎「おみくじもお守りも無人だし、不用心だろ……」 京太郎「おみくじでもしていくか」 京太郎「金入れて」チャリン 京太郎「箱の中からつかむ……っと」 京太郎「……おおっ!」 末吉 願望 叶う……叶います、多分 恋愛 鏡を見てから出直してきなさい 待人 来るんじゃないかな 金運 稼ぐ貴方に禍が!今すぐ本殿にある黄金の壺を買いましょう!(要十万円) 学力 信じる者は救われる 京太郎「学力の項目黄金の壺売ろうとしてんじゃねえか!」 京太郎「ホテルは……ここでいいんだな」 京太郎「部屋番号は404か、今回も誰かと一緒なのかな……」 京太郎「なんでまた一緒なんですかぁぁぁあああ!!!」 洋榎「それはウチの台詞やぁぁぁあああ!!!」 京太郎「…………」 洋榎「…………」 京太郎「異議申し立て、行きます?」 洋榎「もうええわ、いつものことやし……」 京太郎「俺も絹恵さんじゃなくて洋榎さんでよかったです」 洋榎「おっ、京太郎もようやくわかってきたな!」 洋榎「オンナは胸やない!度胸や!」 京太郎(そういうことだけどそういうことじゃないんだよなぁ……) 夜 京太郎「洋榎さーん!遊びませんかー!」 洋榎「京太郎は練習行かへんのか?」 京太郎「れ……練習……?」 洋榎「なんや知らんかったんか……来ないでええんか?」 京太郎「じゃあ行きます!」 洋榎「せやったらこっち来ぃや」 雅枝「明日はいよいよ初戦や!」 雅枝「負けたらそこでお終いやさかい、気張るようにな!」 雅枝「ほな練習開始や!」 雅枝「須賀ーこっちやこっちー」 京太郎「はいはーい、なんですか?」 良子「今日は京太郎に特訓をしようと思ってね」 京太郎「特訓っていつもやってるじゃないっすか」 雅枝「今まで蔑ろにしとった部分があったからな、ほな始めるで」 京太郎「あんまり厳しいのは御免ですよ」 良子「さあ、どうだろうね?」 京太郎「えぇぇ……」 雅枝「はいそこもっと腰振ってー」 良子「グッジョブグッジョブ」 京太郎「んっふっ!ふんっ!」ブンブン 雅枝「ええでー絶好調やでー」 良子「ガンバ!」 京太郎「あのーいつまで俺はフラフープを続けなければならないのでしょうかー」ブンブン 雅枝「私らのどっちかから和了るまでやなー」 良子「それロンだよ」 京太郎「くそぅ……これで八局目じゃないですか!」ブンブン 良子(京太郎の腹筋……逞しいな……) 雅枝「そう思うんやったら早く和了ることやなーはいローン」 京太郎「人和ってどんだけ無駄な運使ってんですか!」ブンブン 京太郎「疲れた……」 良子「大丈夫か?」 京太郎「もう眠いっすよ……ふぁ」 良子「そうか、じゃあ今日はもう諦めるか……」 京太郎「諦めるって、何をですか?」 良子「せっかくだから、京太郎にイイコトしてあげようと思ったのに……」 京太郎「イイコトですって!?」 良子「京太郎が疲れているんじゃしょうがないよな、(特訓は)また今度にしよう」 京太郎(疲れているとできないイイコト……はっ!) 京太郎「ヤります!ぜひヤりましょう!」 良子「大丈夫なのか?」 京太郎「ばっちり!オールライトですよ!」 良子「よし、それじゃあそこに座ってくれ!」 京太郎(座る!良子さんはそういうのが好みなのか!) 良子「はい、サイコロ振るよー」 京太郎「……えっ?」 京太郎(イイコトってそういうことかよ……期待した俺がバカだった!) 京太郎「……ポン」 良子(京太郎、元気無いな) 良子(マネージャー愛宕がいなくなったから?私と二人っきりだから?) 良子(京太郎は嫌なのかな……)シュン 京太郎「良子さん?どうかしたんっすか?」 良子「京太郎は私のこと嫌……!」 良子「わわわわっ!今の忘れて!フォーゲット!ドントリメンバー!」 京太郎「ええぇ!?何ですか一体!?」 良子「なんでもない!なんでもないよー」 京太郎「は、はぁ……」 【1日目】終 【2日目】 京太郎「国民麻雀選抜大会……」 京太郎「俺は皆の力になれたのかな?」 京太郎「今日は朝から練習するらしいけど、どうしよう」 京太郎「やっぱり練習に行くか」 洋榎「ぐごーごえー」 京太郎「相変わらず寝相悪ぃな……」 洋榎「ぐげー」 京太郎「洋榎さーん、練習行きますよー」 洋榎「んあ?」 京太郎「練習だけで起きるのかこの人!?」 京太郎「咏、調子はどうだ?」 咏「ま、上々なんじゃねえの?」 京太郎「いつも通りみたいだな」 咏「私がこんなところで緊張してられっかよ、そだそだ、一緒に打たね?」 京太郎「よし、俺がビシビシ鍛えてやる!」 咏「あっはっは、どっちが鍛えられんだろねー」 京太郎「何をー!」 咏「……」トン 京太郎「……」トン 咏「……」トン 京太郎「咏?」トン 咏「なんだよ」トン 京太郎「そこまで気を張らなくてもいいんだぞ」トン 咏「……」トン 京太郎「誰もお前を責めない、だからもっと自由にやればいいんだ」トン 京太郎「インターハイのときもそうだったろ?」 咏「……わかってるよ」トン 京太郎「頑張れよ」トン 咏「……」トン 咏「……ありがと」ボソッ 怜「京くん京くん」 京太郎「何っすか?」 怜「ちょっと私と打たへん?」 京太郎「打たへんって、試合前なのに大丈夫なんですか?」 怜「せやからちょっとって言うとるやん」 京太郎「んー……わかりました」 京太郎「俺で良ければ、いくらでも」 怜「そかそか、おおきに」 怜「……京くん」 京太郎「今度は何っすか?」 怜「なんでウチを選んでくれたんや?」 京太郎「え?」 怜「聞いたで、京くんもレギュラー決めに参加しとったんやろ?」 京太郎「ああ、知ってたんですか」 怜「監督から話を聞いた愛宕姉から話を聞いた愛宕妹から話を聞いた船Qが言っとったで」 京太郎「そういえば親戚でしたねあの人たち……」 怜「……ま、ええわ」 怜「誰かが信じてくれてるってわかったわけやしな」 バスガデルデー 怜「ほな頑張って来るわ」 京太郎「俺が応援してますからね」 怜「おおきに、ほな会場で」ニコッ ガチャ バタム 京太郎「……あれ?」 京太郎「バス……会場で……って!」 京太郎「俺って徒歩なの!?聞いてないよそんなの!」 京太郎「いや!今ならバスに追いつくかも!」 京太郎「うおおおおおおおおお!」 恒子「っっっっっ!さあ!やってまいりました国民麻雀大会!地区選抜団体の部!」 恒子「注目の第二戦目!実況は私!解説は関西チームコーチ瑞原プロがお送りします!」 はやり「よろしくお願いしますっ☆」 恒子「ホントはすこやんがいるはずだったんだけど負けちゃったので急遽瑞原プロに代わっていただきました」 はやり「そういうのは反感を買っちゃいますよ」 恒子「いやいや、天下のスーパーアナウンサーとトッププロに喧嘩を売るやつなんていないでしょう」 はやり「あ、それもそうですね」 恒子「というわけでバンバン実況していきます!」 はやり「解説していきますっ☆」 恒子「CMの間もチャンネルはそのままで!」 健夜「はぁ……」 健夜(こーこちゃんってばまたあんなこと言って……)ズーン 照「…………」ペラッ 照(咲と憩……それに神代さん、か) 菫「……はぁ」 菫(私が大量失点したせいであんなことに……)アウアウ 淡「…………」 淡(さんがまき!今度は負けない!)オー! 智葉「…………」 智葉(静かだな……) 小蒔「み、みなさん!今日も頑張りましょうね!」ムフー 哩「頼りばしとるとよ」 小蒔「いえ、私は昨日も大したことは」アセアセ 姫子「部長、浮気しとっとですか?」ジトッ 初美「とりあえず頑張るですよー」 小蒔「監督も何か一言!」 秋一郎「…………」 秋一郎「プリン食べたい」ボソッ 小蒔「プ、プリンですか!私も食べたいです!」 初美「勝ったらみんなでプリン食べに行きますよー」 咲「あううう、もうすぐ試合だよぉ」 衣「海千山千、実に楽しみだ試合だな!」 美穂子「ではその前にお弁当でも、どうですか?」 衣「おお!衣の大好きなえびふらいがあるぞ!」 透華「いつも衣のためにありがとうございます」 美穂子「いえいえ、こうして衣ちゃんも喜んでいることですし」 衣「ふぁひふぁはへはいほは?」(咲は食べないのか?) 咲「えーっと、じゃあ私はタコさんウインナーにしますね」 美穂子「はい、どうぞ」ニコッ 郁乃「ほな頑張っていこか~」 憩「照ちゃんたちが相手やんな」 洋榎「打ちだおれの洋榎にかかればそんなん関係あらへんわ!」 咏「誰が相手でも勝てばいいだけなんじゃねえの?知らんけど」 怜「竜華の太ももが恋しいわ……」 洋榎「ウチが膝枕したろか?」 怜「妹さんのなら喜んでしてもらっとったけど……アンタはな……ふっ」 洋榎「鼻で笑われた!?」 京太郎「はいはい皆さん、集中していきますよ」 洋榎「なんや結局着いたんか」 京太郎「ダッシュで来たんですよ!」 郁乃「おかしいな~バスで行くって昨日メールしといたはずなんやけど~」 郁乃「送れとらんかったわ、てへっ」 京太郎「てへっ、じゃないですよもう!」 京太郎(お守りと、あのときの藁人形) 京太郎(ゲン担ぎに渡しておくか) 京太郎(……藁人形は縁起悪いけど) 京太郎「憩さん!」 憩「なんや?」 京太郎「これ、お守りです。いざというときに役に立つと思うので」 憩「京太郎くんのやないん?」 京太郎「俺はもういいので、憩さんに持っていてほしいんです」 憩「大事にするな、おおきに!」ニコッ 京太郎「怜さん怜さん」つ藁人形 怜「なんやこれ、ボケか?ボケなんか?」 京太郎「お守りです」 怜「正反対やないか、縁起悪いわ」 京太郎「ふふっ、そのツッコミは想定内ですよ!まだまだですね!」 怜「むっ、京くんのくせに生意気やで」 京太郎「まあ相手の髪の毛取ってこの釘刺しておけばいいだけなんで」 怜「さらっとえげつないこと言うな……」 憩(先鋒戦……九州と関東の代表は確か――) 淡「あ!ケイだ!」 初美「こんにちはーですよー」 淡「また高校マイナス百年生とかー」 初美「マイナスってなんですかマイナスって!私の方が年上なんですよー」エッヘン 淡「どう見ても年下でしょ」 憩「そろそろ時間やし、はよ席座っといたほうがええんとちゃう?」 初美「そうですねー、中部の人はまだなんですか?」 淡「この私におびえて逃げ出したとかでしょ、あはは」 タッタッタッ 美穂子「はぁ、はぁ、すみません、遅れてしまいました」 美穂子「今日は、はぁ、よろしくお願いします」 憩「違ったみたいやね」 淡「むぅ……」 初美「中部の人も来たことですし、ぱぱっと始めるのですよー」 東一局 親 初美 100000 憩 100000 淡 100000 美穂子 100000 美穂子(関東と九州は後が怖そうだから、まずは大阪の人を) 美穂子「カン」 美穂子「ポン」 美穂子(あ、あら、ツモっちゃいました) 美穂子(でも、先手を取るのもいいですね) 美穂子「ツモ、4000・8000」 美穂子(……そして) 憩(なんでウチが親の時に……) 初美(私の出番なのですよー) 東二局 初美 92000 親 憩 96000 淡 96000 美穂子 116000 淡(北が余っちゃうなー) 淡(ハツミが北家……そんでもって和了られたら役満) 淡(ちょっとやばい気がするけど……) 淡(それでも、私は和了にいく!)トン 初美「ポンですよー」 初美(後は東さえ来れば) 初美(そう言ってる間に来ましたねー) 初美「カン!」 初美(昨日は不発でしたけど、今日はもらいますよー) 初美「ツモ!8000・16000!」 憩「親っ被りか……」 美穂子(大阪の人……危なさそうね) 東三局 初美 124000 憩 80000 親 淡 88000 美穂子 108000 淡「ロン、2900!」 淡「やられっぱなしなんてやだもんね!」 淡「連荘だよ!」 憩(全然聴牌できひん……) 憩(いや、まだまだや!) 憩(みんなにつなげたる!) 東三局一本場 初美 121100 憩 80000 親 淡 90900 美穂子 108000 美穂子(まずはここ、かしら?)トン 憩「それ、ポンで!」 淡(鳴かれると関係なくっても腹立つ……) 美穂子(大星さんはもう張ったみたいね、これなら大丈夫かしら) 憩(なんやろ、調子がええ) 憩(鳴けるし、牌も通るし) 憩「いっこ、カン!」 初美(順番飛ばされてばっかりなのですよー) 初美(ちゃんと私も混ぜてほしいですねー)トン 憩「ロン、6400や!」 東四局 初美 114400 憩 86700 淡 90900 親 美穂子 108000 美穂子(荒川さんは……染め手、みたいね) 美穂子(でも打点も高そう……) 憩「……」トン 美穂子(そうね……ここは) 美穂子「ポン」 初美(このまま逃げ切るですよー)トン 憩「ロン、24000や!」 初美「ななっ!?」 淡(うーん……三位かー) 淡(このまんまじゃカッコ悪いでしょ!) 【圏外射撃】発動! 南一局 親 初美 90400 憩 110700 淡 90900 美穂子 108000 淡「ツモ!ダブリー裏4!」 淡「3000・6000!」 初美「うう……」 初美「次はもらうのですよー!」 憩(このまんま逃げ切れたらええんやけど……) 美穂子(ここさえ乗り切れば……) 南二局 初美 84400 親 憩 107700 淡 102900 美穂子 105000 美穂子(東が二枚) 美穂子(薄墨さんは東と北で鳴いたら終わり、ならここはキープしておきましょう) 初美「カンですよー」 初美(後は東さえ来てくれればいいのですけど、持たれちゃってるみたいですからねー) 初美(ここは、混一色狙いで!)トン 初美「ツモ!北混一色」 初美「2000・4000」 淡(最後の親、ここで決めちゃうよ!) 【圏外射撃】発動! 南三局 初美 92400 憩 103700 親 淡 100900 美穂子 103000 美穂子(大星さん……また高そうな手) 美穂子(薄墨さんか荒川さんが振り込むのは可哀想……) 美穂子(それなら、私が)トン 淡「ロン!18000!」 美穂子「はい」ニコッ 南三局一本場 初美 92400 憩 103700 親 淡 118900 美穂子 85000 初美(あうう、役満和了ったのにマイナスなのですよー……) 憩(また聴牌できひんかった……) 美穂子(そろそろ……和了りにいきましょうか) 美穂子「ツモ、4100・8100」 オーラス 初美 88300 憩 99600 淡 110800 親 美穂子 101300 初美(ノーテンですかー) 初美(親の人が和了るのを待つしかないですかねー) 憩(あかん……ぜんっぜんダメや……) 淡(もっと稼ぎたかったけどここまでかなー) 美穂子(え、えーっと……これは……) 美穂子「ノーテン」 初美「ノーテン」 憩「ノーテン」 淡「ノーテン」 先鋒戦終了 関東 110800(+10800) 中部 101300(+1300) 大阪 99600(-400) 九州 88300(-11700) 京太郎「これで終わり……ですか?」 雅枝「あんまり点動かんかったな」 良子「ドライな幕切れだね」 京太郎「次は咏だな、頑張れよ!」 咏「おう!わかってるよ!」 京太郎「それじゃ、ちょっとトイレ行ってきますね」 雅枝「……はぁ」 京太郎「今まで先鋒戦が長かったせいかあんま出なかったな」 淡「あ!京太郎だ!」 京太郎「お、淡か」 淡「見てた?今の試合!」 京太郎「相変わらずのダブリーだったな」 淡「でしょでしょー、もっとどばーっと稼ぎたかったけどね!」 京太郎「見てて面白かったぞ、最後はまあアレだったけど」 淡「うん……私も同じ」 京太郎「またお前と打ちたいな」 淡「今度は打ちのめしてあげるから!」 京太郎「へへっ、俺だって強くなってんだぜ!」 淡「さーどーかなー」 京太郎「なんだと?」 淡「あはは!京太郎が怒ったー!」 京太郎「待てこらー!」 淡「やーだねー」 憩(試合会場で何しとるんやあの二人) 哩(点数ば開いとるけん、なんとかして稼ぐ!) 菫(照の妹がいる中部をマークしておくべき、か) 咏「よーっす、よろしくねぃ」 菫「ああ、よろしく」 もこ「……………………」ブツブツ もこ「…………よろしく」ボソッ 咏 100000-100000*205/209=100000-98100=-1900 菫 100000-100000*227/209=100000-108200=8200 もこ 100000-100000*216/209=100000-102800=2800 哩 100000-100000*190/209=100000-90900=-9100 次鋒戦終了 関東 119000(+8200) 中部 104100(+2800) 大阪 97700(-1900) 九州 79200(-9100) 【次鋒戦での一幕】 もこ「…………」 咏(なんだこいつ) 咏(なんか力が出ねえ……しらんけど) 菫「ロン、3900」 哩(縛りばうまくいかん……) 姫子(部長ば稼げんかった分、私が稼ぐ!)フンス 智葉「よろしく頼む」 透華「中堅戦こそは私が勝ってみせますわ」ファサ 洋榎「けったいな髪形しとんなー」 透華「な、なんですのいきなり!」 智葉「試合前なんだから集中したらどうだ」 洋榎 100000-100000*217/196=100000-110700=10700 智葉 100000-100000*193/196=100000-98000=-2000 透華 100000-100000*182/196=100000-92300=-7700 姫子 100000-100000*195/196=100000-99000=-1000 中堅戦終了 関東 117000(-2000) 中部 96400(-7700) 大阪 108400(+10700) 九州 78200(-1000) 【中堅戦ダイジェスト】 洋榎「出鼻くじきリーチ!」 智葉「くっ……」 姫子「ツモ!2000・4000!」 洋榎「何やと!?」 透華(このままだと何も目立てないまま終わってしまいますわ!) 透華(おいでまし!) 透華「ロン!12000!」 智葉(私も負けていられるか!) 智葉「ロン、16000」 洋榎(三人がかりでそこまでウチを狙うんか……まあええわ、見せたる!) 「――――――ツモ!」 怜(……竜華) 怜(ウチ一人でも頑張って来るわ) 怜(……いや、一人やなかったな) 怜(荒川さんに咏ちゃん、愛宕さん、赤阪さんやっておるんや) 怜(私、ここまで来れたんやな) 美子「あ……よろしくお願いします」 怜「こちらこそよろしくお願いします」 絃「……よろしくお願いします」ズーン 怜「あんた、関東の霜崎さんやったっけ?なんでそんなに暗いんや?」 絃「……さっき自販機に五千円札を飲まれてしまったんです……」 怜「一葉さんが!?」 美子「誰だってそんくらいのことはあっとですよ」 絃「そう……ですか?」 怜(いやあり得へんやろ……) 衣「待たせたな魑魅魍魎!永久凍土よ!」 絃「永久凍土?」 美子「魑魅魍魎って悪か意味でしたよね?」 怜(面子濃いなぁ……) 怜(この藁人形、使ってみよ) 怜「天江さん?髪にゴミついとるで」 衣「何処にだ?」 怜「ちょっと待っててな、取ってあげるわ」プチッ 怜(綺麗な髪の毛やな……) 怜(これを人形の中に入れて……) 怜 100000-100000*269/212=100000-126900=+26900 絃 100000-100000*238/212=100000-112300=+12300 衣 100000-100000*196/212=100000-92500=-7500 美子 100000-100000*147/212=100000-69300=-30700 副将戦終了 関東 129300(+12300) 中部 88900(-7500) 大阪 135300(+26900) 九州 47500(-30700) 【副将戦】 怜(あとは釘を刺せばええんやっけ?)トントン 衣「うぐぅ……」 衣(何だこれは……ァ) 衣(不可思議、奇奇怪怪……) 絃(今日も私は不幸ですか、そうですか) 絃(はぁ……) 美子(何ば起こっとると?) 美子(テンパイができん……) 怜「ロン、16000」 怜(まだや!みんなと、まだ戦うんや!) 恒子「さあいよいよやってまいりました大将戦!」 恒子「果たして最終戦まで駒を進めるのはどの地区なのか!」 恒子「それでは大将の選手紹介だ!」 恒子「まずは九州選抜!」 恒子「トップと約八万点差!この逆境から立ち直ることができるのか!」 恒子「大将は!神代小蒔ー!」 はやり「胸とトンデモ火力に要注意ですね」 恒子「お次は現在三位!無事最終戦進出となるか!」 恒子「中部選抜大将はーっ!」 恒子「宮永咲ー!」 はやり「全てにおいてバランスのとれた選手ですねっ☆」 恒子「そしてそして!逃げ切れるのか大阪選抜大将!」 恒子「赤阪郁代ー!」 はやり「よくわからない、掴めない子ですよね」 恒子「個人戦以来の姉妹戦を制するのはどちらなのか!」 恒子「関東選抜大将はーーーーぁっ!」 恒子「宮永ー!照ぅー!」 はやり「CMの後もチャンネルはそのままでっ☆」 郁乃 100000-100000*206/291=100000-70800=-29200 照 100000-100000*341/291=100000-117200=+17200 咲 100000-100000*324/291=100000-111300=+11300 小蒔 100000-100000*293/291=100000-100700=+700 第二戦目終了 関東 146500(+17200) 中部 100200(+11300) 大阪 106100(-29200) 九州 48200(+700) 郁乃「ツモ、2600オール」 照(郁乃……) 照(たとえあなたが相手でも) 照(容赦はしない)ゴッ 照「ツモ、400・600」 照「ロン、2600」 小蒔「あっ、はい……」 照「ロン、5800」 照「ツモ、3300オール」 照「ロン、12600」 小蒔「……っ」ジワッ 小蒔(このまま、負けっぱなしなんて……) 小蒔「…………」スゥ 【娘よ、力を授けるぞ】 【存分に戦え】 【不完全なその器でな】 「――――ツモ」 小蒔「4300・8300」ゴッ 咲「カン」 咲(赤阪さんに神代さん、そして……) 咲「カン」 咲(お姉ちゃん) 咲「カン」 咲(今日は負けない) 咲「もいっこ――」 咲(負けたくない!) 咲「カン!」 咲「ツモ、8000・16000」ゴッ 郁乃(なんで……なんで) 郁乃(みんな私のことを信じてくれとったのに……) 郁乃(なんで、何もできないんや!) 郁乃(私やって、まだ!) 照「……ツモ」 恒子「大将戦、決着ー!」 恒子「最終戦へと駒を進めたのはァー!」 恒子「王者宮永照擁する関東選抜!」 恒子「そして、荒川憩、愛宕洋榎のダブルエース!大阪選抜だー!」 京太郎「5900点差、ですか」 雅枝「赤阪があそこまで荒れるんは意外やったな」 霞「滅多にないのに……」 良子「他の三人がクレイジーだったんでしょう」 雅枝「……今夜の練習で見てみよか、とりあえず今は帰らんとな」 雅枝「一時間後、会場前で集合や」 雅枝「それまでは自由時間、好きにしてええで。ほな後で」 ガチャ バタム 京太郎(自由時間か……) 京太郎(会場の中でもうろつこう)